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仙台臨海 謎のDL

2021-07-03 22:24:08 | 仙台臨海鉄道研究
以前、波浪規定様のブログ記事
http://yoneyamaexp.livedoor.blog/archives/7139047.html
を拝見させていただいた際に気になる写真を目にした。
ゆめ博号が運転された1997年の仙台臨海鉄道機関区の写真なのであるが、青系塗装のDD55、SD55の他に、見慣れぬ塗装のDL(秋田臨海DD56の塗装に似ている)が車列にいるのである。

最初は秋田臨海の車両が何らかの理由で回送途中なのかとも思ったが、どうも塗り分けや形態が違うようだ・・・
一体この車両は何者だ??
ネットサーフィンでは、手がかりとなりそうな情報はほとんどない。
謎はこのままお蔵入りかと思われた。

ところが、とある調べ物のために入手した鉄道ピクトリアル(以下「P誌」)の新車年鑑に手がかりがあった。


P誌新車年鑑1998年版の、民鉄形式別両数表。
仙台臨海鉄道の欄に「DD35 1両」とある。
仙台臨海鉄道のDD35形と言えば、常磐共同火力→仙台臨海→衣浦臨海と渡り歩いた35トン機(仙台臨海では1984年廃車)が知られているが、それより後の時期に、別の「DD35」が在籍していたのか!?

追加調査のため、他年度のP誌新車年鑑を入手し確認を行なった。
新車年鑑1996年版で、この「DD35」が新形式として紹介されている。
車番はDD3501、1970年川崎重工製の35トン機で、1996年4月入籍とある。
掲載されている写真を見る限り、塗装の塗り分けや形態が先の写真のDLと酷似しており、これが同機の正体である可能性が高い。
外観は、日立セメントDD352や日本セメント高麗川D35Tに酷似しているが、キャブ上部にも左右1灯ずつ前照灯が設置されている点が異なる。
同記事では東北石油専用線の入換機と紹介されており、移籍元は三菱マテリアル岩手工場とある。
陸中松川のセメント輸送廃止後、仙台臨海に移ったということだろうか。

さらに、P誌鉄道車両年鑑2002年版によれば、2001年9月をもって同機は廃車され、産業振興(株)へ譲渡とある。
産業振興は鉄スクラップ事業を手がけており、仙台港へ廃車回送される貨車の荷受人にもなっていた会社である。この譲渡は産業振興が自社で使用するためとは思われず、解体または第三者への売却を前提としたものと思われる。

その後、同機は次の活躍の場を見つけられたのだろうか?
ネットサーフィンで、鉄貨丼様のサイトに行き着いた。
http://tekkadon2.web.fc2.com/nakazyou1.htm
2005年の中条クラレ専用線のようすが紹介されており、その中で化成品貨車を牽いている「DD3501」は、その車番・塗装・キャブ上に設置された前照灯など、仙台臨海DD3501に酷似している。

さらに、奥野様のブログ記事
http://okunokun.ikora.tv/e191210.html
によれば、2007年頃も同機が使用されていたようである。
オレンジ色の日通凸型機と共に?あるいは後継機として?専用線廃止まで活躍したのであろうか。

なお、専用線廃止後の消息については、手がかりとなる情報を見つけられていない。
まだ、どこかに眠っていたりするのだろうか・・・

(余談)
先日中条駅を訪問し、中にスイッチャーが眠っているらしい庫の中を覗いてみました。

まあ、違うなあ・・・
JR貨物の動車のようです。
このスイッチャーについては、ブログ本館の方で改めて紹介しようかと・・・

<2021.8.29 > 本記事の補遺を投稿しました。
<2021.8.29 > 本館に「中条のスイッチャー」を投稿しました。  








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