天理の女性刺殺:被告に懲役21年の判決 地裁初、求刑上回る 裁判員裁判 /奈良
毎日新聞 2012年12月18日 地方版
交際相手の女性を刺殺したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた住所不定、無職、原田徹被告(30)の裁判員裁判で、奈良地裁の橋本一裁判長は17日、
「犯行態様の残忍さは際立っており、真摯(しんし)な反省もない」として、求刑を1年上回る懲役21年の判決を言い渡した。
裁判員裁判で求刑を上回ったのは、同地裁では初めて。
判決によると、原田被告は4月25日午後1時過ぎごろ、天理市福住町の無職、辻村江梨子さん(当時26歳)宅で、持っていた包丁(刃渡り約18センチ)で
辻村さんの首や胸などを多数突き刺し、失血死させるなどした。
公判では、原田被告が当初、認めていた殺意を否認する場面もあったが、橋本裁判長は「荒唐無稽(むけい)な弁解を繰り返し、遺族の感情を踏みにじった。
辻村さんの愛情につけ込んで金を搾取し、別れ話を切り出されたことに逆恨みした犯行は身勝手で、酌量の余地はない」と断罪した。
【村本聡】
==============
■解説
◇「前例」より市民感覚へ
判決は、犯行態様の悪質さと反省を欠く被告の態度を厳しく指摘した上で、「刑事責任は誠に重い」とし、求刑を超える量刑判断につなげた。
犯行は、被害者を包丁で何度も刺すという残忍なものだった。
また、被告は公判で供述を一転し、殺意を否認。
裁判長が「今のままでは、被害者の冥福を祈る資格さえないと言われかねない」と説諭したように、裁判員らの目には反省が不十分だと映った。
甲南大法科大学院の園田寿教授(刑事法)は「被告が更生できるかどうかという点で、検察官と裁判員の見方が違ったのだろう」と推測する。
裁判員裁判が始まって3年半が過ぎた。
「求刑超え判決」は、前例にとらわれず、市民感覚を反映した判断が定着しつつあることを実感させた。
【岡奈津希】
http://mainichi.jp/area/nara/news/20121218ddlk29040474000c.html
女性殺害で求刑上回る懲役21年 「荒唐無稽な弁解に終始」
交際していた女性=当時(26)=を包丁で刺し殺したとして、殺人罪などに問われた住所不定、無職原田徹被告(30)の裁判員裁判の判決で、奈良地裁は17日、求刑を1年上回る懲役21年を言い渡した。
橋本一裁判長は判決理由で「女性のカードを無断使用して借金をつくったことが発覚し別れ話を持ち掛けられたことがきっかけ」と指摘。
事前に包丁や催涙スプレーを購入していた点に触れ「犯行は自己中心的で用意周到。公判では荒唐無稽な弁解に終始しており、真摯(しんし)な反省が見られない」と述べた。
判決によると、原田被告は4月25日、奈良県天理市の辻村江梨子さんの自宅で、辻村さんの首や腹などを包丁で何度も刺して殺害した。
[ 2012年12月17日 19:45 ]
知人女性刺殺の被告 求刑上回る懲役21年 奈良地裁判決
2012.12.18 02:06
天理市で知人の辻村江梨子さん(26)を刺殺したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた住所不定の無職、原田徹被告(30)の裁判員裁判の判決公判が17日、奈良地裁であり、橋本一裁判長は検察側の求刑(懲役20年)を上回る懲役21年を言い渡した。
判決で橋本裁判長は「被告の弁解は荒唐無稽で信用できない」と指摘。
原田被告に「被害者の冥福を祈る資格もない、と言われかねない。あなたが嘘の世界から抜け出すための21年」と説諭した。
辻村江梨子 辻村 江梨子 原田徹 原田 徹 殺人 殺害 事件 死亡 園田寿 教授
毎日新聞 2012年12月18日 地方版
交際相手の女性を刺殺したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた住所不定、無職、原田徹被告(30)の裁判員裁判で、奈良地裁の橋本一裁判長は17日、
「犯行態様の残忍さは際立っており、真摯(しんし)な反省もない」として、求刑を1年上回る懲役21年の判決を言い渡した。
裁判員裁判で求刑を上回ったのは、同地裁では初めて。
判決によると、原田被告は4月25日午後1時過ぎごろ、天理市福住町の無職、辻村江梨子さん(当時26歳)宅で、持っていた包丁(刃渡り約18センチ)で
辻村さんの首や胸などを多数突き刺し、失血死させるなどした。
公判では、原田被告が当初、認めていた殺意を否認する場面もあったが、橋本裁判長は「荒唐無稽(むけい)な弁解を繰り返し、遺族の感情を踏みにじった。
辻村さんの愛情につけ込んで金を搾取し、別れ話を切り出されたことに逆恨みした犯行は身勝手で、酌量の余地はない」と断罪した。
【村本聡】
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■解説
◇「前例」より市民感覚へ
判決は、犯行態様の悪質さと反省を欠く被告の態度を厳しく指摘した上で、「刑事責任は誠に重い」とし、求刑を超える量刑判断につなげた。
犯行は、被害者を包丁で何度も刺すという残忍なものだった。
また、被告は公判で供述を一転し、殺意を否認。
裁判長が「今のままでは、被害者の冥福を祈る資格さえないと言われかねない」と説諭したように、裁判員らの目には反省が不十分だと映った。
甲南大法科大学院の園田寿教授(刑事法)は「被告が更生できるかどうかという点で、検察官と裁判員の見方が違ったのだろう」と推測する。
裁判員裁判が始まって3年半が過ぎた。
「求刑超え判決」は、前例にとらわれず、市民感覚を反映した判断が定着しつつあることを実感させた。
【岡奈津希】
http://mainichi.jp/area/nara/news/20121218ddlk29040474000c.html
女性殺害で求刑上回る懲役21年 「荒唐無稽な弁解に終始」
交際していた女性=当時(26)=を包丁で刺し殺したとして、殺人罪などに問われた住所不定、無職原田徹被告(30)の裁判員裁判の判決で、奈良地裁は17日、求刑を1年上回る懲役21年を言い渡した。
橋本一裁判長は判決理由で「女性のカードを無断使用して借金をつくったことが発覚し別れ話を持ち掛けられたことがきっかけ」と指摘。
事前に包丁や催涙スプレーを購入していた点に触れ「犯行は自己中心的で用意周到。公判では荒唐無稽な弁解に終始しており、真摯(しんし)な反省が見られない」と述べた。
判決によると、原田被告は4月25日、奈良県天理市の辻村江梨子さんの自宅で、辻村さんの首や腹などを包丁で何度も刺して殺害した。
[ 2012年12月17日 19:45 ]
知人女性刺殺の被告 求刑上回る懲役21年 奈良地裁判決
2012.12.18 02:06
天理市で知人の辻村江梨子さん(26)を刺殺したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた住所不定の無職、原田徹被告(30)の裁判員裁判の判決公判が17日、奈良地裁であり、橋本一裁判長は検察側の求刑(懲役20年)を上回る懲役21年を言い渡した。
判決で橋本裁判長は「被告の弁解は荒唐無稽で信用できない」と指摘。
原田被告に「被害者の冥福を祈る資格もない、と言われかねない。あなたが嘘の世界から抜け出すための21年」と説諭した。
辻村江梨子 辻村 江梨子 原田徹 原田 徹 殺人 殺害 事件 死亡 園田寿 教授