Ball Game Mania 節丸裕一のブログ

2006年1月1日スタート!! 放送や取材の現場で、見て、聞いて、感じたことを、思うままに綴っていきます。

 松井に続いて井口も… 

2006年01月08日 |  -WBC-

ホワイトソックスの井口、WBC出場辞退。

今朝のスポーツ各紙の報道で、皆さんすでにご存知でしょう。

井口は、
1年目以上に2年目は結果が求められること、
2番ではなく中軸を打つために
キャンプ、オープン戦を通じてアピールしていきたいこと、
などを辞退の理由に挙げていたようです。

王監督が怒った、という報道もありましたが、
井口は王監督の愛弟子。
おそらく、本人が一番苦しんだ上での結論だったと思います。

王監督も話していた通り、
「出るか出ないかは本人が決めること」
状況を考えても、誰も彼を非難することはできないと思います。

でも、
井口の辞退の理由はそれだけではなかったようなのです。


球団から「WBCに出るな」とは言われなかったものの、
「キャンプに出てほしい」と言われた
、ということ。
ギーエン監督もベネズエラ代表監督を辞退したこと。

つまり、チームからのプレッシャーがあったようなのです。

去年の暮れにヤンキース松井秀喜が出場を辞退したときも、
ヤンキースからの圧力が指摘されました。

サッカーにあって野球にない、
トッププロが参加しての国別世界一決定戦。
世界中で大勢の野球ファンが待ち望み、ようやく実現しました。

それも、MLBの主導で、様々な問題を解決しないまま、
半ば強引に実現にこぎつけた大会です。

にも関わらず、
一部の球団が大会の妨害ともとれるプレッシャーを選手にかける。
僕は、こういうチームを許すことはできません。

王監督が、
「WBCの理念が全体的に理解されていない。
『球界発展』と『国のために戦う』ということ」
と話していましたが、
それは日本の選手よりも、
MLBの機構や、球団幹部にこそ言えるのではないでしょうか。

3月という開催時期のための調整の難しさはもちろん、
投球数制限などの特別ルールも検討され、
真剣勝負としては疑問符が残るのも確かです。
大会がMLB機構と選手会の主導で行われ、
大会収益の分配方法などは早くから批判が続いていました。

そこへきて、ほとんどの人が予想もしなかった事態も起きています。
①アメリカ財務省がキューバ選手の入国を拒否。
②キューバの参加が認められなければ、
 IBAF(国際野球連盟)が大会の認可を取り消すとMLBに通知。
③キューバの参加が認められなければ、
 プエルトリコは1次リーグの会場返上を辞さず。

アメリカ政府は何を考えているんでしょう。
「国交断絶中で経済封鎖しているキューバに大会分配金が渡る」
というのが理由ですが、
キューバ側は
「分配金は昨夏の(ルイジアナ州などを襲った)ハリケーンの被災者に寄付する」
と明言しているのです。

こうした事態もMLB側の落ち度と言っていいでしょう。

僕は去年のホームページのコラムでも、
WBCの大会意義を訴えてきました。
これだけ問題があっても、その気持ちは変わりません。

1回目がなければ、2回目、3回目はないのです。
まずはこの大会をできる限りを尽くして成功させ、
多くの問題点は2009年に予定されている次回大会に向け、
解決に努めるしかないと思います。

歴史的な一歩となる3月のWBC。
まずは、キューバ問題の解決と、
日本のベストに近いメンバー編成を願わずにはいられません。




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