「理由」
宮部みゆき著、新潮文庫、2004年7月
北千住のタワーマンションで一家四人殺人事件が起きた理由を解き明かす社会派ミステリー。
宮部みゆきは本作で直木賞を受賞しました。
明確にこの人が主人公という人物はおらず、
物語にそれなりの役割を果たす登場人物が多いです。
それぞれの人物の生い立ちや性格も描かれているため、
リアリティが増しますし、作品の奥深さも感じます。
また不動産の競売の解説に結構なページ数が割かれており、勉強になります。
文庫版は2002年朝日文庫から出版され、そのときに初めて購読しました。
さらに2004年新潮文庫からも出版され、気づかずに買ってしまい、
読みはじめて最初の方の、雨の降りしきるマンションのシーンで「あれ?」と思い、
本棚を見て既に読んでいたことに気づきました。
そして今回3度目です。ちなみに新潮文庫版を読みました。
どちらを読んでも本編は同じです。
上の写真は左が朝日文庫版、右が新潮文庫版。
本編の最終ページは676ページ。
一般的には長いですが、宮部みゆきの小説としては中くらい。
宮部みゆきの小説は2冊以上に分かれている作品も多く、
「模倣犯」は5巻、「ソロモンの偽証」は6巻まであります。
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