2月から3月にかけて咲く花の代表格が『梅(うめ)』でしょう。
『梅の花』は古くから日本人に愛されてきた花で、「万葉集」や「古今和歌集」にも多数の梅を題材にした和歌が残されています。
時代が下っても同様で、江戸時代の松尾芭蕉や明治時代の正岡子規の俳句など、『梅の花』を詠んだ句は枚挙にいとまがありません。
平安時代の歌人・藤原定家は「大空は梅のにほひにかすみつつ曇りも果てぬ春の夜の月」と情緒あふれるスケールの大きな歌を詠んでいます。
日本を象徴する花といえば「桜」が思い浮かびますが、「梅」もまた日本人の精神性を表わす花のひとつといえるのではないでしょうか。
国内には梅の名所といわれる場所がたくさんあります。有名なのは「水戸の偕楽園」「東京の湯島天神」「京都の北野天満宮」などが挙げられます。
全国的に有名な梅の名所ではありませんが、私の先祖が眠る菩提寺の境内にも梅の木が植えられています。
この季節にお墓参りに訪れると、蕾から三分咲き、五分咲き、満開と美しい花が見られるのが毎年の愉しみです。
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