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Hirokaz' Diary

Ondangwa Life in NAMIBIA

理想と現実

2007-11-21 15:22:28 | Weblog
 Grade11(高2)の授業で、中和滴定の実験をしました。と言っても、ちゃんとビュレットを使った実験ではありません。ビュレットが2本しかなかったこともありますが、グループでの実験ではなく、どうしても生徒一人一人に体験させたかったのです。
 生徒全員に試験管を配り、酸とアルカリを中和点に達するまで、ピペットで混ぜ合わせていくという簡易な方法です。グループ活動だと、どうしても見ているだけで終わってしまう生徒がいます。それは日本も同じ。「なるべく少人数、理想は個人実験」が私の考えの根底にあるので、できそうな実験は、思い切って個人実験を行っています。万能指示薬は、色の変化がキレイなので、生徒たちはとてもうれしそうに、楽しそうに行っていました。中和点は非常に狭い範囲にしかないので、ちょっと手元を誤ると、混合液は酸性かアルカリ性に傾いてしまいます。上手に緑色(中性)ができると、私に満足げに見せに来ました。生徒たちのうれしそうな笑顔は私のエネルギーです。
 この国は日本以上に知識偏重のカリキュラムです。実験や直接体験なんて軽んじて、知識を教え込めばよい、という考えがまかり通っています。最後に卒業試験が通らなかったら、元も子もありません。それに、たくさん実験を取り入れて、ゆとりを持って授業展開していく時間数も確保されていません。しかし、断固として訴えたいです。「理科は科学のおもしろさを学ぶ教科である…」と。でも、見せる実験からやらせる実験への授業改革は、今のところ理想論であって、現実論ではないです。モノが決定的に不足しているからなぁ…。

バイリンガル

2007-11-21 15:14:40 | Weblog
 写真は、堂々とビール広告のペインティングがあるけど「隠れ酒場」です。許可なく営業している人が多く、北部では簡単にできるサイドビジネスとして人気です。何人かの先生も隠れてお店を持っていたりします。
 さて、全然関係ない話になりますが、ナミビアは北部だけでも約7つの言語が入り交じる不思議なところです。日本の方言に近いところがあるかもしれませんが、ドきつくて、違う表現が多すぎて、お互いにコミュニケーションがとれないほどです。日本でいうと、まったく違う言語が都道府県ごとにあるみたいな…。そりゃ、何か決めるときも困るよね。そこで、白人が入植したときに持ち込んだドイツ語と英語、そして南アフリカのアフリカーンスが公用語として活用されて、国全体がまとまってきた背景があります。1990年の独立以来、英語が公用語として認められ、一本化が図られました。しかし、現地語はそれぞれの地域で愛されています。小学校教育から盛んにとりあげられ、大切に保存していく動きが活発です。先生方も生徒も、出身地が違う人とは自然に英語で会話をはじめるし、同じ出身地同士の場合は現地語でしゃべっています。2つ以上の言語を操るのは、この国ではごく当たり前のこと。一つの言語しか話せない国民(例えば日本人)は奇妙に映るみたいです。
 今日は職員室で、現地語の違いについての話で盛り上がっていました。いろんな出身地の先生同士が、「スイカは何て言うの?」-「…ふ~ん、こっちはこう言うんだよ」「じゃあ、オレンジは?パパイヤは?」という具合に。話がどんどんふくらんできて、「ヘビは?ライオンは?ハイエナは?」かなりエキサイトしていました。全部、言い方が全然違うんです。言葉が同じというのが当たり前で育ってきた私にとって、逆にこちらの言語環境はとても奇妙です。
 ちなみにオシワンボ語で、何て言うのか忘れましたが、カボチャとサッカーボールは同じ単語です。はじめてサッカーボールを見たとき、似ていると思ったのかなぁ。

リンゴの国?

2007-11-19 15:44:57 | Weblog
 いつものように、近くのスーパーに週末の買い出しに行ったら、驚いたことがありました。ここはリンゴの産地?と思うくらいに、リンゴがずら~と並んでいました。果物なんて一つも獲れない国なのにね…。ホント、輸入ルートのしっかりした国だこと。
 今、ちょうどリンゴ・フェアをやっていて、その種類のすごさといったら半端ではありません。グラミースミス、ゴールデンデリシャス、トップレッド、ブラエバーン、スターキング、フジ、ロイヤルガラ、クリップスピンク、クリップスレッドなどなど。いくつかは日本でも聞いたことがありますね。おっと、もちろん「フジ」は日本の品種ですが、南アフリカで栽培しているそうです。色も青、黄色、赤、ピンクなど、とてもカラフルに並んでいました。値段はそれぞれ微妙に異なっていて、1.5kgパック(けっこうな量です)で、いちばん安いのはグラミースミスでN$12(約200円)、いちばん高いのはトップレッドでN$19(約300円)なので、そんなに大差はありません。どれにしようか迷ってしまいましたが(実は味を全部知っている自分が恐い…)、今回は店頭に並ぶ時期がいちばん短い「フジ」にしてみました。いや~、いいですね~、この「フジ」というネーミング。なんか落ち着く。現地の人は、これがもともと日本語由来であることをまったく知りません。このさりげなさがいいですね~。

ローマ字

2007-11-18 20:37:08 | Weblog
 「Po So Ca Ma Zi Le Co」ポソカマジレコ?いったい何のことですか、って感じですが、これ、金属の反応傾向の覚え方なんです。Potassium、Sodium、Calcium、Magnesium、Aluminium、Zinc、Iron、Lead、Copperの順に頭文字を集めた「造語」です。こちらの生徒はこういうのが好きなので、教えてあげるととても喜びます。ちなみに、私もこれは昨年の生徒から教わりました。
 こちらの教育課程は、日本と比べると、レベルがやや低いですが、イオンの単元は、日本並みに覚えることがたくさんあるので、生徒たちもたいへんです。特に、イオン反応後にできる沈殿物の「色」と使用した「薬品」を覚えるところは日本よりマニアックかもしれません。イオンの性質をいろいろ覚えていくのに都合がいい、この反応傾向の順。日本だとイオン化傾向として「金貸そうかな、まあアテにするな、ひどすぎる借金」と覚えますが、外国にもやはり「覚え方」があるんですねぇ。
 ところで、ローマ字読みって、世界中で通用するんですね。こんな地球の裏側まで来て、黒板に「PoSoCaMaZiLeCo」と書くと、ちゃんと生徒は読めますからね。あたらめてそのすごさに驚いています。あっ、写真は全然関係ないですが、電気回路の実験のようすです。楽しそうでしょ?

雨季入り?

2007-11-09 17:06:13 | Weblog
 昨夜遅く、といっても今朝方だね。雨音で目が覚めました。家の屋根はトタン板なので、少しでも雨が降ると、土砂降りのように大げさな音がします。約6ヵ月の沈黙を破って、ついに雨が降りました。半年間もずっと晴天なんて、信じられない国でしょ?
 日が昇るとともに、空を覆っていた雲は次第になくなって、また青空が戻ってきました。今までのカラッとした暑さとは違う、蒸し暑さ感のある一日になりました。昼過ぎ頃、雲がまた現れはじめて、夕方には曇天になりました。いかにも降りそうな感じの雲に覆われていました。これは今晩も来るなぁ。
 写真は午後3時ごろの空のようすです。夏っぽいでしょ?これが瞬く間に雷雲へと成長していきます。夜8時ごろ、日も落ちて気温が下がってくると、案の定、雨も落ちてきました。遠くで雷の音も聞こえました。時折、空がパッと明るく光っていました。こちらの雨はしとしと降りません。必ず雷を伴ってドカッと降ります。風も吹き荒れます。起伏が険しい地形ではないのに、不思議です。見渡す限りの平らな地形…見える範囲には山一つありません。どこでこの激しい上昇気流が生まれるんだろう。とにかくいったん発生した雷雲は、台風のごとく移動して、局地的に雨をもたらします。
 いよいよ雨季到来かぁ。これで気温が下がるといいんだけど…。雨が降るたびに、虫が増えるのがイヤなんだよねぇ。

映像の力

2007-11-07 17:20:32 | Weblog
 特別活動の授業で、日本の音楽のプロモーションビデオをいくつか見せました。生徒たちは、興味深く、食い入るように観ていました。日本人の顔立ち、日本の学校のようすや、風景などが画面に出てきます。今まで、地理の先生や、私たち隊員の話でしか日本という国をイメージしていません。実際に映像で情報が飛び込んでくると、そのイメージが固まったり、すり替わったりします。日本の学校にも制服があるということや、あまり見たことのない日本の女性(隊員はなぜか男ばかり…)、街のようす、そして日本の音楽。いったいどんなふうに映ったのでしょうか。しばらく聞いていると、曲調をつかんできて、リズムにのってからだを動かしたり、くり返しのあるフレーズを歌ったりしていました。
 もちろん学校にはテレビなんてありません。倉庫に眠っているコンピュータ用のモニタを使いました。15インチなのでちょっと小さめです。それでも生徒はうまく近くに集まって観ていました。彼らはものすごく視力がいいので、少し離れていても、細かいところまで見えるみたいです。すごい…。
 とにかく、映像には「力」があります。普段の授業でも、視聴覚に訴える教材を開発していくのも効果的だなぁと痛感しました。ところで、「この授業っていったい何?」って質問が来そうですが、ちゃんとした「国際理解」の時間です。

Matric Farewell 3/3

2007-10-17 16:59:56 | Weblog
 卒業パーティがPANDU HOTELで行われました。心配していた参加生徒数ですが、約40人。卒業生は約400人もいるのにね…。女性はパーティドレスに身を包み、男性はスーツでキメていました。PANDU HOTELは四つ星ホテル。お金持ち限定のパーティです。
 ところで、昨年と違うことに気がつきました。昨年は私のデジカメで撮ってほしいという声が殺到しましたが、今年は一向に声がかかりませんでした。それもそのはず、参加した生徒の大半がデジカメを持っていたのです。たった1年で時代は変わってしまいました。
 やっぱりホテルでのパーティはいいですね。料理はおいしいし、プロのDJが音楽を操るし、会場の雰囲気が豪華だし…。ここだけ見ちゃうと、ほんと途上国じゃないです。写真は、中央に立っている背の高い女性が先生で、あとはすべて生徒です。大人っぽ~い。

Matric Farewell 2/3

2007-10-16 15:06:19 | Weblog
 ちょっと変わった卒業式…。卒業証書授与はないので、「もうすぐはじまる1ヵ月におよぶ卒業試験がんばれ!」みたいな激励のスピーチがあったり、在校生からのメッセージや卒業生からの言葉があったり、まあ、卒業式っぽいんだけどね。
 後半は、ほとんど表彰式。ものすごい数の賞状を一人一人に配っていきました。卒業生約400名に対し、約200枚の賞状…。成績優秀、スポーツ功労、文化表彰などなど。最後に、私まで表彰されて、ビックリ。「Mr.Hiroあなたは本校の情報技術の発展に努めました」みたいな…。照れました…。そんな表彰状、いつの間に作ったの?
 ちなみに、写真は先生方の席を撮ってみました。これが正装です。ガウンと呼ばれている服を着ていました。大学を卒業するときに着た服だそうです。大卒の証(あかし)になります。かっこいいですね。さて、夜は卒業パーティでした…。

Matric Farewell 1/3

2007-10-15 20:00:51 | Weblog
 あっけなく最後の授業が終わりました。もうこれでGrade12(高3)の授業がないのが信じられません。昨年から1年以上みてきたクラスがもう解散です。生徒たちは別に気にしていませんでしたが…。夕方の卒業パーティにむけて、めかし込むために、朝から欠席している生徒もたくさんいたほどですから。でも、私としてはさみしかったので、全員揃ってなかったけど、最後にクラスで写真を撮りました。いいクラスだったなぁ。思い出に残るクラスです。私がどこにいるか、わかりますか?
 それにしても、卒業の当日まで授業があるなんて、おもしろいでしょ?卒業試験を間近に控えているからです。さて、午後からは卒業式でした…。

電球の寿命

2007-10-09 19:58:16 | Weblog
 写真はキッチンの天井の電球です。こちらの電球は少し寿命が短いです。日本と比べると、かなりの頻度で交換しなければなりません。電球のつくりが雑なのかな…。普通の白熱球100WはN$3(約50円)、電球型の蛍光灯タイプはN$20(約320円)です。日本に比べればかなりお安く買えます。何度も替えるのがめんどうなので、この国に来た当初は、高いけど蛍光灯タイプを買っていました。しかし、1ヵ月くらいですぐに切れてしまって、それが何度も続きました。結局、普通の電球と変わらないことに気がついて、今では普通の安い電球を買い続けています。それにしてもよく切れます。へたすると、1ヵ月持たないときもあります。
 それだけではありません。電球の最後が、これまたたいへんなのです。信じられないことが起こります。爆発するように切れて、天井から落下してきます。そして、床にあたって砕け、粉々になってまわりに飛び散ります。一種の爆弾です。たまったものではありません。切れるタイミングは決まっていて、スイッチを入れた瞬間です。今日もダイニングの電球が切れました。夕飯の支度を調え、テーブルの上を拭こうと、電気のスイッチを入れた瞬間、「ボムッ!!」という破裂音とともに、ガラスの破片がシャワーのように降ってきました。料理を並べる前でよかったです。日本ではあり得ないことです。これがほぼ毎回だからなぁ。