おぼろ男=おぼろ夜のおぼろ男は朧なり 三佐夫 

小説・エッセー。編著書100余冊、歴史小説『命燃ゆー養珠院お万の方と家康公』(幻冬舎ルネッサンス)好評!重版書店販売。

新刊の紹介ですー地道に執筆

2009-06-22 11:50:08 | Weblog
新刊紹介
 房総を描いた作家たち④ 中谷順子(暁印書館)1600円
 千葉日報紙連載の「房総の作家」に加筆・訂正したシリーズ4冊目である。収録作家は、山本周五郎「青べか」と浦安市ほか、幸田文は露伴・玉と市川市菅野ほか、北原白秋は市川市真間ほか、国木田独歩は銚子市、井上ひさしは市川市、その地の風土に根差すエピソードなどを丹念に調べて紹介している。
文学作品を生んだ千葉県の風土と作家のかかわりなども分かって、読み物としても調査資料としても重宝な本である。

 手紙が語る戦争 島 利栄子監修(みずのわ出版)2300円
「女性の日記から学ぶ会」は、230人を擁するユニークで熱心な会である。活動も12周年を昨年迎えて「戦時下の手紙」展をもとにして、この書は生まれた。家族のきずな・兵士たちからの手紙・遺書・資料篇からなり、それぞれの手紙や葉書には、書いた人と、その家族の思いがこもっている。これは、まさしく戦時下の庶民の思いと生き方そのものであり、平和を願う貴重な庶民の記録である。私は、「戦時下の自分史」の執筆をシニア世代に呼びかけているのだが、その先駆的な意味からもタイムリーな出版である。

 子どもとともにー私の教育実践史 鈴木喜代春(教育新聞社)4500円
 814ページの大冊は、手にずっしりと重いだけでなく84歳の年齢で今も執筆に余念のない教育実践家・児童文学者に恐れ入るばかりである。すでに174冊の著書をものにし、来年は『鈴木喜代春児童文学選集全24巻』(らくだ出版)も刊行されると言う。青森県でつづり方教師として出発した先生は、松戸市に転じられて小中学校長まで経験し、その間、膨大な著作を世に問う7面6臂の活躍をなされている。この書は、師範学生時代から教員を経て、退職後の25年間と、まさに昭和・平成の生き字引・証人としての足跡を丹念に記録した16章にも及ぶ恐るべき大冊。私は、先生にお世話になる後輩として、誇りに思う。(安藤 操)


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