旅行作家、山本鉱太郎氏の展覧会が柏市（千葉県）花野井の大洞院で開かれていると知り出かけました。
氏の著作は、特に関東の地誌、歴史を知るうえで貴重な資料となっています。経済発展の陰で失われた地方の歴史が氏の本の中ではまだ生きているからです。現地に赴くのは当然としても、古老や関係者への取材も行われていて生きた歴史が文章と写真で残されています。
とは言え、氏の活動が歴史だけではなく、旅行作家、シナリオライターなど多岐にわたることをこの展示で初めて知りました。お寺の中の広くはない１室での展示ですが、所狭しと広げられた写真や図書、雑誌、図、スケッチ、台本などが氏の多芸ぶりを語っているようです。著書に掲載されている分かりやすい図が氏の手になるものであることも初めて知りました。調べた当人が書いているのですから分かりやすいはずです。
氏の旅行手帳を拝見すると字がびっしりと書き込まれ、中には途中で集めた資料がたくさん挟み込んでありました。このような努力があって初めて紀行が書けるのだなと感じ入りました。私には到底真似もできません。
幸い、会場のご本人ともお会いすることができました。御年91歳というご年齢にもかかわらず矍鑠として元気なご様子には感服しました。
山本先生、これからもどうぞお元気でご活躍ください。∎
『熱血の旅行作家 山本鉱太郎展』
会期 2021年4月10日（土）～4月18日（日）10:00～16:30
場所 大洞院ギャラリー（千葉県柏市花野井1757）入場無料