上の写真をごらん下さい。
防毒マスクをして収穫された穀物の上から、何やら白い粉を大量にふりかけています。
これは農薬です。
その後この農薬は、機械で均一に混ぜられます。
これがポストハーベスト農薬(収穫後使用する農薬)の使われ方で、このように農薬が混ぜ込まれた穀物はしばらく倉庫に貯蔵された後、消費国に向けて出荷されて行きます。
もう一度繰り返しますが、ポストハーベスト農薬とは、畑で使用するのではなく、輸出用穀物に対し、収穫後倉庫に一時貯蔵するときに使用するのです。
日本では、このポストハーベストは禁止されているのです。
それはなぜかと言うと…
畑で使用される農薬の場合、規定どうり使用すれば、収穫までに雨に流され、紫外線で分解され、または風に飛ばされるなどして、収穫するころになれば作物に残留していないように、その散布時期を計算されています。もちろん収穫後に、その作物に農薬を使用するなど問題外なのです。
ただ、日本でも農薬の使用規定に反し、畑で使用したとしても、収穫直前に使用されれば、残留農薬が検出されて、しばしば問題になります。
それにも増してポストハーベスト農薬は、収穫後に雨も紫外線も風もない倉庫の中で作物に混ぜ込んだりするので、私たちの口に入るまで高濃度で残留している確立が高いのです。
アメリカ国内でも、ここまでの農薬の使い方はされていないのです。
まさにこれは、アメリカから日本への輸出するからこそ行なわれる行為なのです。
輸出途中で虫やカビの害から作物を守るためにです。
この場合の、残留農薬による人体への害は無視されているとしか思えません。
日本国内では、人体に害があるために禁止されていることを、輸入作物に関しては例外という立場なのです。ここに私たちの命に関わる大矛盾があるのです。
日本子孫基金から購入したビデオ映像によると、日本の小麦と輸入小麦のコクゾウムシによる比較実験をしています。国産小麦の中では元気に生きているコクゾウムシが、輸入小麦の中では三日後にすべて死んでいるのです。
また、北海道の消費者協会が行った調査(“北の暮らし”2001年1月31日)によると、20種類のパンの残留農薬の調査で、残留農薬は、輸入小麦を使った13個全てと、北海道産の小麦を使ったものの1個から検出された。その1個は輸入物とブレンドしたものとみられた。残り6個の国産ものからは検出されなかったという結果が出ているのです。
以前、中国産の野菜から残留農薬が検出されて大騒ぎになったことがありましたが、パンなどはその遥か以前からこの状態なのです。
多少費用がかかっても、パンを食べるなら、国産小麦を使ったものを選んだ方がいいのです…
「家庭菜園は地球を救えるか?」より