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Retro-gaming and so on

LIFE and DEATH

ここんとこ、ずーっと往年のMac関連のゲームの話を書いてきた。
1つは、かつて「グラフィックが得意な」「先進的」と言われてた(と言うか、正確に言うとMacフリークがそう言ってただけ、だが)Macintoshのゲームが果たしてその通りだったのか、総括する為である。と言うのも、今まで見てきて分かる通り、結構嘘が混じってんだよな。
ハッキリ言って、「先進的な」Macのゲームはあった。ただし、それはMacintoshが登場してから1年後〜4年後くらいまでの極端に短い期間に於いてのみ、だ。
そもそも白黒だったMacintoshで、いくらマウスと言うツールが先進的であったにせよ、そこでゲームを作っていく、ってのはメーカー的に言うとキッツい状況だったのは想像に難くない。
そしてMacは高かった。元々Apple内のプロジェクトとして、XELOXのAltoを模した民生機としてLisaと言う「世界初のGUI民生機」が出来たわけだが、これがそもそも値段が高すぎたので、廉価版Lisaを作ろう、ってのがいわゆるMacの発端である(取り敢えずジェフ・ラスキンのオリジナルのアイディアは違う、とかスティーブジョブスがプロジェクトを乗っ取った、って言う細かい話は置いておく)。しかしそれでも依然と値段が高すぎたのだ。
白黒しか表示出来ない癖に値段の高いパソコンはやっぱゲーム機として魅力的ではない。事実、当時のCGAのDOS機のゲーム機としての評判は最悪だったんで、Macintoshとどっこいどっこいだったわけだけど、Macリリース(1984年)の1年後には既にマウスとGUIとカラーを備えた、しかもコスパに秀でているATARI 520STが登場、1987年にはDesk Top Videoと言う概念を打ち出した怪物マシンの廉価版、Commodore Amiga 500が登場し、たちまちMacが得意としていた「GUIなゲーム」の市場をかっさらってしまった。
少なくとも80年代後半では、Mac独特のゲームとかMac特有のゲーム市場、ってのは姿を消し、ATARI 520STやCommodore Amigaとある程度「市場を共有しなければならない」状態に陥るのである(実はこんな状態で、Appleの屋台骨を支えてたのは、スティーブ・ウォズニアックが指摘してる通り、依然として8bit機のApple IIだったのだ)。

左: ATARI 520 ST 
右: Commodore Amiga 500

まぁ、そんなわけで、Mac「ならではのゲーム」ってのが出てきたのはあくまでMacが登場してから1年後〜4年後くらいまで、具体的には1985年〜1988年に集中してるのである。

と言うわけで、そのMac最初期のゲームの中で、確かにオリジナリティが光ってるゲーム・・・なのか?これ(苦笑)、LIFE and DEATH(1988年)を取り上げてみる。これがほぼMac産まれで真にオリジナリティ溢れるゲームなのは多分間違いないだろう・・・すぐDOSにも移植されたけどよ(笑)。
このゲーム、なんと医療ゲームである。ただし、医療全般ではなく、腹痛に絡むモノだけ。何科なんだ?
いずれにせよ、入院患者の腹、腹、腹、を診て診て診て、診断して、必要だったら手術をする、と言う・・・何だこれ、こんなゲーム今だとねぇよ(笑)。テーマ的に考えてみてもキレッキレのゲームであり、これを出されて「これがMacのゲームのオリジナリティだ!」とか言われたら確かにグゥの音も出ないだろう。
ちなみに、3年後の1991年、ARROW MICRO-TECHSと言う良く分からんマイナーな会社から日本語版がPC-9801向けとして発売されている。ここではこのPC-9801版でゲームの流れを見てみよう。

まず、病院に出勤すると、看護婦のチャンネーから受付表にサインを求められる。これがユーザー登録だな。



んでこの病院、どういう病院なんだかイマイチ分からんのだが、メディカルスクール(医科学校)込みの施設なんだよな。こちらは一種インターンなのかい?
いずれにせよ、メディカルスクールのオリエンテーションを受けろ、と言われる。


こんなカンジ。取り敢えずゲームのインターフェースに対して説明が入る。
ここで、診察に対してのヒントが全く出ない辺りがこのゲームの意地が悪いトコである。

そしてスタッフルームに行ってみる。


ここで、このメガネの娘が掲げてる表が、貴方を助けてくれる人のリストである。この中から二人選んで付いてもらうわけだ。


取り敢えず、看護婦のキンバリー・ブルーワー、それと外科インターンのグレゴリー・ダニエルソンを引き連れて最初の患者に会いに行く。


んで何はともあれ、腹部を検査するわけだ。


んで、マウスで腹をクリックしまくるわけだけど・・・。


ここでTips。

  1. 腹部をクリックしまくっても痛みを訴えない場合 -> ガスが溜まってる可能性があるので、クリップボードで観察を選択する
  2. 腹部全体に痛みがある場合 -> 何らかの感染症の可能性があるので、投薬を選択する
  3. 腹部の痛みが一部だけ、の場合 -> 盲腸ないしは腎臓結石なので、X線検査を選択する
取り敢えずこの患者は3のケースなのでX線だな。


X線診断では、
  1. 骨盤の上に白いドットの塊がある場合 -> 腎臓結石なので専門医に委託する
  2. 結石が見られない場合 -> 盲腸なので手術を選ぶ
この場合は手術だよ!いきなり・・・あ〜あ・・・。


ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル

とまぁ、こういうカンジで進んでいくゲームである・・・キレッキレだろ(笑)?
今こういうゲームって、例えばPS4とか、新発売のPS5とかであるのかしらん。
まあ、表現規制が厳しいからね、家庭用コンソールだと。こういうゲームはもうなかなか見られないかもしれません。
それをもって、かつてのMacゲームの先進性、と言うのなら・・・確かにその通りであった、と認めざるを得ないでしょう。
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