愛しのリビヤ

日本からの訪問者がそれほど多くないリビヤに滞在する機会を得た。そこでその経験を記録することにする。

GIカット

2003-06-25 12:03:07 | リビヤ
2ヶ月も髪を切らずにいると耳が髪でかぶさりさすがに鬱陶しくなる。これ以上辛抱できなくなり、思い切って理髪店に行くことにした。もとより、リビヤでの散髪は初体験である。事前に情報を得ていたから不安はなかった。その情報とは、10分で完了し黙認しているとバリカンを使って素晴らしく短く刈られてしまうというものであった。
我々の行く床屋は、日本で言うところの文化会館のような4、5階建ての建物の2階にあり、外国人がよく利用するため、街中の店より割高だそうである。
文化会館の前の通路に車を停めて広い階段をあがって中に入るとホールがあって、その左手に会議や催し物ができる会場がある。ホール右手手前は食堂となっている。何を食べさせてくれるのか非常に興味があるが、まだ中に入ったことはない。
ホール正面の一角は礼拝所となっている。すでに紹介したように、これらの礼拝所は数少ないレストランやガソリンスタンドにもあり、いわんや空港のような公共施設には必ず存在する。礼拝所の右隣が化粧品を売る店があり、リビヤでは珍しくスカーフなしの綺麗な女性が店番をしていた。(リビヤでは商店であっても女性が表立って接客することはない。)その店と食堂の間に通路がありその奥が目的地である。敵地に達するまでの通路の左右にはコンピュータや関連商品を細々と販売している店が3軒並んでいる。
理髪店の中は日本のそれと変らない造りとなっている。4台ある椅子の前にはそれぞれ鏡があり、カウンターには所狭しと化粧品類が並んでいる。勿論洗髪用の流し台も目の前にある。店内は日本でも悪くない部類に入る店構えと思う。
先客は2名いたものの待つことなく、座るように促されたので左端の空いている席につく。運転手のジョセフやドドンは店の右端にある待ち客用の椅子に座って散髪が終わるのを待っている。小生の髪を処理する職人はこの店の主人らしい。頭の前面が後退し短く丸刈りにしている。外国の映画俳優に似ているのだか、それが誰か思い出せない。それは以前NHKの番組でやっていたムッシュ・ポアロを演じていた俳優かもしれない。ただし、髭はないが。
着席してすぐに、ムッシュ・ポアロが「ショートor ミディアム?」と訊いてきたので、彼の作品を身近で見ていたので迷わず「ミディアム」と回答した。肉の焼き加減以外にも使えるのかとこの英語を頭に叩き込んだ。
散髪の手順は多少日本と異なるが至極簡単である。エプロンのお化けのような布を首からかけると日本であればまず、髪にスプレーで水を振りかけるが、ここではまず簡単に頭を洗う。次に髪を櫛で分けておいて鋏を使ってカット開始である。カットの間中隣客のリビヤ女性と話しこみ、作業の半分はお留守になりがちであった。しかもこのカットはいつ終るのかと思うくらいかなり執拗に行う。恐らく日本での倍の時間をかけていたに違いないと思う。
永遠に続くかと思ったカットも終り、これで散髪も終りかなと思っていると、そうは問屋が卸さない。やおらバリカンを取り出し髪の生え際をそれで刈りだした。これが噂に名高いバリカン作戦だなと思っていると、油断大敵バリカンの刃をとっ替えひっ替えしてそれまで丁寧に鋏を入れていたところをいきなりバリカンで短く刈り込んでしまった。あの鋏は一体何だったのかと疑問を持ってももう元には戻らない。日本人のGIカットの出来上がりである。もしあの時、ショートあるいはレアと答えていたならと思うとそら恐ろしくなった。
この時、既に綺麗に仕上がっていた隣席客だった女性がどこからかデミタスカップに入れたコーヒを小生のカウンターの前においてくれた。
再度簡単にシャンプーをした後、ドライヤーで乾かし油のようなものをつけた後、日本であればエプロンのお化けの上から刷毛で刈った髪を落とすのだが、ここではドライヤーの強風であっという間に吹き飛ばして散髪完了である。顔剃りなどはない。
恐らくサービスで入れてくれたであろうコーヒを指して主人に飲んでもいいのかと聞くと、OKがでたので事務所以外のリビヤで初めてのコーヒを試飲した。リビヤのコーヒはどんなものかとわくわくして飲み干した。想像はしていたがそれ以上に甘く、飲んだ後はべったりと粉が底に付着していた。それから3度この店に行ったのだが、その後一度もそれが出てこなかったことをみるとどうも店主のものだったらしい。
10ディーナル(840円)の料金を支払い外にでる。頭が軽くなると同時にスースした。6時半に入った時にはまだ外は明るかったのに、すでに暗くなっていた。

運転免許

2003-06-20 19:11:08 | リビヤ
我々日本人とボンガボンを除けば、皆運転免許を取得している。事前に調べたところではリビヤの運転免許取得は日本人にとって不可能に近いとあったが、ジョセフに確かめたところ、そのようなことはなく非常に簡単に取れるとのことである。我々にはその必要がないだけである。
あなたがリビヤで生活しても困らないように、その情報をお教えしよう。日本で発行する国際運転免許証はこの国では通用しない。従って、運転するにはこの国の免
許を取得しなければならない。運転免許試験といっても、路上テストがなく、面接のみで済むそうである。従って、英会話さえ出来れば至極簡単に取得できるとのことである。