Captain on the Bridge ver.2

ここでの決まりはただ一つ「宇宙はジェインウェイ艦長を中心に回っている」

人間改造惑星クアラ パート2

2005年12月11日 21時03分32秒 | ヴォイジャー・レビュー
暗い部屋で別人のような艦長に「幸せなんだね」と言った副長。彼は前編で過去の記憶のない艦長と会い、明るく屈託のない自然な笑顔を見て第2シーズンの「第二の地球」でのキャスリンを思い出したのではないでしょうか。髪を三つ編みにし(当時の艦長はタマネギ頭)、軟らかい生地のワンピースを着たキャスリンは、運命を受け入れ、艦長という重荷を下ろし、子供のような輝く笑顔をチャコティに向けていました。

ヴォイジャーの中で、素のままのキャスリンを知ってるのは副長だけです。艦長を艦に連れ戻すことが何を意味するのか、彼が知らないはずはありません。分かってなければベラナのように無理やり拉致したでしょう。でも彼には本当の自分を取り戻した艦長が、クアラに置いていくのは「恋人」だけではないことまで分かっていた。5年前もそうだったから。

艦長と副長の間に恋愛感情があったのかは分かりませんが、2人が互いをよく理解し、信頼し、尊重し合っているのが、この一見J/Cを完全否定するようなエピソードから見えてきます。ブリッジで無言で見詰め合ったまま席に着く2人から、愛だの恋だのと分類することなど無意味に思える、誰も踏み込めない強い繋がりがあるのだなと感じました。

全員がヴォイジャーに転送され、記憶を取り戻したラスト。ライトを落とした私室にジャフェンを迎え、言葉を交わしながら別れを納得しようとする艦長が切ないです。こぼれた大粒の涙。ここまで自分の心を抑えなければならない「艦長」って、何なんでしょう・・・。

このエピはベラナことロクサン・ドースンさんが演出されました。第6シーズンの「魂を探した男」もそうでしたが、クルーの心の機微を大切にする演出がとてもよかったと思います。それとクレーターに隠れたヴォイジャーの、ワープナセルのにじんだブルーの明りがキレイでした。

コメントを投稿