
瀬戸内、茨城(県北)、さいたま など… 今年は全国で芸術祭が目白押しですね。瀬戸内に引き続き 2016年8月11日から愛知県ではじまった「あいちトリエンナーレ 2016」に行ってきました!

①名古屋 ②岡崎 ③豊橋 の3つの都市を会場として開催される「あいちトリエンナーレ 2016」。
わたしは1泊2日で豊橋→名古屋を巡りました。会場は比較的密集していますが、名古屋だけでも2日必要だった…!(*_*)と後悔する、なかなかのボリュームでした。
まずは、豊橋会場で面白かった作品をご紹介したいと思います。

(豊橋駅を降りるといきなりスペースシャトルが出迎えてくれてびっくりします…パチンコ屋かな…?)
■ 見応えのある作品が集まる 豊橋駅前大通会場 開発ビル
まずは、会場の1つ PLATでパスポートを購入します。

(パスポートを購入すると「鑑賞の手引き」の小冊子とマップをいただけます!作品やアーティストの解説などが載っていて鑑賞の参考になりました。公式ガイドブック(写真左)は作品の詳細については書いてありませんが、アーティストインタビュー&街歩きのガイドが掲載されています。)
そして、作品の密集する開発ビルへ。こちらのビルには2Fから10Fまで、各フロアが作家の個展会場かのような見応えのある展示が密集しています!
まず、10Fの石田尚志さんの作品。コマ撮りで少しずつ線を書き足しながら、まるで線が生きているように動く”絵巻”のシリーズと、音楽に合わせて描く”ライヴペインティング”のをベースに、フロアの各部屋の中で映像作品がインスタレーションとして展示されています。

(昨年の横浜美術館の個展で発表された「渦巻く光」(2015)もありました。展示空間が変わると作品の見え方も大きく変わるのに驚きます!)
ムニュムニュと動き回る線が、部屋の中にまで溢れ出ていくようです。

(部屋の全体に、石田さんの作品の線が溢れていきます…)


(新作の映像作品。「回転絵巻」では、これまでとは少し違った演出もありました。なめらかな線の動きがとても心地よいです。)
そして、5Fの久門剛史さんの「PAUSE」。

身近な雑貨と音を使って、すこしだけ日常から離れた世界を見せてくれる久門さんの作品。こちらも、ワンフロア・4つの部屋を使って、様々な作品を見せてくれました。
特に、地球や月などの惑星を思わせるような 鏡と光をつかった作品と

時計を使い、静かな音と美しい光の世界を見せてくれる2作品で構成された部屋は、宇宙を想起させるような空間で、古いビルの雰囲気を驚くほど幻想的な空間に変貌させていました。



(時計から天井に反射した光が、なぜか五線譜のような模様に見えてくるのも不思議でした。日用品を使いながらも日常からは離れた空間が広がった部屋でした。)
■ 陸上なのに水上…?建物もおもしろい 水上ビル会場
続いて駅前に建つ古いビル、地面にあるのに名前は「水上ビル」…?

こちらは、なんと、農業用水路の上に建てられているビルなのだそうです。

(水路の上に建てられた名残として、ビルの横には橋の欄干が残っています。川がないのに不思議…)
1960年代に建てられたもので、現在では”既存不適格建築物”なのだとか。
この長屋のような建物の中にいくつかの作品がありましたが、特に面白かったのがラウラ・リマの作品。なんと、ビルの中に100羽の小鳥が放たれています。

(入り口で1羽を見かけた時は「かわいい〜」とはしゃいでいましたが…)


(家のあらゆる場所に小鳥が!! アリエナイ光景に ちょっと不気味さも感じます…)
ハンガーとか荷造りテープみたいな人工物を使ってつくられた鳥の巣みたいな写真をみたことがありますが、あれが拡大して、家まるごと一棟が鳥の巣として乗っ取られたみたいで…ちょっとした恐怖も感じる作品でした。

人にとっては快適なクーラーの効いた部屋には小鳥はいなくて、暑くて狭い場所にはたくさんの小鳥がいて… ひょっとして人と鳥が”快適だな”と思う環境って少し違うのかな?なんてことも感じました。
■ チケットセンターなどはこちらに。 穂の国とよはし芸術劇場PLAT
最後に、チケットを購入したPLATに戻ります。こちらにあるのが、大巻伸嗣さんの「重力と恩寵」。ロビーの吹き抜けに伸びる巨大なレリーフの施された灯篭のような作品です。非常に細かいレリーフの中には、人の進化やたくさんの花など…


昼間だったので、あまり影は見えませんでしたが、夜になったらまた大きく表情が変わりそうな作品です。

豊橋会場は街中の数カ所の建物に分けて作品が展示されていましたが、いずれも駅から気楽に歩いて回れる範囲で、1日で作品鑑賞と観光を併せて見て回るのにちょうど良いボリュームでした。
ちなみに、豊橋は観光も楽しかったです。こちらについては次回に書きたいと思います。

(豊橋駅にいた 豊橋のゆるキャラ「トヨッキー」。本名は「ホの国(くに)ヨシダ」?!)
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■ DATA ■

会期: 2016年8月11日(木・祝)~10月23日(日)[74日間]
主な会場:
愛知芸術文化センター
名古屋市美術館
名古屋市内のまちなか(長者町会場、栄会場、名古屋駅会場)
豊橋市内のまちなか(PLAT会場、水上ビル会場、豊橋駅前大通会場)
岡崎市内のまちなか(東岡崎駅会場、康生会場、六供会場)
芸術監督: 港 千尋
チケット:
普通チケット 一般 ¥1,800 大学生 ¥1,300 高校生 ¥700
フリーパス 一般 ¥3,600 大学生 ¥2,500 高校生 ¥1,200
普通チケット 一般 ¥1,800 大学生 ¥1,300 高校生 ¥700
フリーパス 一般 ¥3,600 大学生 ¥2,500 高校生 ¥1,200
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