建築設計事務所の考える、楽しい幸せ家づくり!

一人の建築士が考える、幸せになる家づくりとは。

150年前の上がり框

2007-12-20 17:42:17 | 建築
あらためて、木はすごいなって思います。

写真の材木は、150年前の住宅に上がり框として使っていた材木を
再生したものです。

この住宅のお施主様は、150年前の住宅をリフォームしようか?
新築しようか?

悩みに悩んで、新築することになりました。
ただし、新築する家に、古材を生かして行くことを条件にされました。

古いものへの愛着や、ご先祖様への感謝を込めて。



何が、すごいと思ったかと言いますと、
150年も前の材木が、カンナをかければ、
新しい木となんら変わらないことです。

写真の框の側面はカンナをかけていません、
上面は、床を平らに張る為に、カンナをかけました。

見てびっくりです。
その木目の美しさに。

もし、側面もカンナをかければ、
誰も、150年前の材木とは気がつかないでしょう。


あえて側面は昔から使ってきた、
黒く光った表情を大切にしようと、
そのままに使うことにしました。

木はすばらしい。
法隆寺が1400年も、建っていることからしても、
当たり前なんでしょうが、実際に目にすると、感動します。

人間の一生なんて短いな。
なんて、思ったり。

そんな、ちっぽけな存在だけど、
精一杯、建築に精進して行こうと、
気持ちを新たにしたのでした。