2013-23
「2012年本屋大賞第一位」だそうだ。
ベストセラーとは知っていたし、辞書作りにまつわる話と聞いていたから、硬い話だと思っていた。。。
ものごとに集中してしまうと周りが見えない馬締(まじめ)は、その凝り性の性格から新しい辞書作成の部門に抜擢されてしまう。長い年月をかけ、一つ一つ用語を吟味しながら辞書作成が進む訳だが、その途中に挿入される様々な出来事に触れられる。下宿先のおば . . . 本文を読む
2013-22
2009年に世間を騒がせた酒井法子の覚醒剤事件と押尾学の合成麻薬MDMA事件。
この2つの事件から書き出されたこの本は、人が依存してしまう薬物を、覚醒剤、麻薬から睡眠薬まで広く網羅している。
・覚醒剤は麻黄(植物)から抽出されたエフェドリンなどを原料とした化合物であり、太平洋戦争の始まる2016年、大日本製薬からヒロポンとして発売された。「突撃錠」として特攻隊員に飲まされていた . . . 本文を読む
2013-21
「世界に良い影響を与えている国」(BBC放送調査2006)
「15-20歳を対象として最も好きな国」(中国の新聞社2010)
「3年連続ベストツーリスト」(オンライン旅行会社エクスペディア2009)
このような調査で日本が上位を占めることに加えて、ゴッホやルノアールが好んだ浮世絵から、「アタックNo.1」「キャプテン翼」、そして「ドラゴンボールZ」などのアニメまで、どれだけ世界 . . . 本文を読む
2013-20
若くして脳卒中から高次機能障害をきたした元整形外科医の自伝書。
目の前の物を手に取る、障害物にぶつからないで歩く、といったことには距離感を測ったり、空間に注意を向けたり、といったようなことを無意識に行っている訳だが、こういったことへの全般的な障害を高次機能障害と言っている。もちろん記憶障害も含まれるし、著者の場合はさらにてんかん発作も伴っている。
この本にはかなり細かなところ . . . 本文を読む
2013-19
浅田次郎の2冊目。
地下鉄をめぐる人生の悲喜こもごもを綴った作品、と予想していたが、見事に裏切られた。
戦中・戦後を乗り越え事業家として成り上がり、愛人を囲う父に反目し、自殺した兄と家を飛び出した主人公真次。地下鉄ストアのさびれた問屋で働くある日、地下鉄の入り口から過去へタイムスリップしてしまう。ちょうどそこは、兄が死を選ぶ直前だった。
こう書くと、何とか自殺を食い止めそれによ . . . 本文を読む
2013-18
東京裁判でただ一人の文官として処刑された広田弘毅の一生を描いた一冊。城山三郎氏の代表作とされ、吉川英治文学賞を受賞している。
石屋のせがれに生まれた広田は、出世欲を持ち合わせず、「自ら計らわず」の信念のもとに、たとえ陽の当らぬ場所でもたんたんと目の前の仕事をこなしていた。
そしてこの態度と誠実な人柄を備えて外相となった彼は、悪化していくソビエトや中国と何度も会談を持ち、武力を避 . . . 本文を読む
2013-17
この作家は全くの興味外だったので、純日本文学の作家、
その一方で倒錯や背徳の世界をまとわせて耽美にあふれた
女性を描く、などという漠然としたイメージしか持ってい
なかった。そんな矢先、この短編集を見つけたときには興
味深々だった。
だがあの江戸川乱歩が、当時の谷崎ほど刺激的な作家は
いなかったいうぐらいなので、日本の推理小説にも大きな
影響を与えたのは間違いないらしい。
. . . 本文を読む
2013-16
このふたりは危険だろう。。
発禁本じゃないのか。
と思ってみても、堂々と新刊コーナーに積まれている。
切れ者佐藤優氏と常に切れている(少なくとも絵の中では)サイバラ。
やっぱり帯にも「最凶コンビの不謹慎&過激コラム」と宣伝されていて、のっけから下ネタが飛び交う。
週刊新潮に連載された「週刊鳥頭ニュース」の文庫版で、お題は「国連軍縮週刊」「天安門事件」といったお堅いものから「 . . . 本文を読む
2013-14
太平洋戦争を回避するチャンスはこんなにあったのに。。。
・昭和16年、政府が設立した「総力戦研究所」に全国からエリート青年を集め、その模擬内閣が出した結論は日本必敗だった
・「虎穴に入らずんば虎児を得ず」の心持ちで木戸幸一と天皇が東條英機を首相にし、主戦論を唱える陸軍を抑えようとした
・ドイツ軍がソ連侵入したとき、日独伊三国同盟を破棄して中立政策をとろうと近衛文麿が . . . 本文を読む
2013-13
いつもどれから手をつけようか迷っていた浅田次郎の作品。
ブクレコのレビューをみてあれもこれもと候補には挙げて
いた矢先、本屋でこの本を見つけた。
小説の名手は怪談の名手でもある、と常々思っているし、
ホラー系はまさしく私のストライクゾーン。
ということで、初めての浅田次郎作品がこれになった。
霊験あらたかな山中で、神主が霊と対峙する話が最初と最
後に載せられている。
山奥での . . . 本文を読む