コロナ病棟担当の医師とちょっと話をする機会があった。
患者数が再び増えてきているが、忙しさの質がこれまでと違っているという。
重症患者はというと、肺炎で呼吸器装着しなければいけないような人はあまりいないかわり、要介護4の寝たきり状態というような高齢者が全身状態の悪化で入院しているのが今のパターンのようだ。
おそらくワクチン接種の効果でウィルスそのものによる重症化が抑えられているが、若年者、特にワクチンを打っていない小児が感染を拡げていて、家庭内感染を介して、高齢者や働く大人たちに再び感染が拡大している。
小児のワクチン接種については「副反応が心配だから」とか、「周りで打っている人がいないから」とか、「様子をみたい」とかいう理由でワクチンを打たせない親たちが、小児医療を中心に、医療機関を逼迫させ、医療従事者を疲弊させていると言っても過言ではない。
そうしたしわ寄せは、最終的には高齢者へいく。
高齢化社会を健全に保っていくためには、これからはもっと若い世代が社会全般に対しての理解を深めていく必要がある。
「日本人って、こんなだったですかねえ。民度が下がってきている気がします」
日本人の民度···
これまで、低いなあと感じることはあっても、現在進行形で下がっていっているという感想を持ったことはなかったので、彼の発言には少しビックリしたが、ある世代では、それが言えるかもしれない。
義務教育課程での学習の良し悪しが社会に与える影響は、たぶん思っている以上に大きい。
教育を軽んじる政治は、社会を衰退させる。
とにかく、とりあえずは、夏休み中に、なるべく多くの子供達にワクチン接種をしていただきたい。
小児の接種業務をしていて感じる限り、ワクチンによる副反応は大人よりも軽い。
現状を正しく見れば、高齢者に行動制限をかけることよりも、小児・若年層のワクチン接種率をあげることのほうが重要な課題だと思う。
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