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DE65 3という機関車

2022-04-17 00:50:31 | 鉄道研究

△[1]より

DE65 3といえば、今は仙台臨海鉄道の機関車だが、今回は新潟臨海鉄道に「在籍」したDE65 3の話。
DE65 3は元JR貨物DE10 1144で、1995年に新潟臨海鉄道に譲渡されている[1]。
新潟臨海鉄道は東新潟港駅の入換業務をJR貨物から受託しており、DE65 3はそれまで使用されていたDD55 1・2に変わって東新潟港の入換に使用されることになった。
DD55 1・2は1989年にJR貨物に車籍編入されていたが、入れ替わる形でDE65 3がJR貨物に車籍編入された。なお、DD551・2は新潟臨海鉄道に車籍を復帰したが、直後に廃車となっている。
DE65 3の車籍の変遷は以下の通り[1] 。

1995.9.25/竣工
1996.5.16/除籍・JR貨物に車籍編入
1999.4.1/車籍復帰
2002.10.1/廃車

なお、同機がJR貨物に在籍した期間、鉄道ピクトリアル誌のJR在籍車両両数表にはDE65形式は登場していない。JR貨物は私有機の情報を公開しなかったのだろうか。当然ながら、民鉄在籍車両両数表の新潟臨海鉄道の欄ではDE65は2両となっているため、同機があたかも存在しないよう見えるのは面白い。


さて、前任のDD55形がJR貨物の車籍を取得した経緯について、[2] には以下の記述がある。

"東新潟港駅ではJR貨物の本線上を一部走行することから、1989(平成元)年に所有は新潟臨海鉄道のままJR貨物に車籍編入された。"

さらに[3]では

"国鉄時代は国鉄に接続する専用線の入換え機に車籍がないのは当然であったが、民営化後にこれらの管理基準が変更され、駅構内に入線する場合などには車籍を取得することが必要となった。私鉄に接続する専用線の場合には以前から同様の取扱いがなされていたが、JRについてもこれに揃えることになったわけである。先述の新潟臨海鉄道DE65 3などもこれに準じた措置と理解できる。"

臨海鉄道機がJR貨物駅の入換に使用される例は東新潟港に限ったものではない。
例えば、京葉臨海機は小名木川での入換に使用され、小名木川〜越中島貨物の本線も走行していた[4]。
しかし、車籍をJR貨物に移している例は東新潟港以外には確認できなかった。
臨海鉄道機のJR貨物への車籍編入が東新潟港に限ったものだったのか? そうだとすればその理由は何か? というのは今後の研究課題である。


<参考文献>
[1] 鉄道ピクトリアル 2003年11月号 特集「民営の貨物鉄道」 p. 25
[2] 鉄道ピクトリアル 2008年1月号 「私鉄・専用線のDD13 Part2」 p. 134
[3] 鉄道ピクトリアル 2000年12月号 特集「DE10・11・15形」 p. 70
[4] 鉄道ピクトリアル 1993年3月号 特集「臨海鉄道」 p. 19