ケアトリハ

介護とリハビリの仕事をしている方、目指している方、介護やリハビリってどんな世界なの、という方に読んでいただきたいです。

●● 独り言上手 ●●

2017年01月11日 | 介護
あけましておめでとうございます。
昨年からブログを始めましたが…さっそく更新を怠っておりました^-^;
どんな方々がご覧になってくれているのか分かりませんが、実際の現場の様子を私なりの視点でお伝えさせていただき、介護やリハビリの業界に興味を持っていただければ何よりです^-^

今回は、私が初めて描いたイラストをご紹介します。
介護の仕事を始めたばかりの約20年前、完全な寝たきり状態で、お話もできず、声をかけても反応のない状態のご高齢の利用者さんのお世話をしておりました。
清拭のために体を動かしても時々、痛みを感じられたかのような眉間にしわがよるくらいしかない表情の変化、オムツ交換などの時に体位変換(体の向きを変えるなど)を行うと、閉じていた目がパッと開いたりするような反応しかありませんでした。
もちろん、口からの食べ物の摂取はできませんでしたので、直接おなかに管を通した「胃瘻(いろう)」を使って、液体状の栄養を胃に直接入れていました。

ある時、ふっと思ったのですが、この方の視界に私達はどんな風に映っているのかな?と思いました。
その時に想像して描いたのが、今回のイラストです。

笑顔たっぷりの職員さんの対応なのですが…声をかけてもらえる内容が「オムツ交換」や「清拭」など、業務的な内容に限られていることに、私なりの皮肉を込めてみました^-^;
寝たきり状態で声も出せない方でも、きっと内面ではいろんなことを見聞きし、感じているのだと思います。ただ、それを表に出せないというだけで、「何も考えていない人」と決めつけるのはおかしいと、素人であった介護士時代に感じておりました。
理学療法士になって医学の知識をある程度身に着けた今では、その当時の考え方もまんざら間違っていなかった、と嬉しく思います^-^

介護や医療の現場でお勤めの方は、ぜひ、寝たきり状態で反応もない方であっても、丁寧にお声をかけて差し上げ、業務的なこと以外でもお声をかけて差し上げてくださいね。天気の話でも、季節の話でも、あなたの愚痴でもいいと思います^-^

私は介護士時代によく、後輩の介護士に「介護の仕事をする人は、独り言上手になれるといいよ」と話していました。わざわざ相手に返答を求めるような「会話」ではなく、返答が難しい方には、返答を要求しない「会話」でお話して差し上げるといいと思います^-^



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