チェリビダッケの小箱

音の出るパンケーキ

Haydn:Sym No.104、Debussy&Stravinsky

2008-02-08 19:07:19 | URANIA
・Haydn:Symphony No.104 in D major, Hob I/104, "London"
Berlin Phil/1950.02.20
・Debussy:Jeux
Berlin Phil/1948.03.20
・Stravinsky:Jeu de Cartes, Ballet
Berlin Phil/1950.03.06

レーベル:URANIA RECORDS(URN 22.132)


演奏評価
・Haydn
☆☆☆☆☆☆
・Debussy
☆☆☆☆☆☆
・Stravinsky
☆☆☆☆☆☆☆☆


録音評価
・Haydn
☆☆☆
・Debussy
☆☆☆☆
・Stravinsky
☆☆☆☆☆


ハイドンのロンドンとドビュッシーの遊戯、ストラヴィンスキーのカルタ遊びという一枚。

ベルリン時代の演奏です。

ハイドンは一楽章の冒頭からスケールの大きい音楽が展開されてます。
既に晩年のスタイルに通じるものを感じますね。
テンポ設定はシュトゥットゥガルトとの演奏より遅いくらいで、晩年よりもややロマンティックな感じがします。
ただ、下の二曲に較べて録音の質が悪いですね。
古いのでしょうがありませんが、いい演奏だけに残念です。

ドビュッシーとストラビンスキーも秀演。
さすがにこういう曲は上手いですね。

特にストラヴィンスキーは凄いです。

録音はモノラルながら非常にクリアで、緻密で鋭いリズム、爆発力とユーモアを兼ね備えた演奏は、シュトゥットガルトとのティルを思い出させますね。
ハイドンとドビュッシーはやはり歴史的価値・マニア向けの感がありますが、ストラビンスキーはチェリビダッケに興味のない人も一聴の価値があるでしょう。

ベルリンフィルとの演奏では、メンデルスゾーンのイタリアやプロコの古典と共にお薦めです。


それにしても、ベルリンフィルの実力には驚かされますね。
この時代において、この技術的水準の高さとアンブルの精緻さには脱帽です。

チェリビダッケはベルリンを去った後、イタリアやスウェーデン、デンマークやフランスなど色々なオーケストラを振ってますが、いつもオケの実力に満足がいかず、演奏や運営をめぐってオケ側と衝突を繰り返して転々とした人です。

大学で学生の室内楽や合唱を振ったことしかなかった人間が、突然ベルリンフィルの実質上の首席指揮者になったわけです。

初めてまともに振ったオケがベルリンフィルでは、余所にいって満足できるわけありません。

歴史にもしもはありませんが、もしカラヤンではなくてチェリビダッケがフルトベングラーの後継者になって、ベルリンフィルを50年にわたって振っていたら一体どうなっていたのでしょうね?

「私がベルリン・フィルハーモニー管弦楽団をその後さらに指揮しつづけたら、このオーケストラは別の道を歩んだことだろう。カラヤンはこのオーケストラをアメリカ流に艶っぽくて磨きぬかれたオーケストラに変えてしまった。わたしならそれをドイツ的なひびきをもつオーケストラに育て、その結果ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの伝統を受け継いだことだろう」

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