キリストのあかしびと 公教会の教父たち

公教会(カトリック教会)の諸聖人、教父、神父らの伝記を掲載していきたいと思います。彼らは、クリスチャンの模範です。

シュステル枢機卿 14 高熱でもやめない

2018-03-02 23:43:34 | シュステル枢機卿
『シュステル枢機卿 - 模範的な司牧者』カスティリオニ神父・デルコル神父共著

◆14、高熱でもやめない

 ある日、いざ視察に出かけようとすると、少しからだがふらふらしました。顔が赤くほてっています。「司教さま、失礼」といって、そばにいた人が、触れてみてびっくり、山地の村々の教会を視察するために馬にのってけわしい道を。

 大変な高熱です。

「まあ、ひどい熱!司教さま、危いからおやめになってください」といっても、かれは承知しません。

「心配はいりません、よい人たちの祈りが、わたしを支えていてくれますから」そういって、また出かけて行くのでした。

 まもなく、かれについて聖人のうわさが広がっていきました。行く先々の町や村で、お母さんたちが病気の子どもを連れていって、かれに差し出します。その度に、大司教さまが祝福を与えると、かならず病人は、いやされていました。

「わたしのおかげでなおったなんて、絶対にいってはなりませんよ、なおしてあげたのは、聖母マリアさまですから」とかれは.その度に、かたく命じるのでした。

 またかれは、新しいお聖堂や祭壇の聖別式を熱心におこなっていました。25年間に、かれが聖別した聖堂は、なんと280、祭壇は170にも達しました。それにしても、聖別式はひじょうに長くかかる式だったから、大変な努力だったにちがいありません。


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