カウカウ日記

京都府綾部市にある牧場、“ビッグツリーファーム(酪農)”の、牧場スタッフによる、カウ(牛)をカウ(飼う)日記です。

久しぶりに見た外国人

2007-02-05 14:10:47 | 牧場日記
昨日、N牧場さんのところに外国のえらい人が来るというのでおじゃましました。その方は栄養コンサルタント専門の方で餌の話がほとんどでした。栄養素の話は私には難しくて・・・例えば繁殖で種がつかないのは何とかという成分が足りないとか、バイパス脂肪は吸収が・・・とかよくわかりません。実際、餌の過不足については気にしながら仕事をしていますが餌の内容は決められた種類の餌を決められた量で作っているだけです。なぜ発酵飼料を入れるのか、その発酵飼料は内臓のどの部分で吸収されどんなふうに牛の中で働くのか、配合はどんな栄養成分が含まれ、草では足りないどんな栄養成分を補っているのか・・・もっと言えば、私は牛という動物が草以外の物を食べるなんて知りませんでした。しかし、もともと牛は草しか食べなかったんじゃないかなぁ、と調べもしていないのに勝手に思っています。仮に原種の牛が草しか食べなかったとします。いくら改良が進んだって牛の体の構造自体はさほど変わらないはずです。ということは草を消化するのに一番適した体のはず。良質な草をやっていれば牛の健康は保たれるのでは・・・。そのえらい外国人の人は牛を健康に飼う事、が重要だと言っていました。当然なのですがそのために添加剤を使ったりしなければいけないのはなんだか違うような気がします。配合は大量の乳を出すためには必要な物かもしれませんがどうにか草だけで飼えないものか、と思ってしまいます。少量の乳で長く飼える牛・・・。牛は配合を好んで食べますが、弱っている牛は配合は食べません。草を食べます。うちはTMRなのですが草だけを足すこともあり、そのとき混ぜた餌よりも草のみのほうが幸せそうに食べている気がします。配合を極限まで少なくし、草で乳を出す。そういう牛に変えていくことが大切なんじゃないかな。そうすれば病気も減る、薬を使わなくて済む、とか好循環になるのでは、と昨日の話を聞いていて思いました。昨日の話はいろいろ難しい栄養素の話がありましたが、その外国の人も結局は「良質の草を与えるのが一番」と言っていました。牛は草食動物、だから草をやれば良い。というまさに単純明快な結論です。とってもよい勉強になりました。Nさんの所に行くと必ず思う事ですが勉強不足だな・・・と。餌について興味はあります。栄養素がどんなふうに牛の体内で働くのか・・・とても興味があります。あの外国の人のようにいろいろ勉強した上で結局は草だ、といえるようになりたいものです。