地域の未来・志援センターからのお知らせ

地域の未来・志援センターは愛知・岐阜・三重の環境に取り組む「志」を応援します。

第2回若者サロン「ちょっとここらで映画祭」

2005-10-22 | 若者サロン
日時:10月22日(土) 13:30~16:30

スタッフ:河野 寺西
参加者:4名
ねらい:語らうのって楽しいわね!と感じてもらう  仲良くなる

13:30― あいさつ
13:45―14:10 アイスブレイク (うそ?ほんと?)
14:10-14:15 観たい映画投票!!!
14:20-15:00 映画上映
15:10-15:20 休憩 (10分)
15:20-16:20 座談会
16:20-16:30 まとめ・終了
16:30- 次回へ向けて企画会議


DVDプレイヤーが使えないというトラブルにより14:30にスタートがずれ込んでしまい、ざっくり第1回若者サロンの流れを振り返ってから、アイスブレイクを行いました。

 アイスブレイク「うそ?ほんと?」
 3つのホントと1つのウソを紙に書き、あたかも全て本当のように自己紹介します。第1回で顔を合わせていた方もいたので、ちょっと暴露話も交えながら、楽しく自己紹介しました。

今日上映する映画を決選投票によって決め、上映しました。

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!おとな帝国の逆襲」
 しんちゃんの住む町に「20世紀博」というテーマパークができ、懐かしい匂いに大人たちはのめりこんでいきます。会社に行かず、家事もせず、子ども返りをする大人たちから、置いてけぼりにされるしんちゃん。
 確かに、夢を素直に描けて、あったかかったあの時代は良かったかもしれない。でも、過去にしがみついてばかりじゃいけないんだ!今(21世紀)を一生懸命生きなきゃいけないんだ!と、しんちゃんが教えてくれる作品です。
「懐かしい未来 ラダックから学ぶこと」
 伝統的な社会を維持していたヒマラヤのはずれのラダックに、ついに近代化の波が襲い掛かります。「進歩」とは何か?世界の「先進国」と「発展」の問題も、「貧困国」と「開発」の問題も根っこは同じなのではないでしょうか。
 地域の未来を変えるのは、グローバリゼーションではなく、ローカリゼーションであるとこのビデオは教えてくれます。
 「スローで豊かなライフスタイルとそこで育まれる人間性・・・。その希望の種がここにあります。」(以上、HPより)

今回はクレヨンしんちゃんを上映することになりましたが、時間がだいぶ圧していたため、序盤は寺西が説明しながら早送りをして、なんとか巻きなおしました。

上映後休憩 (10分)

座談会へ。

「この映画を観て、率直な感想は?」
・しんちゃんのお兄ちゃんぶりに感動した。
・「イエスタディワンスモア」の価値観は良く分かる。この組織(価値観)は今後どうなっていくのだろう。
・しんちゃんとか、子どもがすくすく育つことを、大人が邪魔しちゃいけないんだ。
・「技術進歩」は世界を悪くしようとしたわけじゃないと思う。
・ひろしの回想シーンがお父さんとかぶった。泣けた。
・最後にしんちゃんが「ずるいぞ!」って言った言葉が胸に残った。
・家族っていいな。
・簡単に操られる大人が怖かった。
・確かに今の21世紀は小学生のころ抱いていたものとは何か違う。

 こんなに技術は進歩しているのに、どうしてこんなに昔が恋しいんだろう?映画内の「21世紀が生み出したものは燃えないゴミぐらいだ・・・」のセリフにみんなで共感たり、終盤の「ずるいぞ!」のしんちゃんの言葉が、20世紀が生み捨てた何かに叫ばれているような気がしたり、革命は友達とか家族から起こるんだなぁ・・・なんてしんちゃんに感動したり、この映画の場面場面がいろんなモノに見えてきて、率直な感想から、みんなが抱えている問題意識まで話は及びました。

「私たちは未来に向けて、どうすればいいんだろう?」
・未来は明るくなきゃ!
・社会の構図がもっと分かりやすくなったらいいのに。
・無駄を分かる。
・足元を見る。
・ちょっと先を見つめる。(ゴミの行方 安い卵の理由)
・浪費癖を直さなきゃ。
・「こんな時代だから」って愚痴をこぼす前に、身近にある喜びや幸せを見つけて、感じる。ここから全てが始まるんじゃないだろうか。
・現在から目をそらすな!
・やっぱり家族。そしてコミュニティ。
・思いやりとかありがとうって気持ちは大切。
・「この便利は必要なのか?」という意識を常に持ち続ける。
・技術を進歩させる、技術を退化させる、どっちがいいんだろう。

「イエスタディワンスモア」みたいに、私たちもどこかで今(21世紀)にがっかりして、昔をやたら恋しがってたりしてないかなと考えてしまいました。しんちゃんみたいに、友達や家族と手をとって、今が抱える問題に真正面から挑んでいかなきゃいけないよね!と、不毛に感じる社会問題・環境問題に前向きになろうと想いを固めた第2回目となりました。



次回への課題
・広報の仕方をもっと考える
  →参加者が第1回より激減したのは考えるべき
・事前準備を徹底する
  →今回、機具を忘れたため、たくさんの人に迷惑をかけてしまった
・そろそろフィールドワークをしたい
  →参加者の声もあって、次回は「豊田の森」に行くことを検討中

地域デザインスクール第五回講座

2005-10-19 | 地域デザインスクール
以下の要項で地域デザインスクールの第五回を開催しました。

■─┐━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│5│ 環境問題を考える(その2)         講師:高野雅夫
└─┘━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   日時:10月15日 (土)13:30~16:30
   場所:名古屋市女性会館 第1集会室
   内容:一般的な環境問題を学ぶ

‥ はじめに

9月17日(土)に行われた第三回講座:環境問題を考える(その1)に続く高野先生の2回目の講座です。

その1では、現在の社会が持続不能なものであること、持続可能な社会システムとは、資源を地下資源に頼ることをやめ、生態系から生態系に返すシステムであることがわかりました。

では、地域が持続可能であるということは、どういうことなのでしょう?どうすれば持続可能になるのでしょうか?

‥ 持続可能な地域をつくるには

高野先生から、まず、地域社会の現状についての説明があり、資源は海外に依存し、経済は国の財政に依存し、生態系は劣化していくといった、自立していない、持続不可能な地域の状況が示されました。

一方で、グローバルな視点でみると、世界的には食料や原油が、国内では人口が、ピークを超えこれからは減少していく時代になることもわかっているそうです。

では、こうした現状の中で、持続可能な地域をつくるにはどうすれば良いのでしょう? 

以下に、講座の一部を要約してみます。
  • 地域が持続可能であるということは、環境、経済、社会の3つの面で地域が持続可能となることである。
  • そのためには、地下資源を使い汚染を蓄積している今の社会システムを、生態系の中で生きるシステムに変え、消費と供給のバランスを維持できる賢いシナリオが必要。
  • 地域の経済は、高度成長期以降、地方交付税、補助金、年金といった都市の経済にぶら下がった形になっており、自立していない。
  • 国の経済はというと、バブル期以降に増えた財政赤字を補うために公債をやたらに発行したため、その残高は現在500兆を超えており、返すのは不可能といわれている(自治体であればとっくに管理破産しているが、国だからできている。)
  • 人口が減少し、産業が空洞化し、さらに国家財政が破綻するという3重苦の中で、日本の社会には2つの可能性が考えられる。一つは、自立した地域によるスローライフ社会であり、もう一つは、都市のスラム化&田舎の無人化である。
  • 当然、目指すのは「自立した地域によるスローライフ社会」であり、これには、地域の住民税により、住民自らが地域のデザインを行うことが肝要となる。また、行政は、住民との協働(支援)と合意形成のファシリテータ役を担う。
‥ 豊根村を例に

第7、8回目の講座で訪問する豊根村は、高野先生が「森林資源を活用するための自立した持続可能な山間地域のデザイン」というテーマ研究されているフィールドです。

豊根村のデータ(人口、森林資源、エネルギー需要など)を元に作成された、現状把握と将来の青写真の説明があり、その中で、「木サイクル事業」による森林資源の有効活用を行っていけば、今世紀後半には熱・エネルギーの需要をまかなうことができ、余った分は都市に供給できるというシュミレーション結果も示されました。

地域デザインの総仕上げでもある11月5,6日の豊根村研修が楽しみです。

‥ 危機にどう対応する?(ワークショップ)

世界をみれば、旧ソ連と東側諸国、タイ、インドネシア、アルゼンチン、などここ10年以内に実際に経済危機にみまわれた国がいくつかあります。次は日本で、国の財政破綻が引き金になって経済危機が発生することが懸念されています。もしそうなった場合、通貨が暴落して経済危機となり、食料・エネルギー危機へと進んでいくことが予想されるますと高野先生。

つづくワークショップでは、経済・食料・エネルギー危機の具体的な設定のもとに、個人や地域での対応を考えました。

高野先生の指示で、設定された危機シナリオ(省略)のもとで、
  1. あなたの生活はどうなるか?
  2. 家族を守るためにどう行動すれば良いか?事前に準備しておくとすれば何をするか?
  3. 地域の人たちが力をあわせて対処するとしたら何をすれば良いか?
について、思いつくものをすべて付箋に書き、説明をしながら模造紙に貼り付けていきました。

1については、「何をしたら良いかわからなくなる」「食べるものがなくなる」「失業する」「車が使えず行動範囲が狭くなる」「持病の薬が買えない」などなど、日常の困難が浮き彫りになりました。

一方、2の事前・事後策については、「農家の人と仲良くしておく」「空いているところで農業をする」「野草など自然の食べ物を探す」など、食料への対策が多いのと、「それなりの楽しみをみつける」「塾を開く」などのたくましさもみえました。

3の地域での対応としては、似たような意見が多く、グルーピングを行うことで「地域での食料生産の確保をする」「地域で自然エネルギーの利用を考える」「地域に物や情報の流通するしくみをつくる/地域通貨を発行する」「地域での生活を楽しむ方法を考える」「地域の問題(弱者の保護など)に対処するリーダーや会合を調整する」といった大項目に集約することができました。

最後に、高野先生から、大事なのは、危機に陥ってもパニックにならずに対応することで、今の持続不能なシステムをチャラにしてやりなおせるという意味では、必ずしも危機は悪いことではないかもしれないという説明がありました。

‥ さいごに

地域の持続不能な問題をグローバルな問題とのつながりの中で捉え、次に、地域のさまざまな資源データを元に持続可能なシナリオをつくり、その結果をシミュレーションする - そんな地域デザインのアプローチを豊根村の事例に学び、さらに、不幸にも深刻な危機に見舞われてしまったときに私たちは何をすべきか共に考えた今日の講座です。(事務局 筏井)

地域デザインスクール第四回講座

2005-10-01 | 地域デザインスクール
以下の要項で地域デザインスクールの第四回を開催しました。

■─┐━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│4│ 持続可能な地域デザインの描き方        講師:駒宮博男
└─┘━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   日時:10月1日 (土)13:30~16:30
   場所:なごやボランティアNPOセンター 集会室
   内容:将来像を描いてみよう(演習とワークショップ)

‥ はじめに

前回の高野先生の講座では、エネルギー問題で代表されるように、現在の社会というものが、持続不可能なシステムの上になりたった社会であり、持続可能にするためには『生態系の中で生きるシステム』にしていかなけばならないことがわかりました。

では、地域の持続不能な問題に対しての対策を具体的にどうデザインしていけば良いのでしょう。

持続不能な問題は、広い意味で危機管理であり、地域からの問題解決が基本であると講師の駒宮さんは考えています。

また、個々の問題には様々な他の事象が関連してくるのが普通であり、そのためには、他との関連性を加味した複合的な予測・分析を行い、総合的な解決を図らなければなりません。

‥ 具体的に考えてみよう!

では、総合的な解決を図るには、どうすれば良いのでしょう? それには、地域の様々な実データ(地域の財政、人口、自然資源と人的資源、地域インフラなど)をもとに、今後の推移をシミュレーションしてみることが重要です、と駒宮さん。具体的な実データの資料による、少子高齢化の将来予測・分析事例の説明がありました。

たとえば、最小のコミュニティ(小川班)における
  • 5歳刻みの、現在と10年後の年齢別分布グラフ
  • 人口分布を、学齢以下、就業、高齢、後期高齢の4つに分類し、最良のシナリオ(今の子どもが全員地域に残る)と、最悪のシナリオ(子どもは全員出て行ってしまう)をグラフ化したもの
では、少子高齢化の危機は火をみるより明らかです。

また、駒宮さんが住む地域の1市5町村比較では、地域によって少子高齢化が緩やかであったり、急激であったりすることがわかりました。

いちはやく下水道を普及させた地域では、その変化が緩やかになっており、危機対策の重要性をうかがわせます。

演習対象地域(小川班)の情景・魅力としては、『JR武並駅から車で5分のところで、田園地帯が広がり、山の向こうには牧場や畜産試験場があり、庄内川の最源泉が近くを流れ、遥か向こうには御岳が見える』- 交通の便もさほど悪くない上に、豊かな自然に恵まれた、素晴らしいところのようです。

‥ いよいよワークショップ

まずは、『いま問題解決に使える2,000万円の予算があるとして、どんな使い道が考えられるか?』との駒宮さんの問いに、『温泉を掘る』『豊かな自然環境の中に高齢者福祉施設をつくり、介護を担う若者の雇用を得る』『若者の起業に投資する』といった案があがりました。
次に、駒宮さんの指示で、「最悪のシナリオ(子どもが出て行ってしまう)になる要因」を、つづいて「最良のシナリオ(子どもが全員地域に残る)への具体案」を、思いつくものすべてポストイットに書き、別の模造紙に貼り付けながら、類似のものをグルーピングをしていきました。

参加者は、都会に住む学生、若い市民活動者、大学の先生、NPO職員などで、田舎で生まれ育った人も、田舎を良く知らない人もいます。しかし、あげられた項目はかなり似た内容が多く、最悪のシナリオ要因としては、『働き場がない』『若者を生かす場がない』『子どもの教育環境が乏しい』『刺激が少ない』『他所者が入りづらい』といったものが、最良のシナリオ対策としては、『福祉関係のNPOをつくる』『農業インターンシップ制度を設ける』『情報化インフラを整備する』『川上・川下の連携をする』『アート村をつくる』『バイオマス産業を拡大させる』などたくさんの案があがりました。

最後に、駒宮さんから「これまで、地域では『都会に近づこう』『都会の人に振り向いてもらおう』というような対策が多かったように思う。そもそも、それが間違いなのではないか!地域は大いなる田舎を目指し、そこに住む人たちが自分たちで自分たちのための魅力を創っていくことが重要なのだと思う。」という、地域の『住民の住民による住民のための地域デザイン』ビジョンが示されました。

‥ さいごに

ローカルな資源(自然、人的)のデータに基づく将来予測・分析をすることで、現状を客観的にみつめ、住民が危機感を共有しながら総合的かつ現実的な対策を図っていく - そんな地域デザインのアプローチを少しだけ体験できた今日の講座です。
(事務局 筏井)