
もうすぐ走行距離が1万5千キロに達しようとするブリちゃん。北海道へ、鹿児島へ、日本列島を縦横無尽に旅する相棒としてけっこう頑張ってくれてる。
そういえばファーストインプレッション以降、乗り込んでみた印象を書いてなかったなあと気付き、いまさらだがこの実に特徴的なフォルムの原付二種について超私的なコメントを、愛情を込めて記しておく。
デザイン
ブリちゃんは旅バイクとして使っているので、旅に出ると行った先で1日に数回は必ず「これどこのバイクですか?」と聞かれる。時には、駐車場に止めて離れて戻ってきたら、待ってましたよという人もいるほど。どのバイクにも似ていないオリジナリティに溢れるスタイルに、ゼンゼン別の検索時に一目惚れして買っただけのことはある。そりゃ、これ何?的なスタイルは他には無いし、いまだかつて国内で他のブリちゃんも見たことが無い。オーナーとしては実に楽しいバイク。

エンジン性能
本家本元のスーパーカブ110の新しい諸元データと比較して見るとエンジン性能はほぼ同等。実はブリちゃんは119.7ccで125ccじゃない。まあ、こっちが一応10cc排気量が大きいのにどっこいのパワーとは、カブに脱帽。こっちはキャブだけど、むこうはEFIだしね。先日、国道4号線で福島から東京へ帰ってくるときに、カブトラベラーとおぼしき輩のこの新しい型のスーパーカブ110と信号で並んだ。重量があちらの方が軽いせいか、信号スタートで軽く負けて置いていかれる。速度はというと、メーター補正後は3桁は出ないけど、平地なら80キロ巡航は可能。まあ、スピードを求めるバイクじゃないからその点は全く気にしてませんけど。登坂車線が出てくるような登りは、3速で55km/hといったところ。4速で上れれば65km/hが上限といった感じ。
乗り心地&取り回し
シート高が高いのが特徴、それに前傾シート。最初これにかなり違和感があった。身長176cmのワタシは両足ベッタリ付くが、シートが前傾しているので慣れないと腰の位置が落ち着かず、ブレーキをかけるたびに体が前に持っていかれる。女房を後ろに乗せた日には、もう座ってられない。だがしかし、これも慣れ。乗り込んでくるうちに体がポジションを覚えて、自然とカラダをホールドするようになるので、そのうち気にならなくなった。少し後ろ気味に着座するのがいい。リアサスのコイルスプリングをいっぱいいっぱい伸ばした状態まで調整するとシート高が下がり、サスの動きも良くなる。もっと下げたければフレーム側のボルト止め穴がもう1個あいているので、そちらに移動すれば相当下がるでしょう。でも特徴的なリアからのスタイルがスポイルされるかも。この薄いシートでお尻痛くならないの?と言われれば、自信を持って痛くなりますと答える。これも慣れね。ロードバイク(自転車)よりはマシ。
ボディ剛性の高さは特筆
まず特筆すべきはフロントフォーク。250ccかと思う程の37mm径の大きなサイズを奢ってる。リアのモノサスも良い。サスストロークは前100mm、後65mmと十分だし、動きもイイ。
そして、フレーム。どのオーナーも文句なしの評価で、剛性感高し。ワタシもブリちゃんの一番の特徴だと思うね。

重心が低いレイアウトは理想的
重量物が全て下の方にレイアウトしてあり、オートバイとしては実に理想的な重量配置。スクーター並みの低重心なので、いまだに昔のクセでアクションで倒し込もうとすると、そんなの必要ないよとブリちゃんが教えてくれる。よく寝るし、無限に倒しこめるバンク角だけど、中華タイヤがプアーなので思い切って倒しこむのは怖い。雨の日のグリップは全く信用できない。タイヤをマトモなものに交換してから、それを試してみようと思う。
ブレーキがいい
これまた125ccには有り得ないブレーキローター径で、前260mm、後ろ215mmという大口径が奢られてる。特にリアブレーキがコントローラブル。えー、リアブレーキに頼ってるの、だせーと言われちゃ心外だ。いままで二輪はフロントブレーキにしか重きを置いてなかったが、このバイクだけは違う。よく効くうえにコントロールがしやすい。コーナーリング中のスピード調整はまかせろって感じだ。フロントサスのダイブが大きいのでなおさら。
燃費もよいぞ
リッターあたり45kmほど。旅に出る時は相当重い専用キャリアを装着して、さらに荷物満載。その場合は40km/L。空荷の場合は45km/L辺りが平均燃費。チョイ乗りは全くせず、1日で300km前後の長距離を走る旅バイクに使っているのでこの燃費、ワタシ的には十分納得の低燃費。さすがにスーパーカブ110やYBR125の実燃費60km/L前後というのにはかないませんけど。ガソリン容量が少なくて、旅に出るとしょっちゅうスタンドに寄らないといけないというのが玉にキズ。もしもの場合の携行缶も必須。概ね150km走ったらガソリンスタンドを探し始める必要あり。

メンテナンス・耐久性
これが大問題。電装系は弱過ぎる。配線が剥き出しで処理もプアーだからしょっちゅうあちこちでショートして、ヒューズが切れてたびたびエンジンが止まって立ち往生した。買ったらメーター回りのハーネスは全バラシして、配線養生をやり直す必要あり。それでも不具合は起きる。工具フルセット(これが重い)+半田付けセットは車載必須。ブリちゃんを保有するには相当の覚悟が必要で、自分でイジれない文科系人間は買ってはいけないバイクであることは間違いない。
電装系が弱点なのに、ヒューズ交換が、これまたタイヘン。非常にトリッキーなカバーを外して、知恵の輪しながらの作業は慣れが必要。でも慣れちゃえばなんてこと無いけどね。
車軸ベアリングもオーナー連が絶賛する最低さ。中華ベアリングの耐久性は全くなしで5000キロ程がライフなので、最初からNSKなどの日本メーカのものに交換すべし。ベアリング自体は数百円だし、ホイール持込みでバイク屋で交換してもらっても前後で2千円程だから、オーナーになったら速攻でやるべし。山奥で絶望する前にね。

総評
いままで出会った中で最高のバイク。世話がかかる子、言うことを聞かない子はかわいいもの。なぜかブリちゃんが動かなくなると、その場で得難い出会いが生まれる。なんかもうそこで泊まって周囲を見なさいと諭されているよう。いつ止るか分からないヒヤヒヤ感も、自由人には嬉しい。
ファーストインプレッションで書いたスプロケット変更は止めた。空荷だとエンジンは伸びるが、ほとんどの用途が荷物満載の旅なので、今のギア比でちょうどいい。メーターがあんぽんたんだったけど、メーターパネル裏のボタンで調整する方法を教えていただいたので、いまはGPS並みに正確。購入元も変更方法を知らなかったから教えてあげたら感謝された。だから上記の燃費はかなり正確な燃費といえる。優秀だね。150キロおきに給油しなきゃいけないのも、そんなに急がないで止って休みなさいよと言っているようだし、実に人間味溢れる乗り物なのだ。何より、ブリちゃんに乗っていると声を掛けられるから、そこから情報が広がることも多い。ネタだらけのバイクならではだな。
止るたびに「おまえ捨てるぞ、ここで」と毒付くのだが、なんとか機嫌を直して、というよりは無理やり修理して、或いは行く先々で助けてもらって家まで帰ってきている。まだ乗り始めて1年のだけど、付き合いは相当深い。中華バイクのお楽しみは、これからだ。
メーカー諸元
エンジン: 空冷4ストローク単気筒
排気量:119.7cc
最大出力:6.0kW 8400rpm
最大トルク:9.0Nm 5400rpm
始動方式 : セルスターター・キック
タンク容量: 5.1L (リザーブは0.35L)
ギア: 4速マニュアル (1-N-2-3-4)
シート高: 835mm
全長×全幅×全高: 1840×760×1035mm
重量: 100kg (最大積載194.5km、最大全体重量300kg)
フロントブレーキ: 260mm ディスクブレーキ
リアブレーキ: 215mm ディスクブレーキ
フロントタイヤ: 90/80-16
リアタイヤ: 120/70-16
最高速度: 90km/h

いけいけブリちゃん@BE2
そういえばファーストインプレッション以降、乗り込んでみた印象を書いてなかったなあと気付き、いまさらだがこの実に特徴的なフォルムの原付二種について超私的なコメントを、愛情を込めて記しておく。
デザイン
ブリちゃんは旅バイクとして使っているので、旅に出ると行った先で1日に数回は必ず「これどこのバイクですか?」と聞かれる。時には、駐車場に止めて離れて戻ってきたら、待ってましたよという人もいるほど。どのバイクにも似ていないオリジナリティに溢れるスタイルに、ゼンゼン別の検索時に一目惚れして買っただけのことはある。そりゃ、これ何?的なスタイルは他には無いし、いまだかつて国内で他のブリちゃんも見たことが無い。オーナーとしては実に楽しいバイク。

エンジン性能
本家本元のスーパーカブ110の新しい諸元データと比較して見るとエンジン性能はほぼ同等。実はブリちゃんは119.7ccで125ccじゃない。まあ、こっちが一応10cc排気量が大きいのにどっこいのパワーとは、カブに脱帽。こっちはキャブだけど、むこうはEFIだしね。先日、国道4号線で福島から東京へ帰ってくるときに、カブトラベラーとおぼしき輩のこの新しい型のスーパーカブ110と信号で並んだ。重量があちらの方が軽いせいか、信号スタートで軽く負けて置いていかれる。速度はというと、メーター補正後は3桁は出ないけど、平地なら80キロ巡航は可能。まあ、スピードを求めるバイクじゃないからその点は全く気にしてませんけど。登坂車線が出てくるような登りは、3速で55km/hといったところ。4速で上れれば65km/hが上限といった感じ。
乗り心地&取り回し
シート高が高いのが特徴、それに前傾シート。最初これにかなり違和感があった。身長176cmのワタシは両足ベッタリ付くが、シートが前傾しているので慣れないと腰の位置が落ち着かず、ブレーキをかけるたびに体が前に持っていかれる。女房を後ろに乗せた日には、もう座ってられない。だがしかし、これも慣れ。乗り込んでくるうちに体がポジションを覚えて、自然とカラダをホールドするようになるので、そのうち気にならなくなった。少し後ろ気味に着座するのがいい。リアサスのコイルスプリングをいっぱいいっぱい伸ばした状態まで調整するとシート高が下がり、サスの動きも良くなる。もっと下げたければフレーム側のボルト止め穴がもう1個あいているので、そちらに移動すれば相当下がるでしょう。でも特徴的なリアからのスタイルがスポイルされるかも。この薄いシートでお尻痛くならないの?と言われれば、自信を持って痛くなりますと答える。これも慣れね。ロードバイク(自転車)よりはマシ。
ボディ剛性の高さは特筆
まず特筆すべきはフロントフォーク。250ccかと思う程の37mm径の大きなサイズを奢ってる。リアのモノサスも良い。サスストロークは前100mm、後65mmと十分だし、動きもイイ。
そして、フレーム。どのオーナーも文句なしの評価で、剛性感高し。ワタシもブリちゃんの一番の特徴だと思うね。

重心が低いレイアウトは理想的
重量物が全て下の方にレイアウトしてあり、オートバイとしては実に理想的な重量配置。スクーター並みの低重心なので、いまだに昔のクセでアクションで倒し込もうとすると、そんなの必要ないよとブリちゃんが教えてくれる。よく寝るし、無限に倒しこめるバンク角だけど、中華タイヤがプアーなので思い切って倒しこむのは怖い。雨の日のグリップは全く信用できない。タイヤをマトモなものに交換してから、それを試してみようと思う。
ブレーキがいい
これまた125ccには有り得ないブレーキローター径で、前260mm、後ろ215mmという大口径が奢られてる。特にリアブレーキがコントローラブル。えー、リアブレーキに頼ってるの、だせーと言われちゃ心外だ。いままで二輪はフロントブレーキにしか重きを置いてなかったが、このバイクだけは違う。よく効くうえにコントロールがしやすい。コーナーリング中のスピード調整はまかせろって感じだ。フロントサスのダイブが大きいのでなおさら。
燃費もよいぞ
リッターあたり45kmほど。旅に出る時は相当重い専用キャリアを装着して、さらに荷物満載。その場合は40km/L。空荷の場合は45km/L辺りが平均燃費。チョイ乗りは全くせず、1日で300km前後の長距離を走る旅バイクに使っているのでこの燃費、ワタシ的には十分納得の低燃費。さすがにスーパーカブ110やYBR125の実燃費60km/L前後というのにはかないませんけど。ガソリン容量が少なくて、旅に出るとしょっちゅうスタンドに寄らないといけないというのが玉にキズ。もしもの場合の携行缶も必須。概ね150km走ったらガソリンスタンドを探し始める必要あり。

メンテナンス・耐久性
これが大問題。電装系は弱過ぎる。配線が剥き出しで処理もプアーだからしょっちゅうあちこちでショートして、ヒューズが切れてたびたびエンジンが止まって立ち往生した。買ったらメーター回りのハーネスは全バラシして、配線養生をやり直す必要あり。それでも不具合は起きる。工具フルセット(これが重い)+半田付けセットは車載必須。ブリちゃんを保有するには相当の覚悟が必要で、自分でイジれない文科系人間は買ってはいけないバイクであることは間違いない。
電装系が弱点なのに、ヒューズ交換が、これまたタイヘン。非常にトリッキーなカバーを外して、知恵の輪しながらの作業は慣れが必要。でも慣れちゃえばなんてこと無いけどね。
車軸ベアリングもオーナー連が絶賛する最低さ。中華ベアリングの耐久性は全くなしで5000キロ程がライフなので、最初からNSKなどの日本メーカのものに交換すべし。ベアリング自体は数百円だし、ホイール持込みでバイク屋で交換してもらっても前後で2千円程だから、オーナーになったら速攻でやるべし。山奥で絶望する前にね。

総評
いままで出会った中で最高のバイク。世話がかかる子、言うことを聞かない子はかわいいもの。なぜかブリちゃんが動かなくなると、その場で得難い出会いが生まれる。なんかもうそこで泊まって周囲を見なさいと諭されているよう。いつ止るか分からないヒヤヒヤ感も、自由人には嬉しい。
ファーストインプレッションで書いたスプロケット変更は止めた。空荷だとエンジンは伸びるが、ほとんどの用途が荷物満載の旅なので、今のギア比でちょうどいい。メーターがあんぽんたんだったけど、メーターパネル裏のボタンで調整する方法を教えていただいたので、いまはGPS並みに正確。購入元も変更方法を知らなかったから教えてあげたら感謝された。だから上記の燃費はかなり正確な燃費といえる。優秀だね。150キロおきに給油しなきゃいけないのも、そんなに急がないで止って休みなさいよと言っているようだし、実に人間味溢れる乗り物なのだ。何より、ブリちゃんに乗っていると声を掛けられるから、そこから情報が広がることも多い。ネタだらけのバイクならではだな。
止るたびに「おまえ捨てるぞ、ここで」と毒付くのだが、なんとか機嫌を直して、というよりは無理やり修理して、或いは行く先々で助けてもらって家まで帰ってきている。まだ乗り始めて1年のだけど、付き合いは相当深い。中華バイクのお楽しみは、これからだ。
メーカー諸元
エンジン: 空冷4ストローク単気筒
排気量:119.7cc
最大出力:6.0kW 8400rpm
最大トルク:9.0Nm 5400rpm
始動方式 : セルスターター・キック
タンク容量: 5.1L (リザーブは0.35L)
ギア: 4速マニュアル (1-N-2-3-4)
シート高: 835mm
全長×全幅×全高: 1840×760×1035mm
重量: 100kg (最大積載194.5km、最大全体重量300kg)
フロントブレーキ: 260mm ディスクブレーキ
リアブレーキ: 215mm ディスクブレーキ
フロントタイヤ: 90/80-16
リアタイヤ: 120/70-16
最高速度: 90km/h

いけいけブリちゃん@BE2
大変興味深い情報です!
ありがとうございます。
ひじょーに癖のあるバイクですが、それゆえの楽しみがあります。
ヤフオクでこのバイクを見つけて購入を検討しています。
機械はそこそこ得意なのですが電装が苦手で
二の足を踏んでいるところです^ー^;
参考にしますので今までどんなトラブルがあったか
教えていただけないでしょうか・・・
最初はリアウインカーのバルブ切れで、適応品が国内で見つけられずにウインカーAssyで交換したのを皮切りに、メインハーネスの断線による走行不能を数々経験しました。当時は何が悪いのか、どこがおかしいのか、見当すら思いつかなかったのですが、1.5万キロも付き合うと、だいたいどの辺りかが分かるようになってきて、長旅では半田ゴテ持参です。
下記にその一部をまとめています。
SACHS Madass125 の憂鬱
http://togetter.com/li/615386
他にも色々とありますが、まずはご参考まで。