「何よりまず最初にしなくてはならないのは、スプリング変更なんです。」
そう力説するのは、サンダンス代表の柴崎氏です。
速さ云々よりも、性能云々よりも、兎にも角にも『安全に止まれる』ことが大前提だ、と。
昔からよく言われていることですが、皆がご承知の通りハーレーは他社の製品と比べ どの年式のどのモデルも、とにかくブレーキが効かないことで有名です。(あくまで比較での話)
これは、日本とアメリカの道路事情に深い関わりがあって、元々アメリカではあの広大な大陸を二輪或いは四輪でひた走るのに 日本のような急制動などによるブレーキングがそこまで必要性のないことに加え(更に言えば逆に効き過ぎるブレーキは非常に危険な、良くない機能な訳で)、故に柴崎氏の言う、ハイウェイ用に設計されたハーレーのフロントフォークとリアサスペンションのスプリングも 事の一端を助長している訳です。
この4本のスプリングは、荒れたダートや凹凸の多い道無き道などでも ドライバーが少ない負担で走れるよう、非常に弾力性のある柔い造りになっています。そのため、片や狭い日本の街中で あるいは峠などで、ひとたび前ブレーキをかければフロントフォークが、そして後ブレーキをかければリアサスペンションが どちらも柔らか過ぎてあの重たい車体で大きく沈み込んでしまう。そのタイムラグが余計に日本のユーザーらに『ハーレーはブレーキが効かない』という感覚を植え付けてしまう所以で、要は大陸と島国の環境の違いな訳です。
素よりハーレーはアメリカに生まれ、アメリカに育ったバイクであり、そんなこと誰もが知るところす。が、しかしだからこそ この効かないと言われる甘いブレーキも柔なスプリングも、本国では何ら問題なく正常なのであって むしろ最適で、ベストな状態と言えましょう。
とは言えこの問題は柴崎氏もほとほと困っていたようで、またブレーキングは命に関わる重要な要素でもあることから どうにか日本のユーザーたちが日本の環境のなかでより安心してハーレーに乗ることが出来る策はないか、と この二つのスプリングを開発したのだとか。
ひとつはフロントに装着する、上下でピッチが異なる二段階構造のデュアルフォークスプリング。そしてもうひとつはリアサスに装着する、これもピッチが不均一で純正よりも狭くなっているロードホールディングスプリングです。ソフテイルの場合は、シート下に隠れている2本のリアサスのうち 片方のショックのみを交換します。(どちらもサンダンス社製TRAK TEK)
初めてこの二つのTRAK TEKスプリングを搭載した車輌に試乗した時の衝撃は、今でも忘れられません、、いったい今までのブレーキは何だったんだ!と。
『目から鱗が落ちる思い』とは 将にこのことでしょう。
急制動でもフロントブレーキのみで止まれてしまうほど、もちろんロックせずに。
非常にスムーズで、安定していて、かと言って決して効き過ぎず、程良く、かつ力強く、甘からず、辛からず、確実な、、そんな赤面してしまうくらい一途な言葉を幾つ並び倒してもまだ足りないくらい、決して大袈裟ではなく 将しくこの国の道を走りそして止まるためにつくられた 夢の安全装置。
急制動が楽しくなるくらいな、いいえ、ブレーキングが全く怖くないことが 逆に怖くなるくらいな、そんな瞬間であったのでした。
だから柴崎氏は唱えるのです…
「何よりまず最初にすべきは、スプリング変更である。」
日本のハーレー、Harley-Davidson Japanに絶対必要不可欠なShop、SUNDANCE。プライスレス
(言い過ぎ)
※(注)決してSUNDANCEの回し者ではございませぬ。
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