Ball Game Mania 節丸裕一のブログ

2006年1月1日スタート!! 放送や取材の現場で、見て、聞いて、感じたことを、思うままに綴っていきます。

 WBCを振り返って~#1~アメリカは弱かった 

2006年04月03日 |  -WBC-
王JAPANが初代世界一になって幕を閉じたWBC。
その興奮から、あっという間に2週間です。

ようやく休みができたので、
僕なりに第1回のWBCを振り返ってみたいと思います。


僕も1月半ばのブログに書いた通り、
前評判では、アメリカ、ドミニカ共和国、ベネズエラが3強とされていました。
これはそっくり現役メジャーリーガーの出身国の上位3カ国です。

メジャーリーガーが本格的に参加する初めての国別世界一決定戦、
僕もメジャーリーガーを中心にこの大会を見ている部分がありました。

島村さんから「今のメジャーは大したことはない。キューバが強いはず」
と何度も言われましたが、
メジャーのスーパースターが揃えば、アマチュア世界一のキューバは敵ではない、
と思っていました。

ところが、ドリームチームのアメリカは惨敗。
ドミニカ共和国とベネズエラは「らしさ」は見せたものの、
決勝までは残れませんでした。

僕は大会期間中、一度も“チームUSA”の取材ができませんでしたが、
テレビを通して試合を見続けて、
僕は「アメリカの“実力”はこの程度だった、
いままで過大評価していた」と思っています。
個々の選手は素晴らしい技術と実績を持ち、
人間性も含めて“一流”と呼べる選手がたくさんいました。
野球は比較的、個々の力がチーム力につながりやすいスポーツだけに、
アメリカの力は相当なものと思っていました。
でも、やっぱり野球はチームスポーツなんですね。
チームとしての完成度は決して高くはなかったと思いますし、
マルチネス監督をはじめ、一部の選手に、品位に欠ける言動もありました。

アメリカに限らず、WBCでの個々の選手のプレーは、
レギュラーシーズンで見る姿よりキレがなかったりした部分はあります。

「アメリカはWBCを“お祭り”か“調整”程度にしか考えていない」
という指摘も大会前からありました。
でも、そうだとしたら、プロとして最低です。

いずれにしても、真の世界一を決める大会で、ホスト国のアメリカに、
「準備不足」という言い訳は許されないと思うのです。
“運”で負けたようなこともない、
しかも、審判の判定があれだけ味方しても、3勝3敗。
「準備」も含めて“実力”ですから、
今回の結果がアメリカの実力だと考えていいと思います。

野球と言うスポーツは何が起こるか分からない。
短期決戦ならなおさら。
そして国際大会はその究極です。

今回の“チームUSA”は3勝3敗。
試合内容や個々のプレーを振り返っても、
世界屈指なのは確かですが、世界のトップでないことは明らかでした。

2009年にアメリカがどういうベースボールを見せてくれるのか、
今度こそ期待したいと思います。


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5 コメント

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代表チームは「オールスター」ではダメ (Ryo Ueda)
2006-04-04 21:42:30
まず、監督の選任が失敗だったと思います。あれだけの顔ぶれを統率するためには、それなりの実績と能力がある人でなければ。2000年のシドニーではラソーダが監督を務めて成功したわけですし、現役の監督でなくても、デーブ・ジョンソンとかルー・ピネラとか、それなりの人物はいたのでは。少なくともバック・マルティネスがその器だったとはとても思えません。

国際大会で勝つためのモデルケースがやはりキューバ代表でしたね。長期的な育成計画で育てられたチームの強さがありました。日本もトーナメントや短期決戦に高校野球でなれている選手が多いという点で、勝ち残る要因はあったと思います。

ちなみに、92年バルセロナのバスケット「ドリームチーム」は、ピストンズを王座にのし上げたドン・ネルソンでしたね。まあ、やはりNBAはきちんと「お手本」を示していたわけです。
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アメリカは驕りがあったのでは? (高橋)
2006-04-05 00:45:44
なんだかんだ言っても思い上がっていたんでしょう。

全員が真剣にやっていたとは思えません。

WBCはJsportsで楽しませていただきました。やっぱり節丸さんの実況が最高で、日本戦のほかはドミニカとかベネズエラを担当されていたようですが、アメリカやプエルトリコの試合も担当して欲しかったです。(そしたら体が壊れちゃいますかね・・・)

これからはMLBと日本のプロ野球の放送を楽しませていただきます。

がんばってください!!
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準備不足も想定内では? (やんけ)
2006-04-05 02:06:01
たしか松井秀もコメントしてた気がしますが、アメリカチームは直前になってのキャンプ合流と、調整不足はそもそも明らか。それに選手を均等に使うことに監督が頭を悩ませているようでは、チームの体などなしていません。きっとその状態でもそこそこ勝てると思ったのでしょうが、実際は各国それほど実力差はなかった、ということでしょう。



本気度が足りない、ここをピークにすべき、そうでない選手はプロとして失格…とみなすのは極論で、それを求めたら開催できなかったでしょう。誤審もトーナメントの単純さや不均衡も、あらゆる「グタグタ」は想定済みで、それでも始めたのでしたよね。



だからといって、日本優勝の事実が霞むわけではありません。他者の顔色を伺って価値を決める必要はない。ただし、日本も「メキシコの奇跡」と「苦戦の日々」をなかったことにしないで、思い出しながら初代王者としてふさわしい精進と発展に努めて欲しいと思います。あらゆるファクトは厳密に受け止めることが、次へのステップだと思います。
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おっしゃるとおり!! (節丸裕一)
2006-04-05 02:48:32
RyoUedaさん、高橋さん、やんけさん、おっしゃるとおりだと思います。

人選ミス、驕り、調整不足…すべて当たりでしょうね。僕が言いたいことを、今回は敢えて極論で書かせていただきました。

感じたこと、思うこと、書きたいこと…どんなに書いても書き足りませんが、

僕なりにまとめて、#1はチームUSAへの苦言から始めました。

#2以降に書こうと思っていたことをやんけさんにコメントされてしまいましたね(笑)。
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下品なことをしてしまいました..... (やんけ)
2006-04-05 08:54:47
気が先走っておりました。すみません(笑)。でも#2以降、楽しみにしております。



個人的には中継時に「WBCで活躍した」「WBCを辞退してまで」とかの枕は、もうカンベン、不要な感じがしています。

でも一回使ってしまおう。WBCを辞退してまで必死 に「場所取り」しようとしていた井口。早くも2戦目でスタメン落ち。緒戦で結果を出しただけに、本人のイライラは察して余りあります。便利屋から一歩抜けだられるかどうか、正念場の一年ですね。
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