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肝がんと対策

2012年03月15日 | 病院だより
やっと、やっと、春が来た?
風が吹いたりしていますが、暖かくなってきた。  気温も上昇中。
最低気温も上がってきているし。
これから春に向かって一直線、とはならないでしょうが、まあ三寒四温でぼちぼちと。
 話は変わりますが、相変わらず列島は揺れているようで恐い限りです。
 恐いといえばもう一つの恐い話。  怪談ではなくてがんの話。
がんと言ってもこの雁ではありません。  こちらの癌、の話。  シリーズ化されているかのように癌の話が続いています。 
 では始まり、始まり~。

 肝臓はお腹の右上辺りにあり、臓器の中で一番大きな臓器で、重さは約800~1,400g。
血液中の栄養素を分解、解毒を行い、エネルギーゲンを蓄える働きがあります。
健康な肝臓は、全体の80%を切除しても残された細胞が数日内に増殖を始め、数ヶ月~1年で元の大きさに戻ります。(ヘエ~、という話)
 【原 因
  最大の原因は肝炎ウイルスです。
 一度はウイルス検査を受けることをお勧めします。
 ウイルス感染して慢性肝炎になると、肝細胞の破壊と再生が繰り返される内に再生された肝細胞の中の遺伝子に変異を起こすものが出来、がん細胞が生じ、増殖して肝臓がんになります。
 ①約75%…C型肝炎ウイルス陽性の人
 ②約15%…B型肝炎ウイルス陽性の人
 ③残り10%…アルコールや過栄養で生じる非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)。
  近年増加傾向にあり、定期的に画像検査を受けることが必要。
 【予 防】
  肝炎ウィルスにかからない為、他人の血液が付着した可能性のあるものは共用せず、触る時はゴム手袋を着用し、年1回の定期的な検査及び健全な食生活や健康習慣を心がけましょう。
  又、肝臓の病気に罹ったことがある人、輸血をして肝炎にかかった経験がある人、特に肝硬変になった人に肝がんを発症する率が高いと言われています。
  肝臓に慢性的疾患がある人は、専門医の指示に従い治療を受ける必要があります。 禁酒も必要です。
  
  【症 状】
  ・初期段階…がん細胞の直径が5cm以下。自覚症状はない。
  ・進行して…がん細胞の直径が10cm程度で皮膚に異変や黄疸がみられる。
   お腹の右上部分にしこりができて出血しやすくなる。
   突然腹痛、貧血等が現れると進行している可能性が高くなる。
  ・肝硬変の段階でも…同じ症状があらわれることもある。
  肝臓は沈黙の臓器なので、進行すると一気に症状が出てきます。
  自覚症状が出たら病院受診をしましょう。
  【検 査】
  ・超音波検査…専用の医療器具をあてるもので、とくに痛みは伴わない。
   がん細胞の大きさが1cm以下の物でも、発見しやすいが、奥深い所まで超音波が行き届かず位置によって判別されにくい。
  ・MRI検査…磁気を利用した検査で、体内部の写真の撮影が可能。
  ・X線CT検査…体を輪切りにした状態での画像撮影。 がん細胞が1cm以上でないと発見は難しい。
  ・血液の腫瘍マーカー検査…AFP,PIVKA-Ⅱ,AFP-L3分画検査。 肝がんでも陰性のことがある
  【治 療】
  ①手術治療(外科療法):腫瘍が限局し、切除可能な部位にあって肝臓の機能が保たれている場合、最も治る見込みの高い治療である。
  ②局所療法(穿刺療法):体外から針を刺し局所的に治療する療法。 体への負担は少ない。  がんが3cm未満、3個以下が対象となる。
   ・経皮的エタノール注入療法
     (無水エタノールを肝癌に注射し、アルコールの化学作用により癌を死滅させる)
   ・ラジオ波焼灼療法
     (針の先端部に高熱を発生させ癌を焼き死滅させる。治療効果が高く現在の主流)
  ③肝動脈塞栓術(TAE)、肝動脈化学塞栓療法(TACE)
    癌の栄養血管を塞ぎ、癌を封じ込める治療。
    血管造影検査に引き続きカテーテル先端を肝動脈まで進め、塞栓物質(多孔性ゼラチン粒、PVA)を注入し、肝動脈を一時的に詰まらせる
    肝動脈塞栓術は、がんの個数に関係なく治療でき、ほかの治療と併用される。

  肝がん予防には、肝臓を疲労させない生活を心がける事です。過度の喫煙や飲酒には要注意です。
  肝臓がストレス状態になると、解毒がおいつかなくなり、体内に毒素がたまり始めます。
  自分の体をいたわることは肝臓にも負担をかけずにすみます。
  本日の記事は寺麺医師でした。


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