5時だよ、ゴハンだにゃん

(元)外ねこさんに支えられる日々と、
野良猫さん一家TNRの記録

いっくん またね!

2019年11月05日 | つれづれの日々
11月3日 いっくんが虹の橋を渡りました。
急速に脱水が進んでいることに気づいてから、わずか4日目の朝でした。

食欲にはムラがあったものの「お腹空いたー!」とゴハンを要求して啼くこともあったし、焼きかつおなども食べるようになって
食の幅も拡がってきていた。
保護当時は食べて出してひたすら寝る…だけだった生活が、「だせー!だせー!」とケージのすき間から前足を出したり大きな声で
啼いたり。トイレ掃除の際にケージから逃走したりw時にはダンナと一緒にソファでテレビを見て過ごしていた。

               

        

保護当時、敷物に尿失禁が続いていたが体調の回復とともに消失、ひと安心していたが、「だせーだせー!」と騒ぎ始めた頃から
また時々敷物に粗相をするようになった。
特別体調が悪そうでもないのに…いわゆる拘禁反応的なもの?元々外で過ごしていた子だからそういう苛立ちを敷物への排尿という
形で表しているのか???

大急ぎで保護部屋を再編成。まだしばらくは様子をきちんと見たいから…やはりいっくんはひとり部屋がいいだろう。
ぽぽとゴローの部屋を空けていっくん部屋に。
ぽぽとゴローにはこれまで荷物を置いていたスペースを整理して与え、隣接するふわり部屋と行き来できるようにした。

久しぶりに気持ちよく晴れた日で、部屋にはいい風が通っていた。
移動したいっくんは、新しい部屋に最初少し啼いてしまったけれど、ラティス越しにぽぽのすけと鼻ちょんをして、隣のニッキ部屋を
覗いて、そのあとは窓から外を眺め、風に当たり夕方までの数時間を過ごした。

その夜、それぞれの子にゴハンを与えていったが、いっくんの食欲がない。動きはそれほど悪くないが…少し脱水なのかな?と。
急きょ支度をし、水を背負わせようと背中をつまんで驚愕した。皮膚が硬い…本来あるべき皮下のスペースがまるでなくなり
ピタッとくっついてしまっていると言ったらよいのかな…。かるびやぶらっきぃで経験した、脱水末期の状態がそこにあった。
「なんで?どうして?」「何をいつ見落とした?」と頭の中でぐるぐるぐるぐる。

猫は皮下のスペースを使って水を背負ってもらう。だがこうなってしまうと穿刺をすること自体が本当に困難になる。
少しでも皮膚の柔らかい部分を探してなんとかなんとか祈るような気持ちも一緒に背負わせた。

翌朝になっても事態は好転せず、食べられない。出せ出せと暴れていた姿はない。
保護時の血液データが頭を掠めた。来るべき時が来たのだと、思った。
思い返せば、僅かずつ食べる量が減っていた。それでも元気があったし、口内炎が悪化した様子もなかったから食ムラの範囲内と
考えていた。
だがこうなってみると敷物への粗相が再燃したのも、実際は体からの声なきサインだったのだろう。
元気そうに見えていた。ちょっとした奇跡が起きたみたいに!元気になってきたと思いたかったんだ、私。

極度の貧血と末期的腎不全
かつて兼続がそうだったように、猫は貧血を補完しようとするのかギリギリまで食べ、動く。だが…一定のラインを越えると
急速に食べられなくなり動けなくなる。
これを改善するためには輸血しかないが、貧血の進行ですでに心臓に負担がかかっているから、その負荷に耐えられないかも
しれない。また抗体を産生するから繰り返し行うことはできない。
VETが「余生をしろりん家で…」と言ったのは、この日が近い将来来るであろうこと、そして来た時に打てる手はないということ
なんだよな…とあらためて思った。

何度も猫を看取ってきた友人がずっと心配してくれていた貧血の進行による「呼吸苦」
おなじ貧血でも急速に進んだ兼続は本当に本当に苦しんだが、かるびやぶらっきぃ、ちゃっぷのように緩徐に進んだ場合には
強い呼吸苦が起きないことが多いように思う。年齢や心臓の強さなども関係しているのかもしれない。
幸いにもいっくんは、穏やかな呼吸のまま逝った。

殆ど意識がないのかな…と思うほど眠っていたのに、保護部屋のドアを開けるとニッキやうっしーたちと一緒に啼いて呼んだ。
からだを撫でる手に顔を押し付けて眠った。
少しずつ少しずつ体温が下がっていくなかでも、声をかけると返事をしてくれた。
もっといろんなもの食べさせたかった。もうちょっと時間があると思ってた。

お気に入りだったあご枕を一緒に持たせた。焼きかつおやウェットパウチやドライを体が隠れるくらい持たせた。
ここ数年ですっかり馴染みになってしまった出張火葬の担当さんは毎回「大丈夫だから、たくさん持たせてやって」と言ってくれる。
友人も遠くから一緒に祈ってくれた。

そしていっくんは、山ほどのゴハンとともに煙になって、現れたときと同じ我が家の庭から青空へ昇っていった。

わが家で過ごした6週間が、いっくんにとって幸せな日々であったかどうかわからないが、新しい仲間を迎えたチームしろりんの
下僕として楽しく楽しみな毎日だったことは間違いない。

いっくん、わが家を終の棲家に選んでくれてありがとう。私たちに看取らせてくれてありがとう。いつか、また会おうね。

               


6 Comments

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安らかに。 (みゃー大工)
2019-11-06 09:31:26
やるだけやったら、なるようにしかならない、
無力なのはわかっているんだが、

少しでも晩年は、幸せな時間を味わってもらいたいので、
やはり、奇跡を望んでしまう、この気持ちがね。

良いお家を選んだと思うぞ、
そこはベストチョイスだったわ、いっくん!
お疲れ様、しろりん家。
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みゃー大工さま (しろりん)
2019-11-07 07:54:47
コメントありがとうございます。

あなたには保護当時から本当にお世話になって…ありがとう。
分かっていたんだけどね、頭では。あのデータを冷静に読めば…うん…そうだよねって思う。
それでも目先の元気さにちょっと期待してしまったんだよね。

でももう少し、あともう少し一緒に居られたらよかったなぁ。一緒に居たかったなぁと思います。
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Unknown (Chel)
2019-11-08 21:44:40
急展開過ぎて言葉が見つかりません…
私でさえそんな感じがするんだから、しろりん家はもっと感じていた事と思います…

うん。でもほんと、イイお家を見つけたと思います。
穏やかに旅立てたのも、しろりんさん・しろ太さんやチームしろりんの優しさが影響していると★
いっくん、チームしろりんの子達とはまた違った個性的な子でしたね。
穏やかで懐っこくて…ぽぽ君と鼻チョン…どんな挨拶したのかな~(笑)

いっくん、お疲れ様。
ゆっくり休むんだよ~。
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Chelさま (しろりん)
2019-11-10 15:18:32
コメントありがとうございます。

本当に急なことで驚かれたと思います。
私がもう少し早く気づいていれば…と後悔はもちろんありますが、
それでも本当に穏やかに最期の時を過ごして旅立ってくれたことが救いです。
僅か50日でしたが、一緒に暮らせて楽しかった。いっくんもそう思っていてくれたら
嬉しいな。
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Unknown (はる)
2019-11-14 22:21:13
50日でしたか・・・。
きっとちゃんと分かっていたのでしょうね。
柔らかい気持ちいいところでの最期。
最高だったと思います。
お疲れさまでした。いっくんもしろりんさんも。
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はるさま (しろりん)
2019-11-17 21:32:01
コメントありがとうございます。レス遅くなってしまってごめんなさい。

いっくんが逝ってしまってから、あっという間の2週間が経ちました。6週間強の日々なんて
ホントにホントにわずかな時間だったんだな…とあらためて思っています。
これまで何匹も看取ってきて、それなりにね、精いっぱいやったという気持ちが
ココロの支えになったりしたけれど、今回はね、ホントになんにもしてやれなかった…だけ。
もうちょっとだけ、ちょっとだけでいいから時間が欲しかったなぁと思います。
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