おばば院生,その後

主婦から40代で大学院入学・博士取得。非常勤日本語教師を掛け持ちしてきた凡人母院生。縁あって大学の先生に。

読んだ本―ペルー関係

2010-09-15 15:12:22 | Weblog
はい。ここのところ月金のみ仕事の優雅なひと月なんです。
しかも,二つの学校で後期開講が遅くなったので,もうしばらくこの生活を楽しめそうです。

で,本を読みました。読んだこと自体を忘れないようにメモ!

柳田利夫編著『リマの日系人 ペルーにおける日系社会の多角的分析』

特にその中の赤木妙子「呼び寄せネットワークと県人意識の形成」がとてもよかった。

いいなあと思う論文はどういうものか。内容の良さは当然だが,日本語文章力のあるなしは大きいなあ,と思う。簡潔にして不足なし。事実と思考と意見が読み手に明確に区分される。感情表現はもちろん入らないが主観は主観として提示されている。そこでぐっと引きつけられて,かつじゃまにならない。そしてストーリーがある。

内容の良さ
文章の良さ

前者は努力で何とかなるかもしれないが,後者はどうか。


日本語のようなマイナーな言語の教育は一体何のためなのかなぁと,日本の地位低下の進む今日この頃考えます。継承語としての日系社会での日本語教育だったら意義があるかなと思ったけれど,甘かったようです。


同じ著者のもう一冊,『ペルー日系人の20世紀 100の人生 100の肖像』も読みました。20数年前に行ったペルー・クスコのアイスクリーム屋さん「しらゆき」の娘さんも載っていてうれしかった。アイスクリームは上にかけるキャラメルが甘過ぎて食べられなかったけど,パパイヤジュースでその後のバスの旅を乗り切りました。そのときおじいさんが旅行ノートに「○村道香 ○県出身」と書き込みをしてくださったのだけど,まさか自分がその○県に住むことになるとはその時思いませなんだ。こんなことの繰り返しだと楽しいねえ。

さて,後期の開講はおそくなりましたが,息子その1の大学からの後期授業料の振込用紙はしっかりとどきました。これで私の貯金通帳はまた0にリセットです。まあ,大学にまだ在籍しているという証拠と思えばうれしーじゃーありませんか。来なくなったら怖いよー。