クラムとジジイの泣き笑い

一人暮らしのジジイが、Mシュナを飼う事にになった。小型犬故、寿命は、20年か?私は90歳まで長生きしなければいけない。

老人性解離 7 (荒金均の場合) 

2013-03-29 20:59:17 | 日記

クラムの写真は座っているものが多い。それは“座り込み症候群”の発作時を撮ったものだからなのだ。この頃は散歩にならない。1㌔歩くのに1時間を費やす。歩数にして3000歩に過ぎない。治療してやりたいのだが、検査を受けても悪い所ない。なぜなのだろう。判らん。
老人性乖離7
均は2年前に、3年介護した母を亡くして、ヤモメ暮らしであった。だから保子たち親子の側さえ問題視しなければ、彼女らを部屋に迎えてもなんの支障もない。それに団地という住宅は無干渉住人の巣窟である。ドア一枚隔てるだけで隣人の顔も何をする人かさえも判らない。均は、その旨を親子に告げ部屋に招じ入れた。親子は、同郷のB市出身と言う事もあって、忽ち打ち解け、今日までの、来し方、顛末を聞かされた。保子は、男好きのする顔立ちであった。彼女もそれを意識していて美貌を武器に、O市の繁華街で、飲み屋を経営していた。客あしらいも悪くないので、そこそこ繁盛していたのだが、客の石川利夫とねんごろになったのが躓きの基だった。利夫は日本人離れした長身で眉目秀麗な男であった。保子は忽ち、のぼせあがって、同棲を始めた。だが利夫は、その界隈で“種馬のトシ”と異名を取るドンファンで、女の間を点々としながら、貢がせるのを生業としていた。間もなく将来、絶世の美女を、思わせる女の子が生まれた。春菜は両親のいいとこ取りして誕生してきたのである。


貯め糞しない

2013-03-29 10:43:42 | 日記
狸のため糞は有名だが、たいていの動物は同じ場所で排泄する。犬も概ね同じ場所でするようだ。今まで飼った3匹もそうだった。しかし今度のクラムは違うのだ。その日、その日で、糞の排泄場所が違う。出たとこ勝負である。交差点の真ん中で、やりはじめたら、どうしようかと何時も危惧している。基本的には邪魔をせず、気持ちよく排泄させてやりたいから、リードを引っ張ったりしたことはない。それが、今朝、とうとう踏切の真ん中でやりはじめたのだ。少々慌てたが早朝だったし、電車の通過には余裕があったので、糞の処理は完了できた。それでもタクシーを始め2台の車が通過していった。

老人性解離6
保子との出会いは、1994年、12月の寒い晩であった。均は下水処理場に勤務していて、4日に一度の夜勤をこなしていた。広い処理場ではあるが夜間は3人で、不寝番を務めるのだ。機器の運転をコンピュウーターで管理し、家庭や工場から流入してくる汚水や雑排水を浄化するのが仕事であった。その日、均は場内の定時巡回から制御管理棟に帰順した時、玄関に不審な女性が10歳くらいの女の子を連れて、立っていた。それが保子と春菜であった。聞けば、ベンチでいいから一晩明かさして欲しいと言う。金も無く行く所もないのだとの事だった。関係者以外の立ち入りは禁止されているが、外は凍えるような寒さである。追い出すのは気の毒であった。そこで、均の一存で、自分の知り合いと言う事にして、監視室に連れて行った。同僚の了解を得、買い置きのインスタントラーメンで軽く食事を取らせて、仮眠させることにした。この部屋ならコンピュータの熱気や屋内暖房も行き届いているので寒さは凌げる。翌朝6時にほかの職員が出勤してくる前に均の車に移動させ、業務終了時間まで、再び仮眠させた。均の住まいである団地に連れ帰り詳しい事情を聴くためである。