かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

すいませんっ

2015年03月26日 | サポーターの心得
検診でひっかけられた肺の影を定期検査するために、3ヶ月ぶりに受診した男性患者さん(49)。


『タバコ、やめました?』
前回、喫煙者であることを確かめ、禁煙を勧めた、とカルテに記載していたので、訊いてみた。


「すいませんっ!」

『えっ!?タバコ吸ってませんでしたっけ?』

「いえ…すいません…謝ってるんです(-_-;)」

『あらっ、まだ吸ってるの?やめてないの?それ、ヤバいわよ~』


タバコを吸いながら、肺がんになるのを恐れている人は世の中多いけれど、みんながみんな、肺がんになるわけではない。

タバコが原因となって引き起こされる病気は、がん以外にもた~くさんあるのを、まだまだご存知でない方が多い。


『あのね、あなた、肺がんを心配しているみたいだけれど、はっきり言って、肺がんっていうより、あなたは心筋梗塞とか脳梗塞タイプね。49歳…そろそろヤバイわねぇ。ポックリなんか逝けないわよ。ポックリ逝けるのは、タバコ吸ってない人だから。タバコ吸ってると、苦しみながら生きなきゃいけないのよ。つらいわよ~』


騙したり脅したりしているわけではない。

プロとして、現場で見て、知って、実感していることを話してあげているだけ。

「正月にやめようと思ったんですよ。だけど吸っちゃった。ストレス多くて…園芸関係の仕事なんで、今、一番忙しいんですよ」


しかし、日常感じているストレスのほとんどが実はタバコで作られていることは、今の時代、きちんと説明してあげれば、大抵の人は納得する。


「すごく良く効く禁煙の薬があるって本当ですか?治療費もタバコ代より安いって」

テレビなどのCM効果以上に、身近な禁煙治療経験者の体験談効果は、思いの外大きい。

もちろん、彼にも禁煙外来の予約を強くすすめた。


「だけど、禁煙しちゃったら、綺麗なセンセイに会えなくなっちゃうじゃないですか(笑)」


そんなこと言ってるくらいなら、花のひとつでも持ってきなさ~いって!
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 春の知らせ | トップ | 姪っ子だの甥っ子だの »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サポーターの心得」カテゴリの最新記事