Captain on the Bridge ver.2

ここでの決まりはただ一つ「宇宙はジェインウェイ艦長を中心に回っている」

人間改造惑星クアラ パート1

2005年12月04日 19時22分15秒 | ヴォイジャー・レビュー
艦長最後のロマンスエピソードなので、DVDですでに見ていましたが、真夜中に眠い目をこすって某古都放送を見ました。記憶を改造され、故郷や本当の人生を失ってしまったヴォイジャーのクルー。全員が別人の演技をしていますが、落差が一番大きいのはやはり艦長ですね。ここでの艦長は能力は優秀なのに、ちょっぴりオッチョコチョイでお茶目で可愛い女性。そして何より簡単に恋を楽しんでしまう。

ヴォイジャーの中では封印している「生身」の部分を誇張して描写されているのでしょうが、このエピを見ると「キャスリンの幸せはどこにあるの?」と思ってしまいます。故郷から引き離され、切り取られた人生を送っているのはクルー全員同じです。しかしヴォイジャーを率い、クルーの命を守る重責と重圧を背負っているのは艦長だけです。だから彼女は強い自制心と克己心を鎧のように身にまとい、踏み越えさせない一線を副長も含め部下全員に対して引いているのです。「私は艦長」と厳しく律していなければ崩れてしまいそうな危うさを秘めていることを、おそらく彼女は知っているから。

背負った重責・重圧がすべて取れた状態がクアラでの艦長・・・キャスリンだとしたら、今まで見てきた艦長は、本来の姿とはかけ離れた彼女なのかもしれません。それを思うとなんだか悲しいですね。特にヴォイジャーと接点がない前編の艦長を見ていると。髪型と服装の違い以上に、明るく屈託のない表情があまりに別人のようで・・・。

恋人とのディナーのあと「こんなにくつろげたのは初めて」と沈んだ表情で言ったのも、記憶操作されても「艦長」の記憶が残っているみたいで、この期に及んでも重荷から開放されることはないのかと切ないです。

後編はもっと切なくて悲しくてうるうるします。ハンカチのご用意を。

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