「哀しいほど滑稽な殺人」 ”blood simple=ブラッドシンプル” それは恐怖と困惑の果ての殺人・・・。
アメリカ南部のとある田舎町。ある日、一軒の古びたバーの一室で殺人が起こる。殺されたのは経営者マーティ。彼の妻アビィの浮気調査を依頼した悪徳探偵に撃たれたのであった。死体を発見したアビィの愛人でバーテンダーのレイは動転し、アビィが夫を殺害したものと勘違いする。死体を車に乗せて夜道をひた走り、畑に埋めようとするが、死んだと思っていたマーティにはまだ微かに息があったのだ。錯乱してスコップを振り上げるレイから容赦ない土を身体いっぱい浴びながら、マーティは生き埋めの恐怖に断末魔の唸り声を上げるのであった・・・。はじめは完全犯罪になるはずの殺人だった。しかし、自体は予期せぬ方向へ・・・。
恐怖に身をすくませ、真っ暗な部屋の中で身を潜めるアビィ。
と、突然銃声とともに眩い光が暗闇を引き裂く・・・。
アビィに忍び寄る殺し屋が壁放った銃弾を ”光りと影” によって演出された「美しい」としか言いようのない映像・・・・。
「バートン・フィンク」「ファーゴ」「ビック・リボウスキ」のコーエン兄弟が独立資本で製作し、その独創的な映像で世界中に衝撃を与えた処女作「ブラッドシンプル」。アメリカン・インディペンデントの精神はここから生まれたといえるほどのこの作品をベースにオリジナル・ネガとサウンドトラックの全編を再編集したのがこの「ブラッドシンプル/ザ・スリラー」です。血も凍るような恐ろしさと、ブラックな笑いとが奇妙に結びついた世界を固唾を飲んで見守るゾクゾクした感覚。互いにボタンを掛け間違えたようないびつな人間関係。まさに映画の ”おもしろさ” を堪能させてくれる作品です。
この作品の醍醐味は、観ている自分たちは真相を知らされているのに、登場人物の2人はそれを知らず、彼らが見えない恐怖に追いつめられてゆくのを見守るという構成にあります。完全犯罪のはずだったトリックに綻びを見つけた悪徳探偵のあせりが、彼ら2人を死の淵に追いつめてゆく・・。そしてついに極限まで追い詰められた時・・・
サウンド・トラック、ネガを再編集したとはいえ、20年以上も前の作品なのに、新しささえ感じてしまうコーエン兄弟の映像の魔術は素晴らしいものがあります。ストーリー展開、構成、そしてディティールのこだわり。どれをとっても完璧ですね。 主演のフランシス・マクドーマンドは、本作が映画デビュー。その後、「ファーゴ」(96年)にも出演し、アカデミー主演女優賞を受賞しています。また、「ブラッドシンプル」が縁でジョエル・コーエンと84年に結婚しました。彼女はやはりコーエン兄弟の作品で、ビリー・ボブ主演のモノクロ映画「バーバー」にも出演しています。
「これぞまさに映画の醍醐味!」と絶賛されているコーエン・ワールドの最高傑作。「バートン・フィンク」「ファーゴ」以来のファンの方、また「オー・ブラザー!」や「バーバー」「レディ・キラース」を観てファンになった方もこの処女作 「ブラッドシンプル/ザ・スリラー」 一度体験してみて下さい。
blood simple-1984
Blood Simple
■■■■■■■■■■■■■■■
【ブラッドシンプル/ザ・スリラー (BLOOD SIMPLE the thriller)】
監督/ ジョエル・コーエン
製作/ イーサン・コーエン
脚本/ ジョエル&イーサン・コーエン
撮影/ バリー・ソネンフェルド
音楽/ カーター・バーウェル
衣装/ サラ・メディナ=パペ
主演/ ジョン・ゲッツ
フランシス・マクドーマンド
ダン・ヘダヤ
M・エメット・ウォルシュ
サム・アート・ウイリアムス
デボラ・ニューマン
1999年アメリカ映画
ナショナル・ボード・オブ・レビュー作品賞、サンダンス映画祭グランプリ、
インディペンデント・スピリッツ賞・監督賞、同・最優秀男優賞受賞。
その他、インディペンデント・スピリッツ賞・撮影賞、最優秀フィーチャー賞、
脚本賞、エドガー・アラン・ポー賞最優秀映画賞ノミネート
アメリカ南部のとある田舎町。ある日、一軒の古びたバーの一室で殺人が起こる。殺されたのは経営者マーティ。彼の妻アビィの浮気調査を依頼した悪徳探偵に撃たれたのであった。死体を発見したアビィの愛人でバーテンダーのレイは動転し、アビィが夫を殺害したものと勘違いする。死体を車に乗せて夜道をひた走り、畑に埋めようとするが、死んだと思っていたマーティにはまだ微かに息があったのだ。錯乱してスコップを振り上げるレイから容赦ない土を身体いっぱい浴びながら、マーティは生き埋めの恐怖に断末魔の唸り声を上げるのであった・・・。はじめは完全犯罪になるはずの殺人だった。しかし、自体は予期せぬ方向へ・・・。
恐怖に身をすくませ、真っ暗な部屋の中で身を潜めるアビィ。
と、突然銃声とともに眩い光が暗闇を引き裂く・・・。
アビィに忍び寄る殺し屋が壁放った銃弾を ”光りと影” によって演出された「美しい」としか言いようのない映像・・・・。
「バートン・フィンク」「ファーゴ」「ビック・リボウスキ」のコーエン兄弟が独立資本で製作し、その独創的な映像で世界中に衝撃を与えた処女作「ブラッドシンプル」。アメリカン・インディペンデントの精神はここから生まれたといえるほどのこの作品をベースにオリジナル・ネガとサウンドトラックの全編を再編集したのがこの「ブラッドシンプル/ザ・スリラー」です。血も凍るような恐ろしさと、ブラックな笑いとが奇妙に結びついた世界を固唾を飲んで見守るゾクゾクした感覚。互いにボタンを掛け間違えたようないびつな人間関係。まさに映画の ”おもしろさ” を堪能させてくれる作品です。
この作品の醍醐味は、観ている自分たちは真相を知らされているのに、登場人物の2人はそれを知らず、彼らが見えない恐怖に追いつめられてゆくのを見守るという構成にあります。完全犯罪のはずだったトリックに綻びを見つけた悪徳探偵のあせりが、彼ら2人を死の淵に追いつめてゆく・・。そしてついに極限まで追い詰められた時・・・
サウンド・トラック、ネガを再編集したとはいえ、20年以上も前の作品なのに、新しささえ感じてしまうコーエン兄弟の映像の魔術は素晴らしいものがあります。ストーリー展開、構成、そしてディティールのこだわり。どれをとっても完璧ですね。 主演のフランシス・マクドーマンドは、本作が映画デビュー。その後、「ファーゴ」(96年)にも出演し、アカデミー主演女優賞を受賞しています。また、「ブラッドシンプル」が縁でジョエル・コーエンと84年に結婚しました。彼女はやはりコーエン兄弟の作品で、ビリー・ボブ主演のモノクロ映画「バーバー」にも出演しています。
「これぞまさに映画の醍醐味!」と絶賛されているコーエン・ワールドの最高傑作。「バートン・フィンク」「ファーゴ」以来のファンの方、また「オー・ブラザー!」や「バーバー」「レディ・キラース」を観てファンになった方もこの処女作 「ブラッドシンプル/ザ・スリラー」 一度体験してみて下さい。
blood simple-1984
Blood Simple
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【ブラッドシンプル/ザ・スリラー (BLOOD SIMPLE the thriller)】
監督/ ジョエル・コーエン
製作/ イーサン・コーエン
脚本/ ジョエル&イーサン・コーエン
撮影/ バリー・ソネンフェルド
音楽/ カーター・バーウェル
衣装/ サラ・メディナ=パペ
主演/ ジョン・ゲッツ
フランシス・マクドーマンド
ダン・ヘダヤ
M・エメット・ウォルシュ
サム・アート・ウイリアムス
デボラ・ニューマン
1999年アメリカ映画
ナショナル・ボード・オブ・レビュー作品賞、サンダンス映画祭グランプリ、
インディペンデント・スピリッツ賞・監督賞、同・最優秀男優賞受賞。
その他、インディペンデント・スピリッツ賞・撮影賞、最優秀フィーチャー賞、
脚本賞、エドガー・アラン・ポー賞最優秀映画賞ノミネート
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ファーゴ [DVD]20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンこのアイテムの詳細を見る |
ビッグ・リボウスキ [DVD]アスミックこのアイテムの詳細を見る |
私コーエン兄弟の映画って大好きなんですよ。今日真っ先に「ブラッドシンプル」のタイトルが目に飛込んできて、嬉しさのあまり思わず歓声を上げてしまいました。
この物語は結構\怖いけど、「ビック・リボウスキ」や「ファーゴ」なんか面白いですよね。あ、でも「ファーゴ」もちょっと怖いですね(笑)。彼等の映画に出てくる人ってなんか滑稽だけど、以外に人間身ありませんか?あ、なんだか「ブラッドシンプル」観たくなってしまいました。明日借りてきます(笑)。
のんさんもコーエン作品お好きでしたか♪
本当に登場人物の"滑稽さ"にはいつも笑わせてもらってますよ(笑)。
特に、「ファーゴ」のスティーヴ・ブシェミのキレ方や、
「ビッグ・リボウスキ」のジョン・タトゥーロのあのヘンテコリンなカッコなど(笑)。
思い出すだけでも笑えてきます。
だけども、物語は全てシュールなんですよね。
その辺がコーエン兄弟の凄いところ。
ここ最近の作品は観ていませんが、「バーバー」までは
どの作品も素晴らしい出来ですよね~。
トラコメありがとうございました^^
まさに
「哀しいほど滑稽」がぴったりくる殺人事件ですよね
みているこっちには真相がわかっているのと、演じる人たちの行動がとてもこっけい!
ブラックテイストがぴりっときいたいい作品でした
ご来訪ありがとうございます。
お返事、遅くなられても全然問題ないですよ。
今後ともよろしくお願い致します。
この映画、本当に素晴らしいと思います。
しかも低予算。
こんな映画作れるなんて彼らはやはり天才です。
「ファーゴ」も凄かったですし。
あのときのスティ-ブ・ブシェミ、最高でした。
ほんとに哀しいほど滑稽な殺人でしたよね~(^_^;)
あぁ勘違い・・されど映画に出てくる人物たちはいたって真面目にやってる・・私たち観客は、その様子をあ~ぁ、とか、笑いつつ、苦笑しつつ観る、という流れがコーエン兄弟の映画には共通してどこかにありますよね。
人間の哀れで哀しい部分をたっぷり見せてくれるし、人間の愛らしさも
こんな風に見せてくれる作品って、彼らしかいないかも・・って思えます。
「ビッグ・リボウスキ」「ファーゴ」そしてこの映画が3大好きな映画かなぁ~・・と今思い起こしています^^
ビリー・ボブが好きなので「バーバー」もかなり好きだったですけど(^ー^* )
だいたいどの彼らの映画にも、私の好きな俳優さんたちが出てくれるんですよね~。
ビリーボブもそうだけど、マクドーマンドにブシェミ(大好き!)ジョン・タートゥーロなどなど^^
あ、でも、「レディ・キラーズ」は、珍しく今ひとつかなぁと思った映画だったかなぁ~・・体調のせいだったか??(笑)
いつか見直さなくっちゃ・・と思ったりしています。
コーエン兄弟の作品、全てに言えることが、
人間の表と裏。
全てさらけ出されていて、観ていてつい苦笑いしたりする部分も多いです。
「バーバー」も良いですね。これもレビューしていますので、
良かったらご覧になってください。
そうそう、タトゥーロとブシェミ。
この二人、最高なんですよね。