「ずる 嘘とごまかしの行動経済学」
ダン・アリエリー著、櫻井祐子訳、早川書房、2012年12月
「予想どおりに不合理」
「不合理だからすべてがうまくいく」
に続いて、行動経済学研究の第一人者、ダン・アリエリー氏の書籍を購読しました。
タイトルに「ずる」「嘘」「ごまかし」とあるとおり、
経済的な不正行為を犯し、正当化してしまうからくり、未然に防ぐ方法などが書かれています。
・現金そのものをごまかすことは少ないが、モノや現金との引換券など現金から一歩遠ざかるだけでごまかしが増える
・用紙の上部に署名をした方がごまかしが少ない
・ゴルフはだれをも嘘つきにしてしまうスポーツ
・歯医者が患者にとってベストなことをするのではなく、自分の利益になるような忠告や決定を行ってしまうことがある(利益相反)
・利益相反は医療や金融業で蔓延している
・創造的な人ほど、自分の利己的な利益を正当化するし、創造性が職務内容に含まれるとき「やっちまえ」と思いがち
・自分と同じ社会集団のだれかが許容範囲を逸脱した行動、自分の道徳的指針を微調整してしまう
など、誰しも経験がありそうなちょっとしたごまかしの数々について、
ユニークな実験・結論・著者自身の体験でまとめています。
自分のずるの実例は・・・書きません。
本書もいまは文庫版が出版されています。
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