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考える虎

2021-09-11 08:30:00 | 読書




「考える虎」
矢野燿大著、ベースボール・マガジン社新書、2011年3月

現阪神監督の矢野が現役引退直後の2011年3月に出版した本。

金本が阪神の監督になった時は、
その次に矢野が阪神の監督になるとは思いませんでしたが、
球歴を振り返ると、

・主なポジションは捕手で、内外野の経験もあり
・桜宮高校・東北福祉大学では野球部キャプテン
・レギュラーで試合に出続けた時期もあれば控えだった時期もあり
・阪神がBクラスの時期もAクラスの時期も在籍

など、様々な経験を積んでおり、監督にうってつけの人材です。

著者が捕手経験者で、本のタイトルに「考える」とついている割には、
技術・作戦の話は少なく、野球を通じた人との出会いや気持ちの面の話がほとんどです。

侍ジャパンでコーチを務めていた清水雅治は、
矢野が阪神の監督に就任とともに一軍ヘッドコーチとなり、現在は二軍野手総合コーチ。
矢野より4歳年上で、両者が中日の選手だった時代に家族ぐるみの付き合い。

野村監督については、監督と選手の関係だった時は、
ボヤキを連発されて素直に聞けないこともあったが、
後になってから、もっと聞いておけばよかったと思ったそう。

星野監督は鉄拳制裁もあったが、心配りもあったとのこと。

野球が東京五輪の前に正式競技だった2008年の北京五輪。
準決勝韓国戦でのG.G.佐藤のエラーが今年再び取り上げられていましたが、
矢野もその試合でスタメンマスクをかぶっていたそうで、
その時の苦い記憶のことも書いてあります。

金本とは同じ年ですが、金本が一浪しており、東北福祉大学では矢野が1年先輩。

新人としてプロ入りした球団は金本が広島、矢野が中日ですが、
プロ後半は阪神で共にプレーし、順番に阪神の監督になるという、
他では聞いたことのない関係性です。

藤川球児と清原の話も出てきます。
清原が藤川のフォークで三振した後下品な言葉を残し、当時話題になりましたし、
昨年藤川の引退試合で清原がコメントを寄せて笑いに変えていました。
その時の捕手が矢野。

阪神ファンの声援は支えになったが、弱かった頃のヤジはキツかったそう。

筋ジストロフィーと闘病する少年との交流をきっかけに、
ボランティア活動も行っているとのこと。

最後に生え抜き選手を育てることの大切さを訴えており、
いま監督として実現させています。

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