今年の10月29日の下野新聞の一面。
あの群馬県の「八ッ場ダム(やんばだむ)」同様、いったんは「建設凍結」となったものの、
政権が変わって「建設再開」となったダムが栃木県にはあります。
鹿沼市にある南摩ダムです。
まだ水が溜まっているどころか、これから着工・・・という何も無い状態なんですが
私が心を揺さぶられた一行がありまして・・・それが「来月、展望台公開へ」の部分。
まだ完成する前から、その建設の模様を一般の人にも見てもらおう・・・
いやいや、時代、ですな。
元々、私は「ダム反対論者」でした。
きっかけは「テレビで見たダム建設闘争」の話でした。
岐阜県に徳山村という山村がありました。
その村がダム建設によって「村自体がなくなる」というもので、当時の反対運動の姿をニュースで見て
私はショックを覚えました。
自分の住んでいる故郷が水の底に沈んでしまう・・・そこまでしてダムは必要なのかって。
結局、現在では徳山ダムという大きな水がめが完成して、村は廃村になっております。
ずーっとそれが頭にあって、ダムにはなぜか抵抗感がありました。
ですが、そういっても、ダムは完成しました。水が入ってます、壊すことはできませんし、人が戻ってくることもできません。
流れが変わったのは「ダムカード」の登場でした。
できてしまったダムを多くの人に親しんでもらう方法・・・それがダムマニアの声から生まれた、2007年度から配布の「ダムカード」。
なかなか存在は知っていても、ダムに行くことなんてなかったのですが、ふらりと寄ったダムの展望台をきかけにもらった1枚のカードから、その抵抗感がなくなるという不思議。
「できてしまったものを反対してもどうにもならない」
それがダムに関する意識の変化の一因だったのかな。
栃木県では湯西川ダムも気づいていたら完成してしまって、本当は「建設前の水没地域」を訪れる計画まで立てていましたが、失敗。
・・・で、今回の「南摩ダム」も・・・気づいたら、着工前準備工事はすでに始まっていた、という。。
ただ、ダム本体はこれから工事が始まる。
つまりは水没地域をいまなら少しだけ走ることができる。
ダムカードももらえる? 完成前のダムを展望台から見られる?
そりゃ、行くしかないでしょ
ダムの展望台の一般お披露目は11月1日から。
しかし、私には予定が入っておりまして・・・まぁ、年内に行ければなぁ・・・って思ってましたが
思ったよりも早く・・・11月15日に、紅葉観察の後、一路、鹿沼市へ行っちゃいました。
まず寄ったのは「まちの駅・新鹿沼宿」
ここに寄ったのは意味がありまして・・・
ダム建設現場への地図をもらって道の確認するためです。
地図でいうと、このあたりのようです。
・・・
ではダム建設地に向かいます。
目印は県道177号線。
あ、分岐点。
まっすぐ直進すれば「ダム展望台」
ですが、先に左折しまして、小学校方面へ。
こちらが「旧道」ということになります。
普通に家が建っていますが
なんか見えてきました
はい、一般車はここまで。
この先はダム建設用地。
この先に人が住んでいましたが、いまは立ち退いて移転しています。
県道もここまで。
バスも、手前で折り返し。
あのトンネルは水路のためのものでクルマは通れません。
行きどまりなので、Uターンして、手前の小学校まで戻ります。
ここからはダムは見えないようです。
旧道を先ほどの分岐点まで戻りまして、今度は「新道(付け替え道路)」を走ります。
坂をどんどん上がってゆきます。
地味ないろは坂ってイメージの道。
やがて・・・
・・・でトンネルを抜けると・・・
そこは「雪国」・・・ではなく・・・
いきなりダム建設建設地の上に。。。
ここに南摩ダムの「天端」ができるようです。
あ、ひょっとして・・・
着いた?
着きました。展望台に・・・
すでに数台停まっていました。
そういえば、自転車で上がってくる人、追い抜いたっけね。
多くの業者が工事に関わり役割分担していることがわかります。
11月1日の展望台一般公開の初日にはダムカードはここで配布されたそうです。
まちの駅・新鹿沼宿に立ち寄った理由、わかったでしょ?
彼女が真っ先に気づいた札。
上がるときに白→赤へ
はい、展望台へ
展望台からの眺め
展望台の定員は25名。
変わってゆく様子が写真で見られます。
わかるかな、これがある場所・・・
上流部分はまだクルマが走っています。
付け替え道路がまだ工事中であることがわかります。
これを見たら、あそこ、走りたいでしょ?
来た時より増えた
右側通行でおります
戻します。
・・・で
水没区間をこれからちょこっとだけ走ってみます。
左折をして坂を下り、ダム底部分へ
振り返りますと・・・
先ほどまでいた展望台のブルーが見えます。
ここが水没地域です。
右に旧・県道177号線が残っています。
・・・でこの先、ずーっと上久我方面に進んだのはいいものの・・・
どこまでが水没地域になるのかわからず、峠を越えたところで引き返し・・・
途中、現れたダム関連工事の場所に戻ります。
左端にトンネルと、道路があります。
これが付け替え道路でしょうか?
たぶん、こっちの方が低いので、ここも水没エリアかなと。
あれ、右の上に道路が。
どっから通じているのかな?
いや、どこに通じているのかな?
途中、害獣駆除の一行に遭遇しましたが、それ以外は何もありません。
実は、新聞記事によると、2008年にはすでに住民の移転は完了していたとか。
どうりで廃屋の跡形もないはずだ。
旧道との分岐点に戻ってきました。
上に見える橋が建設中の「付け替え道路」県道177号線です。
展望台を通過。
下界に戻ります。
再び、まちの駅・新鹿沼宿。
ダムカードゲットです。
あと・・・
500円以上のお買い物をしましたので「栃木パスポート」のスタンプもゲットです。
※毎月先着20名に「おもてなし」としてプレゼントもありますが、この日はすでに終了でした。
・・・で買った物が・・・
「食べられる鹿沼土」(土みたいなお菓子です)
今年の4月に試作品が完成、という話題を新聞で見かけたのがきっかけで
「どこで売ってるのか」ずーっと気になっていたのものだったのですが
せっかく鹿沼に来たのですからお土産に。
鹿沼土。
栃木では当たり前に馴染みのある園芸用の土。
ちなみに私が買ったのは「製造業者4店目の」イシグロさんバージョン。
建設中の「南摩ダムカード」ゲットです。
※、マンホールカードはすでに収集済みのものです。
来年には付け替え道路も完成し、いまとはまた違った風景になります。
ダムの完成は5年後。
先に長いですが、少しづつ、これからもダムの道のりを追ってゆきたいと思います。