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ローズ・イン・タイドランド

2006年07月27日 | 劇場鑑賞映画
映画「ローズ・イン・タイドランド」を観ました。

原題:TIDELAND
2005年,イギリス/カナダ,117分
監督:テリー・ギリアム
脚本:テリー・ギリアム、トニー・グリゾーニ
出演:ジョデル・フェルランド(ジェライザ=ローズ)、ジェフ・ブリッジス(パパ/ノア)、ジェニファー・ティリー(ママ/グンヒルド王妃)、ジャネット・マクティア(デル)、ブレンダン・フレッチャー(ディケンズ)
映画公式サイト

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一人の少女から見える世界を描く、幻想的でいて残酷で悪趣味なダーク・ファンタジー。

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すごかった・・・・
悪趣味すぎ!!!
テリー・ギリアム作品といえば、去年「ブラザーズ・グリム」を観たときはもっとダークにブラックに仕上げてくれても良かったのにと歯噛みしたものですが、今作は絶句して開いた口が塞がらないほどグロテスクでした。
「不思議の国のアリス」が大好きな、空想好きの女の子の目を通して観る世界なので、見える世界はファンタジックでポップで綺麗なんだけど。彼女が身を置いている”現実”が分かる観客側にはもう、下手なオカルトホラーよりも残酷に陰惨に映りました。
観終わった後、スパゲティナポリタンとか絶対食べられないほどに。

性犯罪、死体愛好者・・・・・ギリギリのラインで描いていたかと。よく映倫通ったなーと思いました。R-15指定ですが、18禁にしても良かったんじゃと思えるほどで~。
それでもこの映画が”ギリギリ”のラインを保っていたのは、主人公ジェライザ=ローズを演じてたジョデル・フェルランドが、12歳(撮影時はたぶん11歳)だったからだと思います。リアルに子役を起用してたからギリギリを保っただけで、本来ならもっともっとエログロ方面に突っ走ってたんじゃないかと。ていうかそういう部分は単に描かれなかっただけで、実際は絶対そうなってるでしょと!
もーホントやばくて。めちゃめちゃ色々想像できちゃって、一歩間違えてたら捕まってますよギリアム監督!と思いながら観てました。つーか半歩は間違ってた気がする(笑)。

10歳の少女ジェライザ=ローズはドラッグ常習者のパパとママと暮らしてます。
”休暇中”のパパが戻ってくるまでがローズの自由な時間。彼女は友達(指につけたバービー人形の首4コ)と、目に見えるすべての世界を遊び場に夢と冒険の日々を楽しむのでした。
そして新しい世界で出会ったのは、蜂に刺され濁った右目をギョロつかせてる魔女と純真無垢な王子様。
パパはいっこうに休暇から戻ってくる気配がなく、家中にパパのオナラの匂いが増すばかり・・・・・。


とにかく、なんともいえないくらいエグい&キモくて、ほんわかした可愛いファンタジーを期待してると気絶するくらいの衝撃だと思います。
夢見る少女の現実逃避、せつなくなるほどでした。
ローズは誰かに愛してもらいたいだけなんです。抱きしめてもらいたい、ただそれだけ。

いろいろ書きましたが、この作品好きです(苦笑)。
そんな風に思ってしまう自分も変態なんじゃないかと思うけど、いやいやでもでもこんな作品を撮っちゃうギリアム監督に比べれば可愛いもんですよ。ホントに。

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