転 覧 記

ほぼ展覧会レポ。たまに読書記録。

平常展(2009年9月)@東京国立博物館 その10

2009年09月17日 23時23分56秒 | 展覧会

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聖母像(親指のマリア)イタリア・17世紀 長崎奉行所旧蔵品

日本に渡ったイタリアの宣教師シドッチが携行したマリア像。
彼は捉えられ、江戸の切支丹屋敷の地下牢で獄死したとのこと。

…にもかかわらず、この絵が焼き捨てられもせずに
後世まで残ったのは何故なんだろう。


全身が青い衣で覆われているマリア像はいかにも近寄りがたく感じられるものですが
この絵の場合、袖口から親指の先が覗き見えていることで、
ほんの少しではあるものの、聖母に無防備な印象を与えています。

聖母と見る者との距離を縮めるための工夫なのかもしれません。


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