晴れ、ときどき毛玉なり

~時には毛玉も吐くけれど、とりあえずは今日の努めにシペシペするなり~

猫好き夫婦の日常生活あれこれ雑記

ムード・インディゴ  うたかたの日々

2013-11-02 | レビュー

気になっていた映画「ムード・インディゴ」を観てきました

私には、たいへん珍しい恋愛映画。

だって恋愛映画って観てても退屈ですもん。

たいてい私がワクワクしながら観るのって、ホラーか、猟奇殺人モノサスペンスですからねぇ…

それだけ普段、避けて通る恋愛映画なのですが、この作品は予告トレーラーの映像が鮮烈だった為、

まんまとノセラレ映画館まで足を伸ばしました。

実際、観てみるとポップでカラフルな小道具と映像がなんともお洒落で、幻想的というか、

観ている間不思議な浮遊感を覚える映像でした。

ストーリーは、ざっとこんなカンジ。

働かずとも楽しく生活していける裕福な青年コランは、ある日無垢な娘クロエと知り合い

恋におちます。

周囲から祝福され盛大な結婚式をあげた二人でしたが、幸せは長くは続きませんでした。

クロエは肺の中に水連が咲く奇病にかかってしまうのです。

クロエを救おうと、高額な治療費を稼ぐべく働いた事もないのに仕事を探しだすコラン。

友人達もクロエとコランを支えます。

コランは愛するクロエを救えるのか?

 

 

 さて…ここからはネタバレなので、これから観ようとしている人は読まないで下さいね

 

      ・・・・・・・  ・・・・・・・・

 

クロエの看病から昇天までの間、コランは必死に働くのですが何をやってもクビ、クロエの高額な

治療費もまともに払えません。

幸せな生活から様変わりしたのは、コランとクロエだけでなく、周りの友人達にも悲劇が訪れます。

コランの親友は思想に溺れ恋人を捨て、捨てられた恋人は自分の恋人が啓蒙する思想家を殺します。

前後して、恋人を捨てたコランの親友は窃盗諸々の罪で逮捕される時、抵抗して誤って射殺されます。

そんな悲劇の最中にクロエの昇天。

(そう。答えは、クロエは救われることなく、あっさりと昇天するのです。)

そしてコランも後を追うように湖に落ち沈んでいきます。

 

原作ボリス・ヴィアンの「うたかたの日々」は読んだことないのですが、

これって原作に忠実なんでしょうか。

 

しかし…なんなの?この映画・・・・

 

これ以上ないという幸せな日々から、堪らなく過酷でツライ日々に一転して終わり。

クロエとコランの涙のお別れシーンなんてものも無く、淡々と不幸な生活が描かれEND。

ストーリーもさることながら、驚いたのが映像の変化。

最初の幸せな日々は色鮮やかでポップな映像で表現されていたのに、不幸な生活は観る者が

気付かない内に色の無い映像に変わっているし…。

ラストに近付くにつれ、モノクロか?と思うほど、色が無くなっていきました。

「二人でいれば、何度だってやりなおせる」

という言葉もむなしく…

 

帰り際、この映画なんだったんだろうなぁ~と考えていてやっと判りました。

この映画は、観客に幸せな日々が伝わればそれだけで良かったんだろうと。

普通はハッピーエンドだけど、この映画のようにバッド・エンドである方が、幸せだった日々が

より鮮烈になります。

失ってしまったからこそよく判る、限りなく幸せだった日々…

それこそが「うたかたの日々」。

こんな幸せの表現方法もあるんだなぁ~と、深く感銘した私でした。

 

 

そして最後に、作品には全く関係ないけど、映画館で感心したことがありました。

映画館でおひとりさま観賞する私の隣に、これまたおひとりさま観賞の若い女性が座っていました。

作品の中で(最初の幸せなシーン)、キュートともいえるコミカルな表現の度にその女性は

「くすっ」とか「ふふっ」とかって小さく反応するんですよ。

えっ?!こんなとこ、そんない面白い?って私は思ってたんですが…

 

でもね、自分が男性なら、こういうささやかなシーンにも反応する感受性の高い女性と

映画デートしたいだろうな…と思うんですよ。

また、こういう女性って可愛く見えるよなぁ~、こちらまで微笑ましく感じるよなぁ~、と

うらやましくなってしまいました。

 

そうだ

 

私も次から、映画を観るときはささやかなシーンでも

「ふふっ」とか「くすっ」とかって反応しようっと

そうすりゃ、好感度UPだわさっ

 

 

って思ったけど、よくよく考えたら私が普段よく見る映画ってホラーか猟奇殺人サスペンスでした。

猟奇殺人のを観て「ふふっ」なんて笑ってたりしたら、好感度どころか

不審&嫌悪感UPじゃないのっ

それもよりによって、私お得意の“おひとりさま観賞”してる時に、それをやったら

知らない人に恐怖感すら与えるって…。

 

周囲の高感度UPを狙いたいのなら、まず観賞する作品を選ばなくてはならない、

おのれのシュミから是正しなければならないことに気付かされた私でした

 

ふんっバカは相手にしてられんのっ。罰として乗ってやるにゃ

 

日に日に重量を増しているせいたんに乗られるのが、最近は何よりの罰ゲームです。

 

これは、ちっちゃかった頃のせいたん。

もう、食べちゃいたくなるくらい可愛い仔猫だったなぁ~・・・。

 

 

まさに、うたかたの日々・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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