バレー最後の試合

本当にこれで最後のバレーの試合がありました。
最後というのに、けが人続出で、６人揃わないという事態に・・
急遽エントリーし忘れたチームの子をレンタルして
出場しました。

１試合目、むしむしは先発でした。
試合は３セット目デュースという接戦の末、レンタルした子の
活躍もあって勝利を手にしたのですが、むしむしは
サーブが一本も入らず、元気もあんまりありませんでした。

２試合目、やっぱり先発でした。一試合目よりむしむしの
元気があるようでした。でもやっぱりサーブが入りません・・
接戦の末、セットポイントを手にしたところで
なんとむしむしがサーブの順番。
監督はむしむしに代えて控えの子をサーブに送り、
見事セットを取りました。

２セット目はベンチで応援。でも試合にでている時より
ずっと元気なむしむし。けがで応援に回った子二人を
あわせたより大きな声で応援です。

残念ながら２セット目を失い、３セット目。
ベンチでは生き生きとしたむしむしの声援が続きます。
セットの中盤、むしむしに代わって入った子の前に
３度続けてボールが落ちました。

ここで監督、むしむし投入です。
すぐにコートチェンジの１１点目を相手に取られてしまった
のですが、再びサーブを取り返しました。

またしても、今日サーブが一本も入っていない
むしむしにサーブの順番が回ってきました。
一緒に見ていたお母さんたちはむしむしのサーブの
不調を知っています。
「入れるだけでいいから・・・」
祈るようなつぶやきも聞こえます。

が、むしむしからは今までとは違う鋭いサーブが
繰り出されました。なんとサービスポイント！！
応援団大絶叫。誰かが叫びます。
「むしむし、本当にうれしそう！」

見ると、満面笑みをたたえたむしむしが
チームメイトの中を走っていました。

それからむしむしの鋭いサーブは２本も続き、
相手の連携は乱れて、ネットを越えることはありませんでした。
そのたび大絶叫。

しかし相手チームの監督もここでタイムアウト。
「せっかくの流れを・・・」
と悔しそうにつぶやく応援団。
むしむしはタイムアウトにも負けず、サーブを
きちんと入れることができましたが、
相手もやられてばかりではありません。

試合はその後、一進一退の攻防が続きました。
子どもたちの集中力も簡単には切れず、
前半が嘘のような大声が出ています。
応援団のヒートアップもすごいことに・・
「もしこのまま勝ったら、この試合の功労者は
むしむしだね」
と誰が言ってました。

試合はやはりデュースにもつれこみましたが、
最後２本立て続けにミスが出てしまいゲームセット。

試合には負けてしまいましたが、私にはとてもいい試合でした。
サーブが決まったことじゃないんです。
むしむしの唯一の得意技、
「自分の元気がみんなの元気を引き出す」
ってのが最後の試合でできたからなんです。

多分なのですが、ベンチで応援するうちにすっかり
リラックスしたむしむし。それがよかったんじゃ
ないかと思います。先発だと緊張しちゃうみたいです。

帰り際、いつもは厳しいダメ出しをする人も
「むしむしは本当はできる子なんだよ。
あのサーブが一本だったらまぐれかもしれないけど
まぐれで３本は続かないもの」と他の人に
話しているのを聞きました。

家に帰ってむしむしに話してあげました。
こうしたことの積み重ねで、むしむしの自己肯定感が
あがってくれればいいなと思います。

いろいろあったけど、むしむしのスポ少生活もこれで
おわり。後は卒団式を残すだけです。
今日になって
「なんかつまんない・・。バレーがもう
ないかと思うとなんだかつまらないよ。」
と生まれて初めての喪失感を感じているようです。

中学があるよ！