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老人性乖離
春菜は納得せず、聖は、父と母の間に生まれた子である。アンタのDNAは一個も入っていないのよ。アンタはトロイから騙されていたの。産み月を計算してミ、合わないでしょう。顔つきだって違う。アンタの眼は線香だけど、聖の眼は大きくて、パッチリしている。父にソックリよ。それが、何よりの証拠です。だから、保険金の唯一の相続人は自分だと言うのだ。「春チャン、人には、決して口外してはならない事が、一つや二つはあるものだ。それを、ワザワザ白日の下に晒しておもしろいか。亡くなった人を冒涜する事になるゼ」均には、最初から判っていた。騙されたふりをしながら、実子として育てる決心をしていたのだ。保子も、そんな均のオオラカさと優しさを謙虚に受け入れ、互いに“聞かない、明かさない”を貫く公然の秘密だった。「君はお母さんの遺言を、無視するのか。」均は説いた。君にも祖父母も、オジ、オバ、イトコもいるのだヨ。一度だってあったことはあるかい。ないだろう。何故だと思う。全部、お母さんが起こした、借金地獄のせいだ。そのせいで、友人と叔母さんが離婚したのだ。そして、ついには、絶縁されるにいたった。保子はズーット気にしていてネ。何年かかっても借金は必ず返す。そして許しを請い、父母に聖の顔を見せたいと願っていたのだヨ。