「たね」
2006-11-29 | た
いま『口説く技術』という本を読んでいる。心理学者である内藤諠人という先生の著書だ。まだ読みはじめたばかりなので内容について把握していないが、仕事上での対人交渉の方法に関するものと言えるだろうか。異性を口説くための指南書ではない。
さて本日のお題はその中から。部分的に引用してみよう。
◇不安と緊張はリハーサルで消せる
人に会うとき、やたらに緊張する人がいる。必要のないことまで心配して、不安を高めてしまうタイプだ。
「嫌われないだろうか」
「失礼なことをいって、相手を不愉快にしないか」
「自分の話を喜んで聞いてくれるだろうか」
などと、ネガティブに考えればいくらでも心配のタネはつきない。
(後略)(p35より)
自分もいろいろと心配する方なので、ウンウンと頷きながら読み進めた。そして引用部の最後の「ネガティブに考えればいくらでも心配のタネはつきない。」という文にスムーズさを欠く印象をもった。いくらでも~つきない、という言い回しにすこしザラリとしたものを感じたのだ。ただ微妙な感覚でうまく説明する自信もないのでそこはスルーしとく。
同じ文の中でもう一つ感じたことがある。それはなぜ“心配の種”ではなく“心配のタネ”という書き方にしたのか、という点だ。といってもたぶん特別なこだわりがあってのことではなく、読みやすさなどに配慮して、ということだろうと推測する。意図があったとしたら内藤先生ごめんなさい。
で推測に至る前段階、このカタカナの“タネ”にこだわりはあるかな、と考えているうちにフツフツと疑問が涌いてきた。それが本日のテーマ、タネとネタの使い分け、だ。自分は同じ意味の言葉として認識しているけれども、果たしてそれで正しいのか。皆さんは使い分けているのだろうか。もし使い分けているとしたらその基準はどのようなものだろうか?
たね【種】
1 植物が発芽するもとになるもの。種子(しゅし)。「_を蒔(ま)く」
2 1-人または動物の系統を伝えるもととなるもの。精子。「_を宿す」「馬の_をつける」
2-(「胤」とも書く)血筋。血統。父親の血筋をさすことが多い。また、それを伝えるものとしての、子。「高貴の_」
3 物事の起こる原因となるもの。「混乱の_」「悩みの_」
4 話や小説などの題材。「うわさの_になる」
5 料理の材料。また、汁の実(み)。「おでんの_」「すし_」
6 裏に隠された仕掛け。「手品の_を明かす」
7 よりどころとするもの。「生活の_」「飯の_」
8 物の、質。「客_」
[下接句]商いは草の種・苦は楽の種・品玉も種から・生業(すぎわい)は草の種・楽は苦の種苦は楽の種
ねた
《「たね(種)」を逆さ読みにした語》
1 新聞記事・文章などの材料。「小説の_」
2 証拠。「_があがる」
3 奇術などの仕掛け。「_を明かす」
4 料理などの原料。また、材料。「すしの_」
[ 大辞泉 提供:JapanKnowledge ]
ネタはタネを逆さ読みにした語なのか、やっぱりな。調べてみてわかったのは、ネタという言葉は“証拠”という意味以外では、タネに置き換えてもよさそうだということ。刑事ドラマで犯人に「タネはあがってんだよぉ」なんて取り調べしたりしないからなあ。犯罪の証拠はやはりネタだ。
それ以外だと使い分けのルールというのもなさそうだ。でも個人的な感覚としてはあるんだよな。たとえばお笑いの場合もネタだな。漫才師やコメディアンの方々はネタ合わせはしてもタネ合わせはしないだろう(勝手なイメージだけど)。それから、新聞や小説の題材もネタのほうがしっくりくる。
ところでネタという言葉はタネという言葉を逆さに読むことで生まれたとしたら、どんな由来があったのだろう。スルメをアタリメと呼ぶような縁起担ぎに似た理由かななんて勝手に想像しながら、語源由来辞典というサイトで調べてみた。しかし残念ながら見つからなかった。このへんはたぶんトリビアの領域だ。そう自分に言い聞かせながら、今日のところは断念する。
さて本日のお題はその中から。部分的に引用してみよう。
◇不安と緊張はリハーサルで消せる
人に会うとき、やたらに緊張する人がいる。必要のないことまで心配して、不安を高めてしまうタイプだ。
「嫌われないだろうか」
「失礼なことをいって、相手を不愉快にしないか」
「自分の話を喜んで聞いてくれるだろうか」
などと、ネガティブに考えればいくらでも心配のタネはつきない。
(後略)(p35より)
自分もいろいろと心配する方なので、ウンウンと頷きながら読み進めた。そして引用部の最後の「ネガティブに考えればいくらでも心配のタネはつきない。」という文にスムーズさを欠く印象をもった。いくらでも~つきない、という言い回しにすこしザラリとしたものを感じたのだ。ただ微妙な感覚でうまく説明する自信もないのでそこはスルーしとく。
同じ文の中でもう一つ感じたことがある。それはなぜ“心配の種”ではなく“心配のタネ”という書き方にしたのか、という点だ。といってもたぶん特別なこだわりがあってのことではなく、読みやすさなどに配慮して、ということだろうと推測する。意図があったとしたら内藤先生ごめんなさい。
で推測に至る前段階、このカタカナの“タネ”にこだわりはあるかな、と考えているうちにフツフツと疑問が涌いてきた。それが本日のテーマ、タネとネタの使い分け、だ。自分は同じ意味の言葉として認識しているけれども、果たしてそれで正しいのか。皆さんは使い分けているのだろうか。もし使い分けているとしたらその基準はどのようなものだろうか?
たね【種】
1 植物が発芽するもとになるもの。種子(しゅし)。「_を蒔(ま)く」
2 1-人または動物の系統を伝えるもととなるもの。精子。「_を宿す」「馬の_をつける」
2-(「胤」とも書く)血筋。血統。父親の血筋をさすことが多い。また、それを伝えるものとしての、子。「高貴の_」
3 物事の起こる原因となるもの。「混乱の_」「悩みの_」
4 話や小説などの題材。「うわさの_になる」
5 料理の材料。また、汁の実(み)。「おでんの_」「すし_」
6 裏に隠された仕掛け。「手品の_を明かす」
7 よりどころとするもの。「生活の_」「飯の_」
8 物の、質。「客_」
[下接句]商いは草の種・苦は楽の種・品玉も種から・生業(すぎわい)は草の種・楽は苦の種苦は楽の種
ねた
《「たね(種)」を逆さ読みにした語》
1 新聞記事・文章などの材料。「小説の_」
2 証拠。「_があがる」
3 奇術などの仕掛け。「_を明かす」
4 料理などの原料。また、材料。「すしの_」
[ 大辞泉 提供:JapanKnowledge ]
ネタはタネを逆さ読みにした語なのか、やっぱりな。調べてみてわかったのは、ネタという言葉は“証拠”という意味以外では、タネに置き換えてもよさそうだということ。刑事ドラマで犯人に「タネはあがってんだよぉ」なんて取り調べしたりしないからなあ。犯罪の証拠はやはりネタだ。
それ以外だと使い分けのルールというのもなさそうだ。でも個人的な感覚としてはあるんだよな。たとえばお笑いの場合もネタだな。漫才師やコメディアンの方々はネタ合わせはしてもタネ合わせはしないだろう(勝手なイメージだけど)。それから、新聞や小説の題材もネタのほうがしっくりくる。
ところでネタという言葉はタネという言葉を逆さに読むことで生まれたとしたら、どんな由来があったのだろう。スルメをアタリメと呼ぶような縁起担ぎに似た理由かななんて勝手に想像しながら、語源由来辞典というサイトで調べてみた。しかし残念ながら見つからなかった。このへんはたぶんトリビアの領域だ。そう自分に言い聞かせながら、今日のところは断念する。
