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Retro-gaming and so on

Countdown to Doomsday

いつかやりたいと思っているゲーム第3弾、である。
今回も米国メガドラ(SEGA GENESIS)用RPGを紹介する。
その名も「25世紀のバック・ロジャース
: Countdown to Doomsday」である。
これも日本向けに移植されてたらなぁ・・・と思うRPGで、ホンマにSFベースのRPGで、しかも当時(も今も)珍しかったスキル制のRPGである。
セガが日本向けにローカライズしてたら、マニアックなゲーマーが多かったセガファンだったらおお喜びなゲームだったろうに・・・勿体ない・・・・・・。

まずバック・ロジャースから。
多分あんま日本じゃ知られていないかもしれないけど、これはフィリップ・ノーランと言うアメリカのSF作家が創り出したキャラクターである。
それで、これがアメリカの面白いトコなんだけど、そのキャラが人気が出たせいで、そのキャラクタを中心とした権利体制が組織される。良くある、アメコミでの形式と同じだな。いずれにせよ、そのキャラクタを使ったテレビドラマなんかがアメリカで作られて、アメリカのある世代には非常に馴染みのあるキャラクタなんだそうだ。

50年代のABC版:

80年代のNBC版:


バック・ロジャースはアメリカでは最低でも二回テレビドラマ化しているし、他にも映画化も行われてる(かなり古い映画だが)。ある意味、スペースオペラものとしては古典中の古典、と言う扱いである。
また、アメコミ化もされている。
なお、過去日本でも放送されてたらしいが、詳細は良く分からなかった

さて、そのバック・ロジャースの権利を握ったのはジョン・ダイルと言う人だが、この人の孫娘が、1980年代に件のAD&Dの出版社、TSRの社長に就任する。それで彼女の肝煎りでバック・ロジャースのTRPG化を行うわけだな。
基本的にAD&Dの改造版としてバック・ロジャースのTRPG化の企画が始まるが、当時のTRPGの新しいムーヴメント、つまりスキル制RPGの人気が高まってる事もあって、バック・ロジャースのTRPGはスキル制RPGとして設計される。
そして、このCRPG化もAD&DのCRPG化で縁のあったSSIに持ちかけるわけだ。
SSIはAD&DのCRPG用にGold Boxエンジンを開発してたので、このバック・ロジャースのCRPGもGold Boxエンジンを用いて開発するわけだ。言わば、Gold Boxシリーズとしては番外編っぽいのがこのゲームCountdown to Doomsdayであり、当然MS-DOSを始めとする数種の米国パソコン向けにリリースされた。

とまぁ、ここまでがバック・ロジャースのRPG化の経緯、である。
ところで、SSI自体はゲーム機ビジネスに参入しなかった。ぶっちゃけ、この辺は日本と同様、ゲーム機ビジネスに参入出来るだけの資金がなかったのだろう。よって、同社のAD&Dのシリーズは米国でもポニーキャニオン(向こうでのレーベル名はFCI)で、日本語版を英語に直した、言わば逆輸入版が発売されているだけ、である。
つまり、フツーだったらバックロジャースは米国版メガドラで遊べない筈なんだが、Electronic Artsがどういうわけか米国版メガドラに移植するのである。そしてEAは米国版スーパーファミコン(SNES)のサードパーティでもあるのだが、何故かこのゲームをSNES用にはリリースしなかった。つまり、米国版メガドラのユーザーの方が「適正がある」と判断されたのだろう。
結果、GoldboxエンジンのゲームはファミコンのPool of Radianceとこのゲーム、と言う2つだけが家庭用ゲーム機にお目見えするわけである。

なお、ベタ移植、と言うわけではなく、原作はPool of Radianceと同様、3D視点のゲームだが、米国版メガドラではより遊びやすい2Dのゲームになっている。

(MS-DOS版)

また、米国メガドラ版では、選べる種族や職業(クラス)、そしてスキルが整理されて少なくなっている。



例によってキャラクタメイクから始まるゲームだが、選べる種族は次の通り。
  • 人間
  • デザートランナー
  • ティンカー
人間以外の種族は人工的に作られた種族だ、と言う設定。デザートランナーは戦闘向け(AD&Dで言うドワーフ?)、そしてティンカーは医療向けの種族である。
そして選べる職業は次の通り。
  • ロケット職人
  • 医者
  • 戦士
  • 盗賊
SFらしく、エンジニア系職業がある(ロケット職人)。
そしてGoldboxのゲームらしくフィギュアを選ぶ。


そしてその後、スキルを選択する。



結局このゲームは、種族や就ける職業の数を絞りつつ、スキルでキャラの多彩さを彩る設計となっている。
選べるスキルは次の10種類。
  • 無重力機動
  • 直感
  • 爆発物処理
  • 隠蔽
  • 登攀
  • 早口
  • 応急処置
  • ロケット修理
  • 図書館検索
  • プログラミング
職業由来のスキルとこれら10種類のスキルのうちいくつかを組み合わせて理想とするキャラを作りパーティを編成したら、いざ宇宙への冒険の旅、と言う流れである。


まぁ、Goldboxのゲームらしく、グラフィック的には当時の水準でも割にPoorではあるんだけど、一方、米国版メガドラで実はこんなに本格的なSF-RPGが出てた、ってのは往年のメガドラユーザーもビックリするんじゃなかろうか。
ファンタシースターが受け入れられる状況だと、これは当時の日本でもマストなゲームだった筈なのだが(でもグラフィックは入れ替えて欲しい・笑)、これを日本に持ってこなかったセガは・・・と考えるとやっぱ呆れるし、怒りが湧いてくると思う。
これ、結構面白そうなんで、これも個人的には「いつかやりたいと思っているゲーム」となっているのだ。

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