愛しのリビヤ

日本からの訪問者がそれほど多くないリビヤに滞在する機会を得た。そこでその経験を記録することにする。

翌日の1日

2003-12-14 17:08:46 | リビヤ
さて、今日は土曜日、週明けの勤務の日である。起床は7時少し前、外はまだ暗い。下に降りてまずPMルームのドアを開錠し、玄関の電気を点け、カダフィに挨拶、玄関先の窓を開放した後、事務所入口の扉を開ける。それから12時間前の日本時間朝7時のNHKニュースを見ることができるのだが、前日の事情により見ることができないので2階に上がる。通常であれば、スポーツニュースまで観て部屋に戻る。その頃には、ボンガボンが朝食の準備にかかっており、モハメッドがPM社ルームを掃除している最中でなので、彼らと朝の挨拶を交わすといった具合である。
2階に上がって、スッポンポンになってシャワーを浴びた後は、前日と同様である。8時頃、メールを見ていると15分になり、再び休養室へ行き通常であれば昔やった朝ドラの松嶋奈々子主演“ひまわり“を観る。それが終る前後にS氏がきて、そこでそのまま朝食である。“ひまわり“に引き続いて8時半からは日本時間正午のNHKニュースが15分間あり、それを観ながらお粥に梅干、それに玉子焼き、コーヒーの朝食を摂るといった手順であるが、TVを観れないのでS氏と世間話をして食事を終える。
朝食後執務室に戻り、再度メールを確認する。その間にケントン氏が「ホンジョールノ, Good morning.How are you?」、ディーンさんが「S-SAN、K-SAN、Good morning.」と相次いで出勤してくる。ラジックさんは発注者に寄ってきたりするので一定していないが、出勤してくると必ず「ハビービ!オハヨウゴザイマース。オ元気デスカ。」と入ってきて握手を交わす。これらが我々の仕事開始の合図である。
  
(PMルームの執務室)
昼食は概ね12時半からであるが、これは来客があったり、発注者に出向いて行ったりしていると1~2時間遅れになることも多々ある。食事の用意ができると、ボンガボンが呼びにきてくれる。この日のメニューはミートスパゲティにサラダであった。食後はオレンジと日本茶である。
休憩時間は12時半から14時までであるが、ケントン氏は12時ごろから発注者へ書類を届けたり受領したりしてから家に帰って昼食を摂るので戻ってくるのは16時近くなるのが普通である。彼の場合、昼食代わりのクッキーを食べたり、夫人が弁当を届けたりするので、自宅で昼食を摂らないことも多い。ディーンは13半時ごろから15時ごろまでランチブレイクである。このように勤務時間は結構ラフである。この時間帯はS氏と2人きりとなる。
仕事に疲れたときは、息抜きを兼ねて庭へでる。するとすぐに犬が擦り寄ってくるので暫く相手をしてやる。南側には小さな菜園があり、小生が日本から持ってきた大根、人参、ねぎの種をモハメッドが10月に蒔いたのだが、時期が遅かったのか土質が悪いのかあるいは肥料が少ないのか成長が遅い。12月になっても葉っぱがなかなか大きくならない。そんな様子を時々みては息抜きをするのである。
  
(裏庭:Mohamedが植えたトウモロコシが大きくなっている)   (南側)
息抜きといえば、コーヒーを1日何回飲むだろうか。数えたことはないが、朝食後の一杯から始まって、恐らく10回近くになるのではなかろうか。
いつもであれば昼前にGAMAのカディール・ベイが来て、世間話をした後、工事金入金の催促をするのだが、休暇をとってトルコに帰っているので今日は来ない。ラマダンがあって、ただでさえ遅い発注者であるGMRAからの入金が2月以上遅れている。
そんなこんなで夕食になる。今夜のメニューはトンカツ、高野豆腐、茄子の油炒め、茶碗蒸しと味噌汁にご飯である。食後はチョコレートジェリーで締める。夏場であればこの後休養室へ行き、ニュースを観るのだが、ロンドンの夏時間が終ってからはTVのプログラムも1時間遅くなったので、執務室に戻りやり残している仕事を少しやる。昼過ぎにTVを直しに来てくれ、ようやくみることができるようになったので、19:45からサンデースポーツを皆で観る。通常のニュースでは短時間のスポーツニュースしかやらないので非常に楽しみにしているのだが、大リーグやサッカーなどはDue to copyright reasons.と表示が出て音声のみで画像が映らないのでガッカリすることが多い。
業務時間は9時から17時までであるが、終業時間は各人まちまちである。一般的には、ラジックさんが一番早いことが多く3時を過ぎたらいつ帰ってもおかしくない。ケントン氏は大体5時半から6時ごろ、ディーンさんは6時ごろに帰宅する。帰るときは「アシタマタオアイマショウ」、「Gentlemen. チャオ」、「Sさん、Kさん、See you tomorrow.」、とそれぞれいって別れを告げて出て行く。
食事と睡眠時間以外はほとんど執務である。2Fが寝室なので便利ではあるが、公私の区別がつかないのが難点である。
SU氏がホテルへ戻るのを見送った後、玄関の扉を閉めて10時前後に就寝する。こうしてリビヤの一日は平穏に過ぎるのである。こういった日常の中で唯一残念なのは地中海に沈む夕日を見る機会を逸したことである。