建築設計事務所の考える、楽しい幸せ家づくり!

一人の建築士が考える、幸せになる家づくりとは。

手刻み

2007-12-21 18:56:11 | 建築
この写真は現在建築中の現場の
上棟している様子です。

この現場は、最近では、珍しく
プレカット(工場で機械加工)でなく、

大工さんが、自分の作業場で、
手刻み(手作業で材木を加工)しました。

プレカットには、プレカットの長所もありますが、

本来なら、大工さんが、木それぞれの癖を読み、
組み上げた建築にはかないません。

それが、昔から育まれてきた大工技術です。


残念なことに、現在の住宅は、
ハウスメーカー主導の商品になってしまっています。

このままでは、本来の木造建築は衰退の一途をたどってしまいます。
いいえ、もう衰退していってしまっています。
非常に、嘆かわしいことです。

この現実に僕は悔しくてなりません。
本当の建築を残すべく、
僕は、あくまでも抵抗していくつもりです。


それには、一般の方に、
大切なことを、一人でも多くの方に伝えて行かないと。
なので、
このブログ・自分の仕事を通して伝えて行こうと思います。

今日はちょっと真面目に
熱く、書いてしまって読みにくかったでしょうか?

いつも、読んでくれて、ありがとうございます。








150年前の上がり框

2007-12-20 17:42:17 | 建築
あらためて、木はすごいなって思います。

写真の材木は、150年前の住宅に上がり框として使っていた材木を
再生したものです。

この住宅のお施主様は、150年前の住宅をリフォームしようか?
新築しようか?

悩みに悩んで、新築することになりました。
ただし、新築する家に、古材を生かして行くことを条件にされました。

古いものへの愛着や、ご先祖様への感謝を込めて。



何が、すごいと思ったかと言いますと、
150年も前の材木が、カンナをかければ、
新しい木となんら変わらないことです。

写真の框の側面はカンナをかけていません、
上面は、床を平らに張る為に、カンナをかけました。

見てびっくりです。
その木目の美しさに。

もし、側面もカンナをかければ、
誰も、150年前の材木とは気がつかないでしょう。


あえて側面は昔から使ってきた、
黒く光った表情を大切にしようと、
そのままに使うことにしました。

木はすばらしい。
法隆寺が1400年も、建っていることからしても、
当たり前なんでしょうが、実際に目にすると、感動します。

人間の一生なんて短いな。
なんて、思ったり。

そんな、ちっぽけな存在だけど、
精一杯、建築に精進して行こうと、
気持ちを新たにしたのでした。