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東京都現代美術館から少し歩いたところにあるギャラリー;gallery COEXIST-TOKYOで、幅広い世代のメディアアーティストの作品を集めたユニークな展覧会が行われています。
日本におけるメディアアートの草分けとして知られ、造形作家であり元多摩美術大学学長の高橋士郎さんの監修で開催されている展覧会です。
この世からあの世まですべての事象を
- 空気 / 音波(空相)
- 液体 / 流体(液相)
- 大地 / 素材 / 加工(固相)
- 生命 / 感覚 / 寸法 / 時間(この世)
- 重力 / 機構 / 構造(重力)
- 電気 / 磁気(電荷)
- 光波 / 視覚(光)
- 記憶 / 認識 / 想念 / 数理(あの世)
という8つのカテゴリーに分類し、アート作品のヒントとして紐解く、「Hyper Art Catalog.」という高橋さんの試みを、1つのテーマずつ、計8回の展示で表現していくというものだそうです。
ギャラリーのある建物の2階に向かって薄暗い階段を昇っていくとゆらゆらと曲線の影が落ちてきて、外と少し違った空気の、別の空間に足を踏み入れていることを感じます。
それは、階段を昇るとまず出迎えてくれる莇 貴彦さんの「Cumlus」(2015)という作品でした。
不定期に、不穏な音を放ちつつ、会場の雰囲気を作り出していたのは、山川冬樹さんの「原子ギター 初号機/弐号機ストラトキャスタータイプ」(2011)。
ガイガーカウンターで放射線を計測し、その数値によって装置がギターを裏側から叩き、ギターの音を鳴らすというもの。
今回の展覧会のタイトル「 大気(air):旋律(air)」の要素を最もよく表している作品ではないかと、ギャラリーの方もお話してくださいました。
そして、そのギターの音を聴いて踊るように、回転しながら浮遊しているのが、小松宏誠さんの「Lifelog_glider_02」(2015)。
空気の力(気流)だけで、小さな展示台からはみ出ることなく空中に滞在しているのが不思議な感じです。
この作品に使用されている羽根は本物の鳥の羽根。人工的に作った羽根を使っても、こんな風に浮遊させることはできないそうです。
この回転する羽根の最下部にはルアーのしっぽのようなものがついていて、これが左右にたなびいていているとなんだか生物のよう。空気の中が、まるで海の中のような、そこだけ重力がふっと減ってしまったかのような不思議な光景でした。
会場の中でひときわ存在感を放っていたのは、高橋士郎さんの”空気膜造形”「イザナミ」(2014) 。ただ、静かに会場の隅に佇んでいるようでしたが、近づいてみると、表情が変化していきました。
筋肉の弛緩・収縮で表情が変化するように、空気圧の変化で表情が変化し、表情が変化するというその場の空気が変わって見える、そんな面白い作品でした。
その他にも、原田大三郎さん、谷口暁彦さんといったアーティストの作品が全9点展示されています。
今週末の6月28日(日)で終了なので、ぜひお急ぎください。
また、今週末;6月27日(土)には、山川冬樹さんによる ライブ・パフォーマンス+レクチャー『音響身体論 001』が開催されるそうです。
(電話orメールでの予約制)
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■DATA
- 会期:2015.5.30 (土) - 6.28 (日)[月曜休廊]
- 時間:11:00 - 19:00
- 会場:gallery COEXIST-TOKYO (access)
- 企画:監修:高橋士郎、企画制作:莇貴彦
- 入場料:無料
- 出品作家 : 高橋士郎、原田大三郎、山川冬樹、小松宏誠、谷口暁彦、莇貴彦
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