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Retro-gaming and so on

人造人間キカイダーを観てた

実はあんまり特撮は好きじゃない。
別に嫌い、ってワケでもないんだけど、あまり熱中出来ない体質なのだ。
だから特撮マニアとはまず話が合わないだろう。

ウルトラQなんかは後に観て面白いなぁ、とは思ったけど、原点ではない。リアルタイムでは観てなかったからだ。
だからウルトラQを原初体験にしてる人たちとはやっぱ感覚が違うんだろうな、とは思う。色んなマンガでネタにされてるんだけど、彼らが面白がってる「懐古趣味」的な懐かしさなんかは微塵も感じていない。
あと、これも後に観たくて観て、「怪奇大作戦」なんて大好物にはなったんだけど、これが好きだから「特撮ファンです」とか言えるのか、っつーと多分言えないんだよなぁ。

仮面ライダーなんかも観てたけど、記憶でリアルタイムに観た、って覚えてるのは、V3、アマゾン、ストロンガーだったと思う。断続的に記憶が飛んでるトコを見ても、そんなに毎週毎週マジメに観てた、って事は無かったんだろうと思う。
そして、オリジナルの仮面ライダーを多分再放送とかで観て、そこそこ面白い、とは思ったんだけど、後に石森章太郎の原作マンガ読んで「こっちの方がエエやん!」となって特撮版は意識から外れてしまった。
どうも僕は、元々「原作至上主義」的なトコがあって、やっぱ原作の方がいいよね、とか思っちゃうタイプなのだ。

特撮映画、と言うかSFXバリバリ使ってる映画自体は大好きなんだけど。でも多分「特撮ファン」が思う「特撮映画」って違うんだよな。
個人的には「特撮映画」とか「特撮ヒーローもの」と言われても定義がハッキリしてないんちゃうか?とか思ってる。ぶっちゃけ、個人的には「そんなもんは存在しない」とか思ってるし。実のトコ、特撮ファンが「特撮映画」とか「特撮ヒーローもの」って持ち上げたモノがそういうカテゴリに押し込められるんじゃないか。とか思ってる。
例えば、逆に聞きたいんだけど、「ヒーローもの」で特撮使ってないようなモノがあるのか?とか言うと無いんじゃないか。つまり、わざわざ特撮をアタマに付けなくても対立構造なんざどこにも存在しない。って事は特撮を強調する必要なんてないのだ。

そんなわけで、そこまで特撮にアツくはならない。
が。
唯一の例外でガキの頃観て大好きで、いまだに大好きな作品に「人造人間キカイダー」がある。もうこればっかは大好物なのだ。ガキの頃の思い出である。

しかし、基本的にガキの頃に観ただけで、全編見直す機会、っつーかチャンスが無かったんだよなぁ。
大学行ってた頃、レンタルビデオ店でVHS借りてきて観た事はあるの。でも当時の東映発売のこのテの商品ってストーリーの順序もぐちゃぐちゃだし、全エピソードが刊行されてた、って事は無かったのね。だから全エピソードを観直すチャンスがそもそもなくって、セレクション的な数話だけ辛うじて観れた、ってカンジだったのよ。それでも懐かしくて感動に打ち震えてたわけなんですけど(笑)。

今回やっと、積年の恨みっつーか(笑)、やっと「人造人間キカイダー」全エピソードを鑑賞出来るチャンスを得ました。全43話。なかなかこれが全編観るのは大変だったんですけど(笑)。でもやり遂げたぞ(笑)。良かった良かった。

まずやっぱキカイダーのデザインがイイんだよねぇ。アンバランスなデザインだし、頭部の中の機械が丸見え、ってのもいい。これって男のクソガキの心打つんだよな〜(笑)。その後は離れていくけど、そもそも男のクソガキはキカイが大好きなんです。


当時の大人はこの非対称なデザインを「気持ち悪い」とか言ってたらしいんだけど、この辺、子供の感覚と大人の感覚ってやっぱ違ったんだなって思うわ。
機械が丸見えって子供心(男子)をそそるのよ(笑)。やっぱ石森章太郎ってその辺良く分かってたんだな、って思う。
そして仮面ライダーはバイクだったんだけど、キカイダーはサイドカー。このサイドカーがかっちょええんだわ。レプリカとか欲しくなるし、マニアが万難を排して自作する、とか言うのも良く分かるのね。


ああクソ、カッコええ(苦笑)。
僕の中ではヨタハチといい勝負なのね。
多分、僕の中では直線的なデザインより丸みを帯びたデザインの方を好む、と。多分そういう事なんだと思ってるんだけど。

あと、キカイダー演ってる伴大介がやっぱカッコ良かったんだよなぁ。今だと「山村貞子の父ちゃん」の印象が強いかもしれんが(笑)。



赤いギター背負ってるのが良くって(笑)。ああクソ、ギター弾きたい、とか思ったモンだった(笑)。個人的にはロックに邂逅する前にジロー(キカイダー)の赤いギターだったんだよなぁ。
ちなみに、これが山村貞子(仲間由紀恵)とその父ちゃんだ(笑)。


あと、音楽が良い。
この番組の音楽を担当してるのは渡辺宙明って人で特撮モノの音楽の神様扱いされてるような人なんですけど。
実はこの人、この前のキャリアも長いんだけど(映画音楽が主戦場だった)、この作品が子供向け番組の音楽の初挑戦作品なのね。
だから、後にやったアニメ「マジンガーZ」なんかと比べると主題歌はまだあんまこなれてないんだ。でも劇伴、つまりBGMは凄くデキが良いのね。
個人的に大好きなのはジローがキカイダーに変身する時に流れる曲。


無機質で、多分ミニムーグだけで多重録音したような曲なんですが。


ミニムーグ。最近じゃミニモーグって呼んでる人が多いようだが。
コンパクトで持ち運び可能なはじめてのシンセサイザー。
なお、アニメ「SHIROBAKO」でも効果音を付ける回(第10回)で、(かなり)後年のバージョンアップ版「ミニムーグ Voyager」がひっそりとスタジオに設置されていた。



この曲調がまさしく「テクノ」なんだよ、これ。すんごいスタティックなテクノ。
でもな。人造人間キカイダーって放送が1972年から1973年にかけて、なの。
一方、テクノの神様、ドイツのクラフトワークがテクノってジャンルを形作る礎になるアルバム「アウトバーン」を出したのが1974年なわけじゃない。
って事はさ。このキカイダーの変身シーンの曲ってこの後来るテクノミュージックより2年も早い、先見性を持った曲作りになってんだよな。
渡辺宙明センセ、すげぇわ。まさしく天才、と言って過言じゃねぇだろう。


あとね。戦闘シーンとか。
殴り合ったりするわけじゃない。でもその効果音が全部金属音なんだよ(笑)。凝ってるよなぁ、とか思って(笑)。

まぁな、怪人とかは恐らく今の仮面ライダー?のシリーズとかと違ってハリボテみてぇだけどな(笑)。
それでも面白いんだよ、この話。石森章太郎が創造したヒーローものでは一番デキが良いんじゃないか、って思う。東映もノッて作ってるよな、ってカンジ。

しばらくキカイダーの話続けるかもしんない(笑)。
あ〜、懐かしくて懐かしくて涙が出てきた(笑)。
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