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「壊れた脳も学習する」 山田規畝子 著

2013-05-06 22:07:02 | 今日の一冊
2013-20

若くして脳卒中から高次機能障害をきたした元整形外科医の自伝書。

目の前の物を手に取る、障害物にぶつからないで歩く、といったことには距離感を測ったり、空間に注意を向けたり、といったようなことを無意識に行っている訳だが、こういったことへの全般的な障害を高次機能障害と言っている。もちろん記憶障害も含まれるし、著者の場合はさらにてんかん発作も伴っている。

この本にはかなり細かなところが書かれているので、一般の人が読み進めて行くのには結構時間がかかるのではないだろうか。
医者を含め、リハビリテーションに携わるものにとっては、患者さんが日常生活の不自由さをどう具体的に感じているかを医療関係者に共通の言語で表してくれるから、さらに腑に落ちやすい。特に、判断に迷ったときや意志を確認するときなどに、機能が残っていて話しあうことのできる前頭前野を「前子ちゃん」と名付けたのは、この著者ならではの貢献だと思う。
日常生活の各々の場面(食事、洗顔、トイレ、入浴など)に分けて、索引でもつければ、実用的な辞書代わりにもなるのではないだろうか。
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