JETRO上海事務所
2024年9月5日
中国で2024年9月6日、上海市の自由貿易試験区の臨港新エリアに位置する世界最大の室内スキー場「耀雪氷雪世界」が開業する(2023年12月28日記事参照)。同施設は、大型国有企業の上海陸家嘴集団と不動産大手の上海港城開発集団が共同開発したもの。
同スキー場の総工費は70億元(約1,400億円、1元=約20円)、総面積9万平方メートル、気温はマイナス3度前後を維持している。ゲレンデには難易度別に4本のコースがあり、最長滑走距離460メートル、上級コースは最大斜度26度になる。そのほか、16種類のアトラクションも備えており、初心者や家族連れでも楽しめる施設となっている。
中国国家体育総局が2024年6月に発表した「大衆向けウインタースポーツ消費市場調査レポート」によると、昨季にウインタースポーツを楽しんだ人は国内で4億人以上に上る。また、2014年時点で中国における室内スキー場は5施設だったが、2024年4月末時点で59施設まで急増している。2025年には、深セン市で同等規模の室内スキー場「深セン前海華発氷雪世界」が開業する予定で、室内スキー場の建設ラッシュが続いている。
2024年8月3日、中国国務院が発表した「サービス消費の高い質の発展を促進するための意見 」には、「スポーツ関連施設を増やすほか、雪上・氷上スポーツを積極的に推進し、全国的な普及を図る」と書かれており、ウインタースポーツ関連消費に対する高い期待がうかがえる(2024年8月14日記事参照)。
耀雪氷雪世界の室内スキー場の様子(ジェトロ撮影)
急拡大する中国ウインタースポーツ市場を取り込むべく、中国でスノーボードなどのウインタースポーツ用品を販売するヨネックス(上海)体育用品は、同施設の1階フロアに約70平方メートルの実店舗を構え、2024年8月28日にオープニングセレモニーを行った。
同社の大塚幸博部長は「世界各国のスキー協会からも非常に注目されている施設だ。10月12~13日には、同施設内でスノーボードなどの試乗会イベントを開催する予定。中国のウインタースポーツ人口は増加し続けており、最も有望な海外市場の1つだ」と述べた。
ヨネックス実店舗オープニングセレモニーの様子(ジェトロ撮影)
日本のスキー市場が縮小する中、旺盛な中国市場の開拓に意欲的な日本企業に応えるべく、ジェトロは、JAPAN MALL事業の一環として、「上海耀雪氷雪世界」および華北地域の室外スキー場において、消費者向けに年間を通じて日本ウインタースポーツ用品の電子商取引(EC)販促・体験イベントを実施していく(注)。
(注)JAPAN MALL事業は、海外の主要ECサイトによる日本商品の買い取り販売を支援することで、売れ筋日本商品の創出を目指す、EC分野初のマーケットインの取り組み。詳細はJAPAN MALL事業ホームページを参照。
(高山博、劉佳俐)
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