「生命保険の「罠」」
後田亨著、講談社+α新書、2007年11月
大手生命保険会社の歩合制の営業職を10年努め、保険代理店として独立した著者が、
保険営業の実態を明らかにし、保険商品を解説した本。
国内大手・外資大手・ネット大手など、各保険会社の実名を挙げて、
ここまで書いてよいのかと思うくらい、内情や顧客対応を記しています。
覚えておきたい箇所:
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第1章 「一生涯」とは106歳!?
・生命保険会社は、一生の長さを統計よりも長く設定し、保険料を算出している
第2章 「おまけ」で釣る
・「お祝い金」は保険料に上乗せされた金額
・「定期特約つき終身保険」は保険会社が大きく勝てるギャンブルを仕掛けている商品
第3章 「極論」に振る
・「保険金が支払われた」体験を披露
・公的保険でカバーされる金額はないものとして、万が一の際の金額を提示している
・保険金が支払われる事象が起こる確率には触れず、最悪のケースだけが提示される
第4章 お客様を「信者」にする外資系
・外資系保険会社は「従来の保険販売のあり方」に対する疑問を投げかけてくる
・保険には、①「定期保険」と、②「定期保険」に「満期金」たついたものとの2種類があるだけだが、
お客様には「定期保険」「養老保険」「終身保険」の3種類があると説明されるためわかりづらくなる
第5章 進学は「万が一」起こることなのか?
・保険の存在価値は、「多額の出費」「大幅な収入減」に対応することに尽きる
第6章 「○○コープですか…?」
・営業担当者に「あなたは、お勧めの保険に入っていますか?」と聞いてみる
第7章 プロが入っている保険
・保険会社の従業員の保険の加入の仕方は以下の2つ
①高利回りで貯蓄性が高い保険は、「保険だと思わずに」大事に続ける
②万が一に備える保険には、「貯蓄性など期待せずに」ひたすら低料金のものを利用する
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以前は保険会社の営業職員が、オフィスのフロアに自由に出入りし、
まだ保険の仕組みがよく分かってない若手社員を捕まえて営業していました。
自分もそこで捕まった一人です。
外資系の保険に現在も加入し続けています。
貯蓄性が高い保険ですが、保険金や返戻金の形で支払われてみないと、
加入して良かったのか悪かったのか分かりません。
今はオフィスのセキュリティが厳しくなり、自由に出入りできなくなっていることが多いので、
保険会社の営業職員も大変だと思います。