珍珠茶日記

中国・台湾への旅行記など。

2008 西双版納への旅 -雲南民族村

2008年05月24日 16時45分39秒 | 雲南旅行
【2日目 雲南民族村】

朝8:15。タクシーで民族村へ向かう。思いの外、朝の昆明は渋滞しており、1時間もかかった。民族村の入場料は70元。門の側には様々な民族衣装を着たガイドさんたちが立っているが、皆キツイ表情をしている(笑)。少数民族の純朴て穏やかなイメージとはおよそ違う感じがするが、まあ、こんなもんだろう。
民族村は、雲南省に住む少数民族の暮らしを観光客向けに紹介するテーマパーク。敷地内には25程の民族、あるいは民族のグループの村があり、その中で少数民族出身の人たちが、主に歌や踊りなどの出し物を通して民族文化を紹介している。雲南省の少数民族の村々は、アクセスの困難な奥地にある事が多く、短期間にそれらを周ることは不可能。その点、ここ民族村では、一度に多くの少数民族の人々と接することができるので、足を運ぶ価値は充分ある。


今回、ここで多くの村を周ったので、より記憶に残ったところをいくつか記述することにする。


<ジンポー族>
チベット族の村の行くつもりだったが、近くのジンポー族の村で民族舞踊が始まりそうだったので、立ち寄る。この民族は、雲南の南西部やミャンマーからインドのアッサムにも住居しているとの事。
正装のためか、非常にファッショナブルな雰囲気。
黒と赤を基調とした女性の衣装には、胸のあたりに大きめの鈴のような飾りものが沢山付いている。刺繍の入った帽子も美しい。装苑などの雑誌に彼らの衣装が紹介されていても、違和感なく受け入れられそう。
また、大きな扇子やバンダナなどの小道具を取り入れた彼らの踊りもユニーク。
たまたまこの村のコンパニオン/ダンサーさんたちがそうだったのかもしれないが、男の子も女の子もみな陽気で愛嬌があり、メリハリのある顔立ちでなかなかハンサム。
一人ショートカットで可愛らしい女の子がいたので、写真を撮らせてもらえないかお願いしたら、笑顔でOKしてくれた。

竹を切って作った小さい器で、米で作ったのみもの(酒?)を飲ませてくれるコーナーがあったので、一杯頂くと、少しカルピスの様な味がした。



<納西族>
今年の正月旅行の際に訪れた麗江。その様子をもう一度見たくなり、納西族の村を訪れる。麗江古城の四合院を再現したと思われる建物の中には、民族衣装の展示や、土産物のお店があり、黄、青、赤の綺麗な色合いの納西族の衣装の女の子たち数名待機している。納西族は独自のトンパ文字という絵文字の文化を持っている。
土産物店でトンパ文字の書かれたネックレスを見つけ、あれこれ触っていると、女の子が一人近寄ってきて、文字の意味をいろいろ説明してくれるので、あれこれ迷ったあげく、”願いが叶う”という意味のものを一つ購入。
女の子は日本に興味があるらしく、日本語も少し話す。しばし彼女と談笑。「トンパ文字が判るの?」と訊いてみたら、彼女は笑って首を振り、「店に虎の巻きがあるから、調べれば意味は判るけど、言葉は判らない」。 納西族の若い子達は、トンパ文字よりも日本語や他の外国語を習う事に興味がある様だ。
優しい表情の彼女。写真を撮らせてもらい、笑顔で別れる。

この納西族の村の建物は、演劇セットの様なものではなく、麗江古城にの建物そのものという感じの本格的なもの。
その空間にいると、まさに古城の中をのんびり散歩しているかの様な気分にさせられた。



<白族>
白族の村は人気が高いらしく、敷地も他の民族のものよりも広く感じられる。納西族の村同様、白族の村も雰囲気たっぷり。大理三塔のレプリカさえある。”白”を大切な色と考える白族の人たちの住む大理は、やはり白がベース。
白壁、石畳の街に、赤と白から成る女性の民族衣装も美しい。

舞踊が始まるまで少し時間があったので、そばにある「民族風味」の店で、軽く麺の昼食を取る。が、料理はどうやらマイクロウェーブのものと思われ、味がない。店員さんも、こちらが中国語が下手な外国人だと判ると、露骨に嫌そうな対応をみせる。

待ちに待った舞踊の時間になり、民族衣装の男女が登場。若い男の子達は陽気でエネルギッシュだが、肝心の女の子たちは、照れれているのか、疲れているのか、あまり楽しそうではない。優雅な衣装と踊りであっただけに、やや残念。

<ワ族>
男は上半身裸で隆起した筋肉を誇示し、女は丈の短いへそ出し衣装で赤と黒。共に浅黒い肌で、長髪を振り乱し、太鼓をバックに叫び声を上げ、野生的でセクシーな踊りを披露していた。かつては首狩りの風習があったというワ族は、その時も同じワ族の女性を捕まえて、男で取り囲み、連れ去っていく”生け贄”パフォーマンスも行っていた。そのワイルドなイメージとは裏腹に、実は大変クレバーな人たちの様で、観客を舞台に上げての自分達のぼさぼさ髪をくしで梳かせたり、笑いを交えた楽しいショーで客席を沸かせていた。ショーに集まる観客の数も、他の民族の村に比べて多い。
メリハリの利いた司会をする進行役の女性も頭の回転が速そうで、さしずめインテリな野人という雰囲気。ワ族は雲南南部に住むそうで、声が大きく陽気で賑やかな雰囲気だった。

<回族>
回教(イスラム教)を信仰する回族の人たちの村には観光客の姿がなく、周りは静まり返っていた。村の入り口に頭ににイスラム教の頭巾を被ったコンパニオンの女性が一人、憂鬱げに椅子に腰掛けて番をしているのみ。

狭い敷地内には、集会場ほどの大きさの、祭壇のある建物があった。
恐る恐る中をのぞいてみると、コンパニオンの女性が近付いてきたので挨拶をする。
観光客相手のアトラクションの多い他の民族の村とは違い、ここには特に展示物なども無い。まじめな回教の人たちが集まる、村の小さな集会場そのものといった雰囲気。
やや躊躇しながら建物へ入ってみると、どこからかモスリムの男性が現れ、地面に身を伏せ、一心不乱にお祈りを始める。出口には先程の女性が立っており、陰気そうにこちらを見つめている。
仕方なく、見るものもない建物の中を一周歩いて、外に出ると女性は深いため息をつき、何処かへ去っていった。

客寄せの舞踊ショーを見せたり、食べもの店や土産物コーナーを持つ民族の村が大半を占めるなか、在りのままの民族の文化を伝えようとする回族の人たちの村は特異な場所。だが、彼らは、「ここは民族村でしょう?本当に正しいのは私たちではないのですか?」そう語りかけている様に思えた。

--------------------------------------------------------------------------------------

民族村のコンパニオンやダンサー達は、概ね10代から20台半ばまでの男女の様。村は休暇中の中国国内の旅行者、家族連れや、遠足の小学生で溢れていた。
ジンボー族の人たちの様に、観客に一生懸命、民族文化を伝え様とする村がある一方、土産や食べ物を売りつける事に懸命のしつこい村や、ほんまに少数民族の人?と疑いたくなる様な、ケバい雰囲気のガイドさんの姿も目に付いた。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿